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作品のなかでも語っているように、S・コネリーの007に敬意を表しながら、それを乗り越えようとするスパイアクション。映画好きらしい作者たちは引用過多で、悪ふざけがすぎると思うところもあったが、シュールな場面の圧倒的面白さに、それもよしとしよう。貧しい階級の出身であるエグジーが貴族的スパイへの道を歩むビルドゥングス・ロマンの要素もあり、ダロン・エガートンは適役。義足アクションのガゼルを演じるソフィア・ブテラの表情と動きも鋭角的でたのしめた。
映画が撮りたくてたまらないという情熱が伝わってくる女性監督の長篇デビュー作。モノクロ・ワイドでフォーカスのイン・アウトがうるさすぎるという向きもあるかもしれないが、映像、サウンド、音楽ともに新鮮だ。舞台はイランの街なので、ヴァンパイアの少女が黒いチャドルをまとって現れるのが秀逸。主演のJ・ディーン風の青年は倫理観が強く、彼を愛する吸血鬼少女も美醜ではなく、悪人のみの血を吸い、女子大生みたいな部屋に住んで、青年に音楽の趣味を訊いたりするおかしさ。
テレビで評判になっていたものの映画化だと聞いて、軽くかんがえていたのだが、まずはアルプスの雪山をさまよう犬がすごいので驚嘆。探検家でもある監督は、ペットの犬を子どもみたいに扱っている人たちが見たら動物愛護協会に訴えそうな、過酷な犬の演出をしている。それを見守るF・ボシュエも学校へは行かず、自然と戯れて育つロマの少年を好演。ドイツ兵から逃れて、アルプス越えをはかるユダヤ人一家を村人たちが手助けする話で脇役がよく、老人役のT・カリョが印象に残った。
ボリショイ・バレエ団の芸術監督に覆面の男が硫酸をかけるというスキャンダラスな事件を追うことから、バレエ団の舞台裏が見えてくる仕掛けは巧妙である。フレデリック・ワイズマンの「ひたすら観察に基づく」手法を取り入れたと語る監督だけあって、証言する関係者の話の内容も真実味がある。プーチンのロシアには一般に言われているよりも言論の自由があり、日本の芸能界と比較して、ダンサーたちが生活感丸出しで、こんなにはっきり日頃の不満をのべて大丈夫だろうかと心配になった。