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自動運転を制御するAIのMACO2がかわいい。とくに、その機械的な眼の動き。対する吉見茉莉奈扮する新人の女性検事が、型通りやたら気負っているのは狙いだろうけど、彼女の名を読み違えたりするMACO2とのやりとりが面白い。それと、ここまで発達したAIは、殺人容疑で起訴されることもあるという発想がいい。仮に死刑判決が出たら、どうなるのかと考えてしまう。後半の、弁護士の攻勢に対して、検事側が反証していくあたりの展開は、もう少しじっくり見せて欲しかったが。
大学病院勤めの医師が、病気になった父親のあとを継いで、しぶしぶ町医者になり、往診では上から目線の医師ぶりを発揮してケアマネとぶつかった段階で、あ、この男もいずれ地域医療の大切さを知って、患者第一に変わるなと予想がつき、物語はまさに、その通りに展開していくので驚きはないが、にもかかわらず、在宅医療の連携については勉強になり、再発したがん患者の終末につきそうところでは、思わず涙をこぼしてしまったので、★一つおまけしないわけにはいかなくなった。
もとが演劇だけに、舞台ふうな作りだが、それを映画でやることの意味は詳らかではない。ただ、話の運びは、なかなか巧み。最初は正体不明のカラオケルームの男たちが、大学のサークルの集まりの流れとわかったところから、先輩後輩の陰湿な関係や、女子を巡るあれこれ、女子学生とOGとの揉め事など、人間関係の危うさ愚かさを露呈させていく手腕はなかなかのもの。だが、何よりも良かったのは、最後に太賀扮する高卒の従業員の、それ自体邪気のない言葉による逆説的な批判である。
この素材、よく考えて作れば、学園内政治劇になったかもしれないのが、それとは裏腹の、ガキ共がやたら騒ぎたてるだけの話になってしまった。それも、喋りまくる女子の顔アップばかりが目立つ。決定的なのは、賭けが、どう出るのか、という展開にまったくサスペンスがないことだ。見ているこちらが、こうなるだろうと思う通りの結果しか出てこないのでは、手に汗握るどころか、脱力感と一緒に欠伸が出てしまう。生徒会長役の池田エライザが、言葉少ないのが救い、といってもなあ……
アシモフの「ロボット三原則」は遠くなりにけり。という超低予算SFである。ロボットの殺意を立証できるか、というコンセプトなのだ。見過ごされてもおかしくなかったロボット犯罪が、主人公の女性検事の勝手な都合で裁判沙汰になる喜劇仕立ての発端から快調。物語が始まった時点で既に亡くなっている女科学者のキャラが鍵だが、これ以上は言えない。いわば女フランケンシュタイン博士だね。近未来なのだが現在とも言い得る、絶妙な設定のおかげで物語に引き込まれる。続篇を期待。
有能な研究医が大学病院を辞め実家の町医者を継ぐ。終末医療や高齢者医療など地域の問題に根差した作りで、それが彼をプロフェッショナルに成長させるための具体的な試練になっている。この手の修業物は私の好みで星も伸びる。最初、彼の態度は一見不遜にも思えるが、彼なりの合理性からの行動だというのも観客にだけは分かる。彼の常識が一つ一つ打ち砕かれていく過程が秀逸。薬漬けの患者さんの件をかつての同級生の薬剤師に相談に行くあたりから物語がてきぱき流れ、とても良い。
集団演技も調和が取れており、さすが人気演目という感じはある。飽きさせない。しかし話が幼稚すぎて星伸びず。今時の女子大生が鞄にコンドームを忍ばせているのが、そんなショックか。それを自分らに都合のいい何らかのサインだと思いこめる男子大学生の神経の方がどうかしている。他の子のバッグあさりに発展する狂乱騒ぎも無茶。悪ふざけだがこれはれっきとした犯罪で、酔ってました、では本当はすまない。状況を誰も分かってないのがある意味凄い。それに実は誰も酔ってないし。
世事に疎くて原作の件とか知らなかった。それでも(その方が?)楽しめる。映画を見ても主人公が何者か全く分からない。そればかりか、実はやってるゲームの内容もルールも私は理解していない。ただ美少女が賭け事に狂うというだけで、こんなにエキサイトできるとは正直意外であった。JKギャンブラー浜辺美波の美しさだけで十分もとは取った感じだし、銀髪女王池田エライザの高慢ちきもグッド。でも明らかに話は途中で終わっている。惜しい。「帝一の國」ファンなら必見ものだが。
現実の進歩を見れば、近未来の人工知能をめぐる裁判劇にも妙なリアリティを感じさせる。だが、HALを出すまでもなく、映画の側に現実が寄せてきたことを思うと、人工知能の心というテーマは既視感があるだけに、スケールの大きくなる話を低予算で巧みにまとめあげた点以外は新味もなく面白がれず。アトムのロボット法のような人間への従属や差別される者、あるいは敬意を持って対等に扱われるというようなルールがあれば良かったが、劇中のAIは雑に扱われているだけに見える。
協力協賛に並ぶ医療関係のクレジットを見ると、古めかしいドラマとお涙頂戴が相場の在宅医療啓蒙映画かと思いそうになるが、きっちりと作り込まれたドラマを感情過多にならず、抑制された演出で手堅く見せる監督の手腕を感じさせる。若手医師細田の無機質な雰囲気が程よく、ケアマネの松本の突っ込み芝居を上手く受けたり、受け流したりする演技の配置も絶妙。それにしても、在宅介護で大量の薬を飲まされている父を見ていると、今やこんなテーマは他人事ではない身近さを覚える。
舞台で見れば面白いだろうと思うのは、客席とカラオケボックスが地続きの空間を醸成できると思わせるから。映画の場合、〈カラオケ〉は最も頻繁に用いられながら、誰が撮っても大差ない狭い空間にすぎない。それを映画的な空間にどう構築するか、演出の技倆が露わになる。別室と同時進行させたりするものの劇中の空間と客席の隙間は埋まることなく、他愛ない会話が本当に他愛なく見え、ハラスメント、マウントの取り合いが、ステレオタイプな描写に堕して見えてしまうのも残念。
原作もドラマも未見だが、連ドラ版と同時撮影されたせいか映画的なスケールには乏しく、SPドラマで良かったのでは。ぶっ飛んだ奇想を盛り込んでも学園内に限定させることで世界観を維持する点は良いとしても、それを補強し、リアリティを与える演技には疑問。子役出身者も含めた実力派若手俳優が揃っているので大仰な演技もこなせるが、浜辺以外は大仰になりすぎて緩急が利かず、延々と見せられて胸焼けしそうに。「麻雀放浪記2020」よりゲーム性を重視している点は良い。