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ヒトラーの美術品強奪は有名な話だが、それを元の場所に戻すべく、美術の専門家たちがにわか軍人となるという素材自体は面白い。しかしジョージ・クルーニーや、マット・デイモン、ビル・マーレイとクセのある俳優が出ているのに個性や特技が活かされず、事件をなぞって物語は淡々と進む。ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』が破壊寸前だという事態も後追いだし、味方であるはずのソ連軍が来る前に、ミケランジェロの『聖母子像』を見つけ出そうというだけではサスペンスはかからない。
マックイーン主演の「セントルイス銀行強盗」をアルメニア出身のアンドレシアンが現代化して監督したものだが、「アメリカで危険なものは軍隊よりも銀行だ」というトマス・ジェファーソンのことばを引用したセリフまであって、富裕階級への憎しみの激しいリメイク作。プア・ホワイトの兄A・ブロディと弟H・クリステンセン、さらに弟の恋人J・ブリュースターの間の感情の流れも微妙で哀切。撮影もアメリカン・ドリームの崩壊を暗示するような風景を適格に挿入してみごとだった。
犯罪事件のせいもあって、メディアがペルーの貧困問題ばかり伝えるなか、いいタイミングで公開されるドキュメンタリー映画だ。ペルーのカリスマ・シェフ、ガストン・アクリオは根っからの料理好きらしく、親の願いに反し、法律を学んでいた大学も止めて料理修業のためにパリへ行く。祖国へ帰り、フランス料理店を立ち上げて成功するのだが、満足できず、ペルー産の素材を使った料理により誰にも搾取されない「革命」がしたいと、笑顔で言うのが泣かせる。料理の色彩と音楽が快感。
ハリウッドに生きる不安を脚本化したローレンス監督は、映画業界と生計のために勤める大学との間で揺れ動くグラントの気分を巧く演出。早口のセリフも、映画の引用も気が利いている。英文学専攻の意地悪な女教師ジャネイが主人公と和解したあと、自伝をメリル・ストリープで映画化してもらいたいと頼むところなど、随所に笑える。グラントが学生と接しているうちに本気で教育しようと思う結末はいいとしても、赴任したばかりの時の緊張を欠いた態度は、作劇上とはいえ、嘘っぽい。