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太った体型と可愛い顔で、すでに人気者になった「フアット」エイミーことレベル・ウィルソンが下ネタ風に演じるギャグで始まるのだが、そのあとは監督が女性(エリザベス・バンクス)になったせいか、下品に笑わせるところは減って、洗練された? シリーズになった。そのぶん、彼女とJ・M・ヒギンスによるアカペラ選手権の解説がマンネリ化した。最後にドイツという強敵が登場するコペンハーゲン国際大会はスペクタクルで映像的に楽しい。いずれ、日本の参戦も期待して、星をふやす。
1939年、ヒトラーの暗殺をはかったゲオルク・エルザーは長い間、はみ出し者の不平分子としてドイツ本国でも軽視。その復権署名運動がようやく93年に始まり、「ヒトラー~最期の12日間~」の監督が彼の伝記的映画を製作。どこにでもいる平凡な労働者の犯人を演じるクリスティアン・フリーデルの演技が圧倒的で、ピクニックやダンスに興じる青春のひとときが美しい。だから、それを消し去ろうとする悪の根源には爆弾を! その思いがフリーデルの全身から指先にまであふれていた。
テロリストがアメリカの外部から到来し、巨大なビルを爆破しようとするという筋書きは、四方田犬彦著『テロルと映画』の定義に当てはまりすぎて笑ってしまうが、9・11以後もアメリカを憎むものが絶えないかぎり、この素材にはリアリティがあって、クライマックスは手に汗を握る。爆破事件のたびに株の操作で金をかせぐ者がいて、それに加担するピアース・ブロスナンは2枚目的余裕の悪役で、つまらないけれど、ミラ・ジョヴォヴィッチは踏んだり蹴ったりされながら哀切感が漂う。
前半、男性ストリッパーたちのヒッピー風な会話が続く間は、どうなることかと心配したけれど、ローマ(ジェイダ・ピンケット・スミス)が登場してくると、ダンスも音楽も高潮。次のプランテーション・ハウスの女主人アンディ・マクダエルが孤独な熟女を怪演して佳境に入る。最後に「ピッチ・パーフェクト」のエリザベス・バンクスがコンテストの司会を務めるのがご愛嬌。見るべきは女性観客の妖しげなハメのはずし方で、アメリカ文化の行き着く先が怖いような、楽しみなような。