ワンダフルライフ(1999)

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ワンダフルライフ(1999)

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レビューの数

45

平均評点

72.4(274人)

観たひと

492

観たいひと

68

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1999
公開年月日 1999/4/17
上映時間 118分
製作会社 テレビマンユニオン=エンジンフイルム(製作協力 IMAGICA/特別協力 読売新聞社)
配給 テレビマンユニオン=エンジンフイルム
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督是枝裕和 
脚本是枝裕和 
ゼネラルプロデューサー重延浩 
企画安田匡裕 
プロデューサー佐藤志保 
秋枝正幸 
撮影山崎裕 
撮影(再現)鋤田正義 
美術磯見俊裕 
郡司英雄 
音楽笠松泰洋 
録音滝澤修 
音響効果柴崎憲治 
照明佐藤譲 
照明(再現)中村茂樹 
編集是枝裕和 
衣裳青木茂 
スタイリスト山本康一郎 
山本和子 
ポストプロダクションスーパーバイザー掛須秀一 
制作担当白石治 
助監督高橋巌 
スチール鋤田正義 
田中宏幸 
マイク野上 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

出演ARATA 望月隆
小田エリカ 里中しおり
寺島進 川嶋さとる
内藤剛志 杉江卓郎
谷啓 中村健之助
内藤武敏 渡辺一朗
伊勢谷友介 伊勢谷友介
吉野紗香 吉野香奈
香川京子 渡辺京子
由利徹 庄田義助
白川和子 天野信子
原ひさ子 西村キヨ
横山あきお 守衛さん
志賀廣太郎 山本賢司
阿部サダヲ 青春時代の渡辺一朗
石堂夏央 青春時代の渡辺京子
山口美也子 食堂係
木村多江 食堂係
平岩友美 受付係
荒木齠 死者
遠藤邦生 死者
大熊ミチ 死者
金子良隆 死者
郡ヨネ 死者
小島真顕 死者
高橋輝政 死者
夛々羅君子 死者
平川奈々江 死者
文堂太郎 死者
奥野真一郎 死者
早乙女桂玉 死者
高橋知江 死者
野本俊雄 死者
篠崎誠 死者

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

天国への入口で、人生を振り返り一番印象的な想い出を選択する死者たちと、彼らの手助けをする人々の交流を描いたファンタジックな人間賛歌のドラマ。監督は「幻の光」の是枝裕和。脚本も是枝監督自らが執筆。撮影を「肉筆浮世絵の発見」の山崎裕が担当している。主演は、モデル出身のARATA。98年度トロント映画祭出品、第46回サン・セバスチャン映画祭国際映画批評家連盟賞受賞、第16回トリノ映画祭最優秀脚本賞受賞、第20回ナント三大陸映画祭グランプリ受賞作品。スーパー16ミリからのブローアップ。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

月曜日。木造の建物の事務所に、職員たちが集まってきた。所長の中村、職員の望月、川嶋、杉江、アシスタントのしおり。彼らの仕事は、死者たちから人生の中で印象的な想い出をひとつ選んで貰うこと。そして、その想い出を映像化して死者たちに見せ、彼らを幸福な気持ちで天国へ送り出すというものだ。そう、ここは天国への入口(リンボ)なのである。今日も、22人の死者たちがリンボの施設にやってきた。職員たちは、彼らへの面接を開始する。火曜日。死者たちは、それぞれに印象的な想い出を決めていく。それらは千差万別。戦時中、マニラのジャングルで米軍の捕虜になった時に食べた白米の味を選んだおじいさん。子供を出産した瞬間を選んだ主婦。幼少時代、自分を可愛がってくれた兄の為にカフェーで・赤い靴・の踊りを披露した時のことを選んだおばあさん。パイロットを目指してセスナで飛行訓練した時のことを選んだ会社員などなど。だが、中には想い出を選べない人もいた。渡辺という老人は、自分が生きてきた証になるようなものを選びたいと言うが、それが何か分からない。伊勢谷という若者は、あえて想い出を選ぼうとしなかった。水曜日。今日は、想い出を決める期限の日だ。望月は担当の渡辺に彼の人生71年分のビデオを見せることにした。ビデオで人生を振り返り、想い出を選んで貰おうというのだ。だが、それでも渡辺は決めかねている。学生時代、就職、結婚…、ヒントを出していく望月であったが、渡辺は全部そこそこの人生だと言うばかり。そんな時、望月はモニターに映った渡辺の妻・京子の顔に一瞬目を奪われるのだった。木曜日。職員たちと撮影クルーの入念な打ち合わせの後、スタジオにセットが組まれ、撮影の準備が進んでいく。金曜日。撮影の日である。渡辺も漸く想い出を選ぶことが出来た。それは、最後に妻と映画を観に行った帰りの公園のベンチでの風景だった。土曜日。いよいよ、上映会の日だ。死者たちは、再現された自分たちの想い出の映画を観て天国へと次々に旅立って行った…。こうして今週の仕事を終えた望月。ところが、彼は渡辺のビデオの片づけをしていて、渡辺からの手紙を見つける。そこには、妻の京子が自分と結婚した後も決して忘れることのなかった死んだ許嫁が望月であると気づいていたことや、彼女の望月に対する愛を知っていたからこそ、嫉妬心から一番大切な彼女との日常を想い出として選べなかったこと、しかし望月と出会い、彼の優しさに触れたことでそれを乗り越えられたことなどがしたためられていた。だが、望月が京子とのことを渡辺に黙っていたのは、渡辺に対する優しさからではなく、他人と関わることを避けてきた自分が傷つきたくなかったからだと認識していた。実は、この施設で働く職員は皆、想い出を選べなかった死者たちで構成されており、先の大戦で京子の愛を確信するまでに到らないまま彼女と死別した望月は、彼女との想い出を選べないでいたのである。だが、望月は渡辺の残した手紙を読んである決心をする。しおりと一緒に、既に亡くなっていた京子のフィルムを探し出しそれを観る望月。そこには、出征前の望月と過ごした公園のベンチでの一時が写っていた。それを観た望月は、短い生涯だった自分が他人の幸せな想い出に参加していたことを知り、それを幸せと感じることが出来るのだった。土曜日。望月は、中村の許可を得て「人の幸せに参加できた自分」を想い出として撮影して貰うことにした。日曜日。望月の想い出の撮影が行われた。ただベンチに座っているだけの望月を撮影するクルー。そして上映が行われ、彼は天国へと旅立って行くのだった。月曜日。新たな一週間の始まりだ。望月の代わりに職員となったしおり、そして結局想い出を選ばないままの伊勢谷がアシスタントとして川嶋の下につくことになった。今日も、死者たちがリンボの施設の玄関を潜る…。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

