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2002年の「第2延坪海戦」をめぐる韓国軍人のドラマだが、海戦が始まるまでのドラマはときにユーモラスでカメラワークも編集も快調。戦争映画だということを忘れていられるくらいだけれども、いったん海戦が始まると、日本のやくざ映画の死闘のようにカットバック撮影のアクションとなり、調子が落ちる。韓国海軍の協力を得た映画で彼らには敬意を表しているが、一方、同時期に開催されたサッカーW杯を見るために、ときの大統領が日本へ行っていたという皮肉もきかせている。
引退した音楽家マイケル・ケインと遺作映画を撮ろうとしている監督ハーヴェイ・カイテルが主演では、シブ過ぎると思っていたら、物語も仕掛けも派手な作品。舞台はトーマス・マンが『魔の山』を執筆したアルプス山麓の高級ホテル。登場人物もマラドーナ本人出演の肥満男をはじめ、カイテルに向かい、「あんたのクソったれ映画なんかなくっても、人生は続くのよ」とハリウッドからわざわざ言いにきて、映画をぶちこわす女優のジェーン・フォンダなど、全篇が目まぐるしい娯楽映画だった。
このところ北欧作品としては西部劇からホラーまで、ジャンル映画の異色作が続々と登場してくる。これもその一つで、ヒロインが吸血鬼とは似つかわしくない少女で、魚解体の仕事を黙々とする。映像がドキュメンタリー・タッチなので、あっけにとられていると、そのリアルさが徐々に効果を生み出し始める。ラース・フォン・トリアーの美術スタッフ出身だけあって画面は鋭角的で、身体性があり、全篇、寂しさが漂う。北欧にも狗神筋というものがあるのだろうか、日本人には分かりやすい。
大型チェーン店イケアの進出で、手造り家具店をつぶされ、長年連れ添った愛妻にも先だたれたハロルドがキレまくる出だしは名優ビョルン・スンクェストの独壇場。彼の憎しみのターゲット、イケアの創立者役、ビヨルン・クラナートといい、氷結した湖にまでつかり、北欧のシニアたちは元気がいい。作品中、いくつかの家族の悩み多き事情が出てくるけれども、淡々と笑わせる演出で、観客の想像にまかせているのが巧妙。それにしても、悪口も出てくる物語に撮影を許可したイケアはさすが。