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蟲毒。こどくと読む。諸星大二郎の中国王朝マンガで知識はあった。毒虫を数匹戦わせて生き残った最後の一匹から最強の毒を取り出すという。本作では七人の男女が争う。アクションはしっかりしており飽きさせない。監督の決定的ショットに懸ける才能を感じさせるも物語がダメ。結局始まっちゃうととりあえず最後までは行くだろう、と誰もが考えるそのようにしか進まない。オチも機能していないようだ。ネタバレで詳しく書けないがクライマックスの血の噴出は最上。半分の時間で十分だな。
男性俳優は大好きな私なのだが、無芸な地元アイドル連中をわざわざ主人公にする、という自虐的物語設定にはついていけない。極端に若い子(高校二年)から結構いい歳の人(ホスト出身)まで在籍する映画撮影所専属グループそれも時代劇に特化、という面白いキャラなのでいくらでも工夫のしようがあったはずなのに。ラストで弾けるのならば、もっと早くから弾けさせて欲しいよ。そのせいで部外者、というか協力者本田博太郎が場をさらってしまった。若者たちが無芸なわけじゃないのにね。
このシリーズ、星取りでしか見ないので企画の構想全体を理解したわけじゃないが、これ単発でもちゃんと分かるようになってはいる。で、見終わるとコナンをコナンたらしめている巨大な謎に二歩も三歩も近づいた気がしてくる。長年の宿敵が出現するんだよね。鍵は少年少女達が保護する記憶喪失女性の正体だ。正確には彼女が組織において果たす役割というべきか。クライマックスは巨大観覧車での崩壊感覚。狙う者と狙われる者の位置取り、狙う者同士の因縁など考え抜かれた設定が光る。
昔「ガタカ」という映画があったがそれに吸血鬼伝説をミックスしたアイデア。世界を支配するのが陽射しに弱いエリート達という構造である。彼らに反逆する者を出したというので経済封鎖に追い込まれた地域を舞台に、対照的な男女のエピソードが並行して描かれる。正直言って長い、と思わされるのは門脇篇が結局図式に留まっているせいだ。神木篇の方が、エリート族の中の下層者古川との交流が生き生きしていて見応えあり。ただし反逆者の扱いが本当にこんなんでいいのか、という感じも。
情報が遮断された密室空間の中で、一人が言い出した妄言が火の子となり、男女7人が7日間のデスゲーム。いや、ゲームというよりスプラッター映画に近く、気色ワルさも狙いなのだろうが、場所は備品が取っ払われた校舎内、当然あちこちに窓があり、殺し合いをする前に窓を破って逃げる算段ぐらいしろ、とイライラ。それと飢え。水以外、一切口にしていないはずなのに、何日経っても元気に殺ったり、殺られたり。でも一番気色ワルいのは彼らが閉じ込められた理由で、後味サイアク!!
劇中のご当地アイドル・グループ〝小姓ズ〟のウリが、小姓衣裳だけというのにはマイッタ。歌以前、ダンス未満のオママゴト仕種でお茶を濁す芸なしグループ。いくら寄せ集めのバイトふうグループという設定でも、いや、そういう設定ならなおのこと、稽古シーンぐらいは入れるべき。と腹を立てるこちらもバカね。実はこれ、一般映画ではなくて、〝関西ジャニーズJr.〟ファン限定の顔見せムービーだったってワケ。ファン良ければ全て良し。ファン以外はアッチに行け! それにしても。
アニメだから可能、といってしまえばそれまでだが、まず冒頭のカーチェイスのスピード感、疾走感には驚いてしまう。シリーズ初期の頃とは段違いの画のパワー。さすが劇場版20作目だけのことはある。しかも今回、コナンの敵と味方がズラリと登場、舞台となる二輪仕立ての観覧車や水族館の構造もスリリング。ま、欲を言えば、もう少し笑いがほしかったと思わないでもないが、謎とスリルがここまで疾走していればファンは文句なし。とにかく気が付いたらラストのクレジットだった。
入江監督が映画化を熱望したという舞台版は知らないが、人類が、進化と原始に二極化されたという設定そのものが私には短絡的で幼稚に思え、何やら映画だけが騒ぎ立てているよう。むろん二極化は、世界の現実や進化への暗喩であり、いかようにも解釈可能なのだろうが、この作品はそういった深い意味がほとんど感じられず、進化族と原始族がヤラセ的ルールの中で右往左往の図。原始族の人々の夜のシーンなど、撮り方が真っ暗で顔も見えないし。でも入江監督の意欲は買いたい。
〈さあゲームの始まりです系映画〉の型にはまった企画では「リアル鬼ごっこ ライジング」が佳作だった朝倉加葉子を持ってしても困難な模様。ありふれた校舎なのに早々に脱出を諦め、水道水を飲むことすら過剰に恐れるが、その恐怖が伝わらない。ほぼ全篇が校舎内、ステレオタイプなキャラが設定を台詞で説明しているばかりでは描写に注力するしかあるまい。その中では校舎階段から転落した少女の体があらぬ方向に捻じ曲がって〈脳漿炸裂ガール〉と化す光景には才気を感じさせたが。
関ジャニJr.が売れない地元アイドルという設定と、古典的な撮影所を舞台にした内幕モノを繋げたお膳立ては申し分ないがテンポが悪いので笑いもパロディーも弾けない。ミュージカルをやろうという話で引っ張っておいて安っぽいただのPVまがいが流れては拍子抜け。終盤の実際のステージの映像の方が遥かにミュージカルのクライマックスに相応しいのに本篇とは別枠扱い。東映ではなく松竹京都だが、この際、沢島忠を呼んできてジャニーズミュージカルの世界と時代劇を繋げては如何?
白木みのるみたいな探偵が警察の犬になって正義感を振りかざす本シリーズは「絶海の探偵」を頂点に肌に合わないと思うことが多く避け気味。しかし、今回は限定空間のアクションに徹していて、冒頭の派手な首都高カーアクションから好調。観覧車とヘリの攻防も盛り上がるが二輪式観覧車という設定が活かされず。ヒロインの記憶喪失と、脳という記憶装置をめぐる挿話や同級生の少年探偵団の連中の妨害としか思えない行動の数々も観覧車に集約させるためとは言え、ちと強引ですな。
富民層と貧困層、核・避難地域・棄民といった日本の現実を踏まえた図式的な設定はあれど、小規模SFの魅力になるはずのディテールが映えない。大がかりな機械や変な生活用具があると世界観が広がるのだが。長回しが際立つのは流石だが、新人類と旧人類の生活は表面的で越境への憧憬も見当たらず、暴徒化する村人という「八つ墓村」的描写も呆気ない。『モルダウの流れ』もそれらしい雰囲気に使ってみただけという感じ。同じ共産圏SF風なら「ひそひそ星」の堂々たるSFぶりを買う。