1999年7月下旬号

日本映画紹介:ワンダフルライフ

1999年5月上旬号

劇場公開映画批評:ワンダフル・ライフ

1999年4月下旬号

特集 ワンダフルライフ:作品評

特集 ワンダフルライフ:是枝裕和監督 インタビュー

COMING SOON【新作紹介】:ワンダフルライフ

1999年1月上旬新年特別号

HOT SHOTS:「ワンダフルライフ」舞台挨拶

2024/05/08

2024/05/08

58点

選択しない 


かげおくり

かつて観た灰羽連盟のような温かさ。
今日の是枝監督の失ったイノセント。

2023/11/23

2023/11/23

95点

映画館/東京都/新文芸坐 


観るたび私のベストな想い出を探してしまう

5年ぶり3回目の鑑賞。今のところ、是枝作品の中でのマイベスト。観るたびに私のベストな想い出は何時だろう、と自分の人生を振り返ってしまう。今回は上映中なのに、映画スタートから20分くらいは自分のベストな想い出っていつだろう、と余計なことを考えていた。
ヤバい、変な反応がみについてしまっているわ。

それにしてもドキュメンタリーとファンタジーがミックスしたような本作品にはなかなか出会えないなあ。

とはいえ、しおりが渋谷みたいな場所に撮影と称して外出し、後で叱られるシーン、あれいるか?
しおりの感情描写は最低限で良かったと思う。

2023/06/18

2023/06/18

78点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/テレビ 


自分自身のことも振り返る

 死んでからあの世に行くまでに、自分の一番の思い出を再現して貰って…、という話。

 是枝裕和監督のドキュメンタリー中心の、それと役者の演技を組み合わせたような撮り方。

 私は途中でちょっと飽きてしまった。でも、ドキュメンタリーの部分はちょっといい。また、観ているうちに、もし、今自分が死んだとしたら、一番の思い出は何だろう、とか、自分の最初の記憶は何だろうか、と私自身のことを振り返っていった。

 死者に会う面接官の望月隆のエピソードはちょっとついて行きにくい。でも、演じるARATA:井浦新が若くて初々しいし、他の面々もみんな若いと思った。

2022/06/12

2022/06/13

80点

購入/ブルーレイ 
字幕


是枝さんの映画では一番好き

観たことある、と思っていたけれど、違った。
このまま、続けていれば、、と思うのに、消えてしまう人がいる。厳しい世界が嫌になったか、ドロドロした業界に馴染めなかったか、優しい人の元に行ったのか、、
小田エリカ、この映画の彼女はいい。伊勢谷、内藤剛志、井浦新、みんな一線でやってるのに。あっ、伊勢谷友介はちょっと、、
さて、この映画を観て思ったのは、天国に持っていく一つの想い出は、できるだけたくさんの場所と人が出てくるものにしようと。この映画の筋とは全然関係ないけど。

2022/04/30

2022/05/20

82点

映画館 


人が亡くなってから天国に行くまでの7日間。そこで人生最高の思い出をひとつ選択し、映画として再現、その想いを胸に旅立ってゆく。
恋人との忘れられない瞬間や、ディズニーの記憶、セックス自慢に娘の結婚、どうしても選べない人、選ばない人……


やがてスタッフたちの記憶と混在してゆく展開は現実と虚構、死と生の境界さえゆるやかに溶かし、前向きに昇華してゆく。

各人が思い出を語る姿はまるでドキュメンタリーで是枝監督らしさはこの頃からすでに出来上がっている。
各エピソードを話す度に見ている観客、自分のさまざまな記憶が喚起される優しくも強烈な映画体験だった。

今や世界の名監督となった是枝裕和監督の第2作。井浦新のデビュー作で初々しいのだが、あまりのクールな美青年っぷりに驚く。

国立映画アーカイブにて

2021/01/24

2021/01/24

86点

選択しない 


冒頭、朝靄の中から粛々と人が現れ古い建物に入って行く様子が映る。

ん?なんだろう?

きちんと同じリズムで入って来て窓口で名前を告げて次々と中に入っていく。

そんなどっか無機質でシンメトリーでとても印象的でファンタジーな映像で始まる。

次第に判明するのだけど全員死者で、でもみんなそこそこ異質なほど明るい。
この施設はあの世の手前。
ここで故人の1番の思い出を聞き取り再現撮影した映画にして上映してそれを見て思い出にして旅立ってもらう為の施設。

16ミリフィルムと、とても自然な演技が死者の世界のフィクションとドキュメンタリーの間の様な不思議な映像になっている。

出演者も実際亡くなってる人だらけってのもなんとも。