人が亡くなってから天国に行くまでの7日間。そこで人生最高の思い出をひとつ選択し、映画として再現、その想いを胸に旅立ってゆく。
恋人との忘れられない瞬間や、ディズニーの記憶、セックス自慢に娘の結婚、どうしても選べない人、選ばない人……
やがてスタッフたちの記憶と混在してゆく展開は現実と虚構、死と生の境界さえゆるやかに溶かし、前向きに昇華してゆく。
各人が思い出を語る姿はまるでドキュメンタリーで是枝監督らしさはこの頃からすでに出来上がっている。
各エピソードを話す度に見ている観客、自分のさまざまな記憶が喚起される優しくも強烈な映画体験だった。
今や世界の名監督となった是枝裕和監督の第2作。井浦新のデビュー作で初々しいのだが、あまりのクールな美青年っぷりに驚く。
国立映画アーカイブにて