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なんでしょうかね、これは!? 繰り返しアップになる山本美月の顔をいつまでも眺めていたいという人には、格好のサンプルかもしれないが、それ以上期待するのは間違い。お話? それらしいものは、一応あったような気がする。ノー天気な女の子が、イケメンの気を引こうと、PR会社に入って、元カレの写メールから得たヒントが企画に結びついて、とんとん拍子に行くと思ったら、お約束通りに失敗し、これまたお約束通りに立ち直るって、そんなお話が。だから、どうしたって怒らないで!
題材は、面白い。薩チャンこと山本薩夫と、正ちゃんこと今井正、さらに家城巳代治などの戦後の映画活動に焦点を当てるという試みは。また、そこで語られる証言も、往時の製作状況が窺われて興味深い。にも拘わらず、ドキュメンタリーとしては、いまひとつ食い足りない思いが残る。それはなぜか? 素材や対象に迫っていくなかで、ドキュメンタリーとしての主題が発見されていくというようにはならず、あらかじめ設定された主題(副題が示すような)に従って、対象が描き出されるからだ。
アタマに「映画」とついてるのがミソか? 超ミニスカやセクシー水着の女の子が、これでもかっていうくらい一杯出てくるからといって、むろんAVでもなけりゃテレビでもないんだぞ! と、宣うというか。確かに、ここにはエロはあっても、セックスはない。なにしろ、童貞男子の妄想の世界なのだから。しかし、いくらアタマが空っぽな男子でも、それしかないのか、なんて言うのは野暮というもの。それにしても、なんでエスパーなの? それが最初の設定としても、少々無理してるんじゃない?
また恋愛ものかよ、と、見る前からやや斜に構えた気分だったのだが、見ているうちに、次第に引き込まれていった。物語として、格別、新味があるわけではない。多部未華子演じるヒロインにしても、最初は、言い寄る男に対して、無邪気に受け容れてしまいそうに見えるだけで、さして魅力的ではない。それが、綾野剛扮する男を一方的に好きになり、彼には同棲相手がいると知ったことから、自身のありように目覚めてゆく。その女としての成長ぶりを鮮やかに浮かび上がらせたところがいい!
輝く女性の活躍を加速させようという映画であることはわかるが丹羽多聞アンドリウ・BS-TBS物件でもっと見応えある作を知っているので、もっとなんとかできたのではないかと。現代社会の精神の貧困とそれを補う表面的物質的派手さがモロに出ていて、しかしそれを告発するでもなく、映画自体、それを観ること、映画に添って語ることがややつらい。劇中の主人公最大の危機がLiLiCo(本人が本人役)の名前のスペルを間違え、本人に叱責されること。確かにこれはかなり恐しいが。
本作中で紹介される今井正と山本薩夫、新藤兼人、家城巳代治ほかの作品が凄すぎてそれには敵わぬ、名作の存在感におんぶしたドキュメンタリーという印象を拭えないが、かの映画群と日本映画史の一時代について確実に呼び覚まされるものがある一篇。お金の苦労の話が当時の関係者から率直になされていてその点も興味深い。当方二十歳前後ごろバイト先では「真昼の暗黒」がヘビロテで組まれていて何度も映写をしたがそれはまさに飽くことのない傑作であった。左翼映画、偉大なり。
私自身は気が狂いそうなまでの「やりてー!」期を経て童貞を捨て、それ以降この娘といずれエッチするとわかる予知能力や服越しに女性のからだつきがわかる透視能力(という想像力)などを身につけたがそれと同時に、いろんな女性と為しうる可能性がそれが何であったか知らない時期からすればまるで広大な暗黒のように拓け、慄いた。本作はそういう感覚や、聖少年染谷将太の勃起男根が破邪である宗教性などが主題だ。ただ、雑なのが難。サヘル・ローズを筆頭に良い面構えが並ぶ。
漫画に詳しい知人から聴いた考察。岡崎京子がそのサブカル基礎体力からゴダールをはじめとするような映画文化をちりばめ戯れたのより、もっと親しみやすい感じでジョージ朝倉は映画から受けた影響や映画への憧れを隠さなかったが、それが抜きがたい要素であった『平凡ポンチ』とその映画化よりも、それが後退した『ピース オブ ケイク』と今回の映画化のほうが見やすく入り込めた、作者も読者も脚本家も監督も観客もオトナになって実感と肉体のある世界を目指した。と。異論はない。
〝いまどき女子〟に贈る21世紀のトレンディ・ドラマ、だそう。意中の男にPR会社勤務と嘘をついたことから、銀行を辞め、PR業界へ。彼氏のLINEメッセージをヒントに次々斬新なアイデアを連発し、一躍メディアも注目する時の人に。だが、一回のミスで窮地に陥り 。正直その後の展開どうでもいい、と投げ出したくもなる、ヒロインのキラキラ系お気楽人生。現代のホイチョイ・ムービー、あるいは「無責任シリーズ」に匹敵する、濃厚な時代の空気と突き抜けた痛快さがあれば……。
圧力に屈せず本当に作りたい映画を作るべく独立プロを立ち上げ闘った50年代の映画人たちの記録。日本映画が通過した一つの熱い時代を、残された作品の断片と共に振り返る。今井正監督「キクとイサム」で歌って踊れるキクを、ふてぶてしくも愛らしく哀しく演じた高橋エミや「真空地帯」に学生エキストラで参加していた山田洋次、作家・早乙女勝元各氏ほか、当時を知る人々の貴重な話に引き込まれる。根底にある反骨、映画と社会に対する揺るぎない気概に今、触れることの意義を感じた。
TVシリーズでも冒頭で描かれた、「ある条件」を満たした者だけが超能力者として覚醒するところから始まる物語。脱力系エスパーたちが見せる、エロばかばかしい「X-MEN」的展開を予感させる序盤は期待が高まった。が、その後、主人公・鴨川の運命の相手探しと東三河の女性たちのエロ化、柱となるはずの黒幕との戦いが混在してゆき、まとまりを欠く印象に。今や言っても詮無いことだが、夏帆がヒロインで映画化していたら、と想像してしまった。池田エライザはもちろん健闘していたが。
鑑賞中ひそかに、心臓のポンプ機能に思いを馳せた。鼓動が高まるほどに体中を血液が巡り、紅潮する。それが人間なのだなぁ、と。恋をし、大好きな人と心通わせ、キスをして、耳朶や鎖骨周辺までが真っ赤に染まる多部未華子。全身で恋をする彼女の表情や発言、存在自体が愛らしい。だが、裏切られてもまた血潮は熱く煮えたぎるのだ。たかが恋愛。されどもこんな風にストレートの剛速球で恋すること、ひいては生きることの愚かさ、この上ない多幸と昂揚をぶつけてくれる映画もまた、いい。