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今回の「駆込み女」とキャラが一人かぶってる、見てのお楽しみ。台詞の「馬琴」も入れれば二人か。挿話の絞り込み方が巧み。いわば主人公の妹を巡る情愛を縦糸、数話の怪談を横糸に緊張感が持続する。妹の異変に気づいて駆け出す主人公を捉える演出が、カメラの長回し風なのも実に面白い。原監督、実写映画をやった経験が活かされたのか。橋や川が明らかに大き過ぎるのは意図的なもの。江戸浮世絵の風景画にはこういう感覚も確かにある。次は「百物語」を是非アニメにしてください。
落語を連想した人、正解です。ネタバレになるので他の演目は挙げないが見れば分かる。舞台は品川。ノリは完全に小演劇で、特に菅田くんの身体能力の高さと滑舌の良さが効いている。福田監督もこれくらいの規模で小ネタと軽い物語を組み合わせる作りだと余裕しゃくしゃく、見てて安心感がある。ちなみにシャンパンタワーがなくてほっとした。こういう映画を見て、バカにすんじゃねえよって怒るのは野暮というもんですぜ。ラストの台詞が落語の形式をはっきり意識していて画竜点睛也。
凄いスケールのお寺ロケーションはそれだけで見どころだ。細かい挿話の組み合わせでじわじわと盛り上げる構成。ただし上がりが長過ぎたのか、少し切ってあるね、多分。鳥居耀蔵が失脚する場面がないし(台詞だけ)、クライマックスの大捕り物も短い気がする。もったいない。三時間くらい見ていたかったかも。キーポイントは外傷だ。じょご、玉虫、お種。三人の女に刻まれる傷跡の生々しさを見落とさないで欲しい。主人公の火傷、本当はもっと醜い方が正しいのだろうが、映画だからね。
「デニールって何?」と思ったあなたは監督の手の内にまんまと引っかかっている。若い女の子は誰でも知ってるらしいですけど。パンストの薄さの単位ね。武田梨奈の婦警さんがハマっているので壊滅的な★にはならないものの、物語が薄い。群像劇という作りのせいで、梨奈も主演なのにワン・オブ・ゼムみたいになってしまった。ビミョーにエッチなテイストを評価したいところだが、パンストもトイレで脱ぐのではなく、人が見ているなかで脱いでほしかった。ちょっとした演出なんだが。
作風も内容も全く異なるが、私的には高畑勲「かぐや姫の物語」と共にずっと身近に置きたい傑作アニメである。むろん人物もそのエピソードも絵の構図も、杉浦日向子の原作世界のままなのだが、人物や余白に色がつき、更に詳細に描き込まれた江戸風俗や風景の中を動き出すと、もう江戸世界に没入、どの人物も、どのエピソードも命が通って、愛おしい。主人公のお栄が原作よりも眉が太目で目がパッチリしているのもずっと存在感を増し、杏の声もピッタリ。遊び心と情感と、まさに江戸の粋!!
主人公をクドいほどキリキリ舞いさせるのは福田監督の得意ワザ、が今回は主人公を寄ってタカっておもちゃにしすぎて、演じる菅田将暉も、観ているこちらも息切れ寸前。品川の和風テイストのホストクラブ店を舞台に古典落語を使い回しするなど、確かにユニークで、思わず笑ってしまうシーンもあるが、場面のほとんどは店の楽屋裏、人の出たり入ったりが話のミソでもあるだけに、こうもクドいと、二転、三転も効果薄。ヒロイン役の吉岡里帆が変顔も臆せず賑やかに頑張っているのがいい。
駆け込み寺に駆け込む女たちは、不幸を絵に描いたような女が多いのかと思ったら、意外や自分をしっかり持った女がほとんど。ナルホド、意志あっての行動ってワケで、そしてイザ行動に出るとき、女は決して後には退かない。その辺も踏まえた〝戯作〟ふうの脚本・演出が小気味良く、加えてヒューマン・コメディ仕立て、娯楽時代劇として上々だ。庶民の暮しにまで口を出すおカミの横暴さをベースにしているが、それに拘らず人間味で話を運んでいるのもいい。大泉洋の存在の軽さも憎めない。
「デッド寿司」や「ハイキック・ガール!」の武田梨奈は、スピーディなキックアクションを見せるための役だったせいか、いまいちの演技もさして気にならなかったが、今回は、アクションをほとんど封印した婦人警官役で、しかも韓国のイケメンを夢中にさせる美脚の持主という設定、いくらドラマの約束ごとだといってもムリがありすぎて、彼女の十人並みの脚が映るたびにザンネン気分。原宿を舞台にいくつものエピソードが絡まっていくという脚本はそこそこだけに、何やらもったいない。
その時代に生きる人にとっては当たり前の日常と暮らしを過度に美化した時代劇には閉口する。その点、本作は汚部屋で生活のためにエロ画像を描く娘を主人公に浮世絵師の芸術譚でも人情譚でもなく、乾いた日常描写に徹したのが良い。盲目の妹に雪を音で聞かせる場面、妹の病状を母と反語で語リ合う場面の繊細な演出に感動するが、主人公が男娼を買いに行くくだりも違和感なく並立するのは〈生活〉を丹念に描いているからだ。絵が現実を侵食するアニメならではの圧倒的な表現にも感嘆。
TVじゃ悪くないが映画になると急落する監督レースを堤幸彦と熾烈に争い続ける福田雄一のいつもの非映画。表題や『品川心中』など古典落語を品川の場末のホストクラブに置き換え、つまりは「幕末太陽傳」も射程に入れた試みには支持したくなるが、小ネタを並べただけのグダグダ感は辛い。ご都合主義な設定のために奉仕させられる役者がその場限りの笑いを振りまくのを眺めるならTVや舞台の方が遥かに面白くなっただろうにと〈映画〉として作られてしまったことが惜しくなる。
かれこれ20年待ち続けた原田時代劇。自作の手法をそのまま移植することに成功した軽妙洒脱な活劇ぶりに嬉しくなるが、大泉、戸田のベストアクトを引き出したのも流石。とは言え長年の鬱憤を晴らすべく時代劇への思いが溢れて詰め込み過ぎた感もあり。プロローグが長く、東慶寺に駆け込む戸田と満島が山の中で出会うところから始まるべきではなかったか。後半の寺の取り潰しの行方もあっけなく処理されてしまう。心あるプロデューサーが原田に集団抗争時代劇を撮らせないものか。
あまりにたわいない内容なので新人監督が撮ったのかと思っていると充分過ぎる実績を持つ監督と分かって釈然とせず。各話が終盤で集約される形式は良いにしても、パンストや匂いへのフェティシズム、人生の決断点など映画的になりうる要素が尽くスルーされて各話が曖昧に終わるくり返しなので退屈。回転寿司屋で外国人差別に正論を唱えて何か言ったような気になられても、現実には原宿近くの公園でレイシスト集団が外国人排斥を叫んでいるのに画面の中ではそれを微塵も感じさせない。