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敵も味方も和気あいあいでじゃれ合っているかのような至福のユートピア。寄るとさわるとトンチキなやり取りが始まるのだが、それで映画の流れが止まるどころか、ますますグルーヴ感が増していく。一定の家族像を押しつけるのではなく、家族の形はみなそれぞれだという前提で、複数の家族の物語がからみ合って進むのも面白い。人好きのする魅力を発揮しまくるP・ラッドを中心に、ベテラン大スター3人を配したキャスティングも絶妙。それにしてもこの終わり方は続きが気になりすぎる!
ルイス・クーの捜査への同行がなぜあっさり認められるのかとか、ツッコミどころも結構あるけれど、善玉を演じていてもどこか狂っているように見えるクーの個性が、市政と警察の腐敗を背景としたこの物語のノワール色をがぜん強化する。アクションシーンが見どころなのは言うまでもないが、その過程で、タイの生活や自然などの風景が、色彩豊かに取り入れられるのもいい。タイの警官といえばこの人、と世界的におなじみの、ヴィタヤ・パンスリンガム(「オンリー・ゴッド」)も出演。
玉石混淆で珍品も存在するサメ映画界にあって、これはいいサメ映画。だが、海底の通路が開いて太古の生物が出現するという設定が「パシフィック・リム」を思わせることを指摘するまでもなく、開巻の雰囲気からしても、仰角や俯瞰の画面の巧みな使い方からしても、これはむしろ怪獣映画なのだった。大役に配されたクールビューティーのリー・ビンビンを、命がけで助けに行くJ・ステイサムが男前。タートルトーブがきびきびした爽快なタッチで話を運ぶ。撮影がなぜかトム・スターン!
「ファイ 悪魔に育てられた少年」も面白かったチャン・ジュナン監督が凄い映画を撮り上げた。全体に強めの演技を採用して、膨大な数の登場人物の人物像を観客の頭に次々叩きこみ、ひとりふたりにフォーカスするというよりは、各人物をリレーするかたちで事態を多角的に語っていく。そのスピード感は「ペンタゴン・ペーパーズ」にも匹敵、どのシーンの演出にも天才的なひらめきがある。実力派若手スターふたりの純愛もからめ、ラストシークエンスでは怒濤のエモーションが押し寄せる!
人間や物体のサイズを自由に変化させて戦うというアイデアを映像化してみせるマーベルスタジオの技術が楽しめる。アントマン(ポール・ラッド)とワスプ(エヴァンジェリン・リリー)のコンビが動きもよく、コメディのセンスもあり、脇役のマイケル・ダグラスやミシェル・ファイファーたちも子どもが玩具で遊ぶみたいな話を脇からしっかり支えている。ただ、あらゆるものをすり抜けながら攻めてくる、美女ゴースト(ハンナ・ジョン・カメン)のキャラクターなどは綿密に描いてほしい。
サモ・ハン・キンポーが参加したアクション映画だが、舞台がタイのパタヤで、臓器移植を題材にしている。香港から来た警察官のルイス・クーとパタヤ警察のウー・ユエは息の合うところをみせ、娯楽映画らしいハッピーエンドかと思いきや、国家が裏で腎臓密売組織を操っているという話になり、タイの路地裏にトニー・ジャーやラム・カートンのような怪しげな人物が徘徊するので、パタヤの街ではそういうこともありかと思える。メリハリのきいた演出なのに、説明的な回想場面が多すぎた。
海底調査船の窓から見える美しい風景を楽しんでいると、突然の轟音。「ジョーズ」のホオジロザメの何倍もある巨大なサメの登場となるわけだが、この夏は、生物の巨大化競争映画のラッシュである。ジェイソン・ステイサムと中国出身のリー・ビンビンのアクションには気合いが入り、二人が交わす会話にも独特のユーモアがある。しかし脇役が次々にサメに殺されていくのに、あっけらかんとして物語が進んでいくセンスはラストシーンの強引さも含め、娯楽映画として、もう一考してもらいたい。
ソウルオリンピック前の韓国は、日本人旅行客にとっても緊張を強いる国であったが、この映画はチョン・ドゥファン政権下の時代の雰囲気を説得力をもってとらえている。ソウル大学生の拷問死に発する韓国民主化の動きを検事、看守、新聞記者、学生、聖職者と、幅広い人物を登場させて彼らをテンポよく動かす演出はみごと。ターゲットとなるキム・ユンソク演じるパク所長が典型的な悪役とはいえ、脱北者で富裕層に生まれながら家族を殺され、反共思想の鬼となったという設定も興味深い。
シリーズの肝であるから当たり前なのだが、ミクロ化もマクロ化も可能というアントマンの能力を存分に活かしたアクション、スリル、笑いの構築は本当にお見事。悪を討つより〝盗って盗られて〟に主眼を置いたケイパー・ムービー+アメコミ・ムービーの妙味も薄まっておらず、泥棒仲間たちとの軽妙なやりとりも健在だが、そちらに頑張りすぎてゴーストのキャラ造形や背景がやや甘くなっている点も。ポール・ラッドがどこまで手掛けたが判らぬが、脚本家としての非凡な才能に感服。
原題には「殺破狼」とあるし、監督も一本目と同じなのでSPLシリーズなのは間違いないが前2作とは趣が違う。相手の急所をゴキュバキユと破壊したり、刃物で斬り合うファイト・シーンは健在なのだが、全体的に〝死〟のムードが濃厚でとにかく陰惨。さらに正しいと思った行動が思いがけない結果を招くという、やるせない展開と深淵なメッセージもあって観ていて爽快感の欠片もないがそれがイイ。特別出演とはいえ、トニー・ジャーの扱いはアッと声を出してしまうほどショッキング。
ジェイソン・ステイサム対メガロドン。どうしたって期待してしまう対戦カードだが、深海、海中施設、海上、ビーチと舞台をコロコロと変えるので落ち着きがなく、それに従ってスリルや緊張感も散漫になってしまっている。多種多彩な見せ場を繰り出してやろうという心意気は買いたいのだが、元妻がいる場所で子連れ美女とときめき合うステイサムみたいなものまで放り込んでくるので心は作品から離れていく一方。アサイラム社製のサメ映画をブロウアップした感じといったところ。
本作とも関係の深い光州事件を題材にした「タクシー運転手」は、同事件をサバイバル・スリラー風味に活写。こちらは「パリは燃えているか」的なグランド・ホテル形式で韓国民主化運動を追いかけていくわけだが、パク・ヒスンやらユ・ヘジンやら要所々々でイイ俳優をぶつけてくるので引き込まれるし、その経緯についてもスルッと頭に入ってくる。それでいて、しっかり哀号なムードも漂わせるあたりも流石。「哀しき獣」までとはいかぬが、キム・ユンソク対ハ・ジョンウの画には燃えた。