パスワードを忘れた方はこちら
※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。
メールアドレスをご入力ください。 入力されたメールアドレス宛にパスワードの再設定のお知らせメールが送信されます。
パスワードを再設定いただくためのお知らせメールをお送りしております。
メールをご覧いただきましてパスワードの再設定を行ってください。 本設定は72時間以内にお願い致します。
戻る
公開年:
現在の文字数:0文字
氏名(任意)
オーストラリアの砂漠を横断する「奇跡の2000マイル」のワシコウスカのあとで、アメリカ西海岸を南北に縦断するウィザースプーンを見るわけだが、いずれも知的な女性が不快な日常を変えようとして、みずからの肉体を酷使するという体験を原作としている。今回は旅の途中で出会う人物が善悪ふくめて多彩で、サスペンスもあり、その間に過去の物語がフラッシュバック。さて試練を経た後の彼女の生活こそ見たいのだけれど、体験記がベストセラーとなり、貧困からは解放されている。
中国北西部の砂漠地帯を幼い兄弟が離れて暮らす両親に会うためにラクダを連れて苦難の旅をする。子役が巧い。舞台背景は雄大だが、キャストも含め一家総出で製作した作品らしく、手作り感がある。少数民族、ユグル族の家庭の在り方、工業の発展と共に起きる水不足と牧草地減少という環境破壊の問題。いずれも切実な話だけれど、民族のかつての栄光をしのばせる文化遺跡を旅の道中に挿入しながら、テーマの核心を分かりやすく映像化していく手腕には、演出家の美学と教養を感じた。
東南アジアを旅行したものには見なれた風景のなかで悪夢のような外国人殺戮が展開。オーウェン・ウィルソン演じる主人公は水を供給する支援事業に誇りをもち、ベトナムに隣接する某国に妻子同伴で赴任するが、外国人の支配に憤激し、暴徒と化した原住民のテロの標的となる。肝心な情報も知らず「危険な国」に来た愚かさはともかく、ウィルソンは家族のために体をはって逃亡をはかる。文明人に襲いかかる野蛮人という白人の上から目線も気になるが、子どもたちの恐怖のトラウマが心配。
ジョン・レノンにはいいエピソードがいくつもあるが、彼の書いた手紙をめぐる物語構成には感心した。アル・パチーノの老いたるロック歌手というのも、ひねりが効いていて、巻頭でいきなり満場の観客相手に歌を披露する。いささかクサイとはいえ、さすがである。その後に続く自堕落なロック生活と難病の話は何度も見たシナリオだが、マネージャー役のクリストファー・プラマーと、ホテルの支配人役のアネット・ベニングの演技が絶妙なので、レノンの歌を快く耳にしながら、楽しめた。