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さすがに日本の防衛機構が本気で後援しているだけのことはあって、全篇軍事演習みたいなノリ。そういう次元では面白い。テレビを見てなかった私でも、警官ドラマの基底に、テロに対して強硬な制圧派と温厚な確保派の対立があって主人公二人をそれぞれに配していることはすんなり分かった。保守派の大物政治家の暗躍というのも分かる。だが肝心のテロリストのキャラが甘すぎ。これ以上は書けませんが本気で日本を破滅させる気があったように思えない。あれじゃ世界には通用しないよ。
都心と温泉保養地を結ぶ電車の売り子さん大島が主人公。疎遠にしていた母親からの手紙をきっかけに彼女を探す旅が始まる。偶然なのだが母親の立ちまわる(と予想される)先がこの問題の温泉であった。大島の連れは窃盗犯大倉。別に逃げ回っているんじゃないのだが、いつの間にか怪しい旅館で一泊するはめになり、という一種のロードムービー。いかにも性格悪そうな大島キャラが徐々にキュートに見えてくるのがポイントだ。このところ大作づいていた監督が「小さい映画」で本領発揮。
「S」は日本という国家に対しそれなりに信頼を置いている。一方こちらの闇の組織は警察と検察と裁判所がよってたかって善人を食い物にしている、という一種の妄想で出来ており、その被害者が例えば永山絢斗のお父さん。篠原が今回は彼の復讐劇に加担する。永山は別に瑛太の関係者という設定ではない。闇、闇って言うけどこんなに分かりやすい闇はない。彼女の味方に見えた人はだいたい「実は敵」という作り。ただ、私はこのシリーズを見たことがないが質は高そう。まとめて見よう。
テレビではほとんど見ていて、大ファンだと言っていい。だがこれは微妙だね。囚われの女海賊がこの人じゃあ。彼女、今度女子プロレスにデビューするらしいけど女優はムリ。むき出した歯の色とか、わざと醜くしているんだが、そういう演出が良くなかった。土着民の扱いも感心しない。テレビ版の設定をまんま活かして、例えば姑と婿殿のネコを巡る覇権争いとか、みみっちい物語で十分面白くできるはず。そういうコンセプトでしょ、本来。ただし猫侍北村のむっつり演技は万全であった。
本作の方が、仕掛けや見せ場は派手だが、絵空事観や見せ場のためのヤラセ観は、「アンフェア the end」とどっちこっち。ドラマ版を知ってでもいれば、組織や役割の違いも分かるのだろうが、こちらは全くの初心者、ほとんど何も飲み込めないまま、いきなり切り口上でテロだ、バスジャックだ、犯人は因縁の男だ、と騒がれても、痛くも痒くもなく、空疎感ばかり。ロケには海上保安庁や防衛省等が協力しているが、この辺りも気色ワルい。唯一ホッとしたのは土屋アンナ扮する科警研の姐御。
冬の箱根路を巡る大島優子と大倉孝二の身長の差がさりげなく絵になって、2人が演じるキャラクターといい、このキャスティングは成功。ただ2人が行動を共にするきっかけがいまいちムリっぽい気も。ロマンスカーのアテンダントと客だった2人が、男が仕掛けたいたずらとお節介で互いに振り回し、振り回される2日間。ヒロインの人生に首を突っ込む男が、全てを失った映画プロデューサーという設定も身近なような遠いような。ヒロインの同僚役の野嵜好美はタナダ監督の隠し玉だ。
ロングヘアーにロングコート、ヒールの音を響かせて事件現場に現われる捜査一課のヒロインって、どうなの? 彼女の頭髪が落ちないか、コートの裾で証拠物件を飛ばさないか、事件よりそっちの方が気になる。ま、こういうキャラが売りの人気ドラマ、映画だと分かっていても、高ピシャなもの言いといい、プロとして未成熟な匂いがプンプン、本気で観るのはアホらしい。しかも描かれるのが権力側の裏切り合戦、世間のコトなど知ったこっちゃないってか。シリーズが終って、ホッ。
えっ、腰ミノ姿の人種? いったいどこの南の島じゃ!! などと突っ込みを入れたら、このエーガ自体が成立しそうもない。一作目はショボくてゆるいなりに地に足が着いていた猫侍の、南の島漂流譚。といっても海岸や岩場は映るも、ほとんどが洞窟ふうの場所でのやりとり、セットも文化祭並にチープで、しかも脚本も設定も現地人のキャラも、全てがいいかげんでデタラメ、ここまでチープでゆるいと腹も立たん。で思った。猫侍サン、今度は宇宙に行ってよ。おヌシなら自由自在。
核燃料輸送船とバスを強奪したテロ集団、対する政府と警察組織内のゴタゴタに加えてレギュラーメンバーも一通り顔を出さねばならない交通整理がやっとで緊迫感を生む余裕もない。核融合による首都壊滅危機が迫る中、都内のパニック描写が福島原発事故以前のフォーマットをなぞるだけとは芸がない。超法規措置で釈放された外国人を思想なきテロリストにしたせいで大金を得ながら何故か破滅的行動に出る理由が苦しい。オダジョーと綾野のみが映画的な狂気を終始まとっていたのが救い。
せっかくロマンスカーで撮影しているのに箱根を舞台にするための手段でしかない。大島のアテンダントが実に様になっているだけに万引き騒動以外にも車内エピソードが盛り込めたのではないか。毎日の往復で目にする車窓の外へ飛び出したいという欲求、連れてってという感覚が見えないので彼女の職場放棄が唐突に見えてしまう。連れ出す大倉孝二が中年にしては若く見えるので数々の鬱陶しい言動が中和されない。高田純次、ルー大柴クラスの60代のオッサンなら、どうだったろうか?
TVシリーズと映画版を歯抜けで観ていた筆者を含め、完全に未見でも分かる作りにしつつシリーズの流れを集約させた巧みな作劇でTVと映画の中間を狙った理想的な〈the movie〉。両者に精通する佐藤嗣麻子ならでは。後はキャラが磨かれた篠原を惚れぼれと眺めれば良い。TVから映画に持ち込むと陥りがちな無駄な配役に振り回されることなく、各々に不可欠な役割を持たせている。ただ、〈裏切り〉のインフレ化が進みすぎて今までやってきたことは何だったのかという思いにも。
犬が出れば星の数が増えた双葉十三郎先生みたいな面持ちで観るべき映画なのだが、LiLiCoの出番を削ってでも白猫の玉之丞と黒猫の戯れをもう少し見せてくれなければ猫の恩恵も薄れる。このご時世に堂々と半世紀前の南海もののノリをやってのけるのは良いとして、巨大鯨を島と間違えた最初の設定が活かされないのが残念。島が実は鯨だったというオチなり「マインド・ゲーム」の様に鯨の体内に入り込むなり、劇中で〈荒唐無稽〉と開き直っているだけにもっと破天荒にできたはず。