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木下惠介の「少年期」をはじめ、戦時下を生き抜く少年の物語には感じやすいのだが、ナチスを生んだ国の監督がユダヤの少年を描いた作品は微妙なところを突いていた。疎外された少年たちどうしの会話はいずこも同じだが、周辺の大人たちが複雑怪奇。ナチス親衛隊は論外にしても、医者や農民たちにも悪辣な人間がいたことが暴かれていく。戦後、少年が大学で数学を学んだという字幕が出たとき、心底、ほっとした。隠れ場所である北欧の深い森が多様なアングルの撮影で眼を見張る。
明朝末期を舞台にした武侠アクションで、劇画調。義兄弟の契りを結ぶ軍人たちの物語だが、日本の忍者集団のように暗い衣裳を身に、裏の舞台を生きて暗殺を謀る。主演のチャン・チェンは容姿、体技ともに魅力はあるのだけれど、次々に多彩な男女優が出現してくるので、損な役まわりだ。サービス精神は感じるものの、落ち着かない構成である。宮中の金を隠し持っているミステリアスな老人が登場しても、その人物像には集中せず、見慣れた宦官の謀略や芸者の身請け話になってしまう。
韓国の映画事情がよく分かる作品。自主製作での劇場公開の大変さは、日本と同じだが、R指定のスタッフを「エロ映画」業界の人として差別するところは温度差がある。普通の映画を監督しているだけで威張っている監督など、頭の程度が低すぎてまったく笑えない。だから、必死に映画を作る彼らの団結は固く、R指定監督役のユン・ゲサンをはじめ、脇役にいたるまで青春群像は哀しく、おかしく、美しい。ただ、ナルシシズムに走りすぎて、編集が冗長になってしまったのが惜しまれる。
ギレンホールが演じる事件カメラマンの孤独な部屋には一冊の本も見当たらない。彼は生き方のすべてをインターネットとテレビから学んでいるからだ。それでも口は達者で、人をひきつける。新しい人間像の登場である。テレビの視聴率競争の裏面を描く素材ゆえ、映画ならではの企画だが、あまりにも過激な取材方法には思わず笑ってしまう。女性ディレクター役のレネ・ルッソがギョーカイに、いかにもいそうな存在感たっぷりで独特の色気を発揮。ロサンゼルスの夜景の撮影も美しい。