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ポッシュなイギリス人を描かせたら、今、右に出るものはいないウディ・アレン。今回も「恋のロンドン狂騒曲」のようにイギリス人こてんぱんです。そんなこんなで、時代の接近はあっても「ミッドナイト・イン・パリ」を期待していくのは注意。しかし衣裳。ため息が出るほど素晴らしい。世界が欧州を中心に動いていると信じられた最後の時代の輝きがそこに。音楽も勿論。そしてこれはもしかして、アレン版「昼下がりの情事」か?ああ、結局毎回欠かさずみてしまう魔力って一体……。
これがその! と身を乗り出した。「ポン・ジュノがプロデュースする新人作品の現場が大変なことになっており、実質の監督はつまり……」という噂が飛び交っていた昨年の映画祭世界。やっと体験できた本作は洋上を舞台にした骨太な密室劇。くせもの俳優勢揃いの濃厚な力作。一種80年代までの日本映画を彷彿とさせる熱と切なさと狂気、ロケセットの丁寧な造作などなどに圧倒される。腹の座った新人監督のデビュー作が相次いで生まれる韓国の、映画への希求がとても眩しい。
困った……これを観て暫く、どんな映画も物足りなく感じられ途方に暮れた。驚愕の新人が登場したことの震えるような喜び。自らの体験を映画化しなくては治まらない強さ(時に弱さ)を改めて痛感。友達になりたくない音楽馬鹿の話なのに……が、出来れば本作について全く何も読まず、聞かず、「とにかく観に行く」という環境を獲得できると最高なのだ。「ジュノ」の素敵なパパがモンスターな教師を演じ絶品。ドラムスで映画が成立することに感服。兎に角★10個つけたい必見作。
基本的に貴重なライブをスクリーンで観ること推進派の私。そしてこれは楽しいデイヴィッド・リンチ。サイモン・ル・ボンの声とリンチの映像が妙に相性がいい上にお茶目。と言いながら、実際のところアメリカンエクスプレスがスポンサードするこのライブ配信プログラムを初めて知り赤面中。豪華ラインナップ全てを観たい。が、映像やりたい放題はリンチ&デュラン・デュランのこれだけではなかろうかとも予想しつつ。ジョン・テイラーが伊藤英明に似ていてウケてしまいました。
マジシャンと占い師、科学と霊の問題はシャーロック・ホームズの作者コナン・ドイルの時代から現代にいたるまで持ち越され、この映画の結論には不服をとなえる観客もいるだろう。だがウディ・アレンは作品の底が浅くなっても、曖昧、未解決のまま、映画を終わらせることができない監督である。なんだ、こんなことかと思う人のためには、コリン・ファースの中国人奇術師への変身や、陽光まばゆい南フランスのロケ地、1920年代ファッションなど、楽しめる要素満載と言っておきたい。
日本の新人監督が「人間悪」を描く作品を何本も見てきたが、これほど徹底した過激な描写はなく、韓国映画ならではの仕上がりである。不漁続きで船を維持できなくなった船長が中国の朝鮮族を韓国へ密航させ、一稼ぎしようとする。現実にあった事件ゆえ、リアリティもあり、すでに舞台化までされていて、構成もしっかりしている。製作にまわったポン・ジュノ監督の「スノーピアサー」と同じく列車が舞台の密室ものだが、ヒットメーカーが商業映画を意識しすぎたラストシークェンスは蛇足。
名門音楽大学の教師を演じるJ・K・シモンズがパーカーやウイントン・マルサリス以上のジャズマンを育てるのだと言って、新入生のマイルズ・テラーたちをしごき倒す。ジャズをめぐる物語を読むのが大好きなわたしには、こんなSMじみた物語がアメリカの音楽教育にあるとは到底思えないのだけれど、「これに耐えられない奴はロックに行け!」とわめき散らす、悪夢のようなシモンズが現れるのをいつのまにか待っている自分に気づき、ラストシーンでは計算の確かさに舌をまいた。
リチャード・レスターとビートルズの頃から、映像とロックの結合は楽しいものだが、デイヴィッド・リンチとデュラン・デュランのコラボレーションも期待するのが当然。調査魔のバリー・ギフォードをよく脚本家に起用している監督だから、凝った資料映像がオーヴァーラップしてくるかと思いきや、ヒット曲の《ハングリー・ライク・ザ・ウルフ》など、オオカミの絵を重ねただけ。まあ、それがかえってポップな感じで、全体のトーンをシブイ色合いにまとめたのはさすがリンチの美学だ。
何から何までぜんぶ台詞で説明せずにはおれないコリン・ファースが勝手にだまされ勝手に恋にめざめては、ああ、マジック好きの老監督はきっとこれがやりたかったんだな、という結末場面でついに幕を閉じてしまう。南仏のやわらかい光線はうつくしいし、アールデコ調の衣裳を召したエマ・ストーンはとってもかわいい。恋に落ちるということは、たしかにタネも仕掛けもない魔法にかけられるようなできごとかもしれない。だけどウディ、観客にもちゃんと魔法をかけてくれないと困るよ。
密航者の大量死という凄惨な出来事を前にして、なお主人公だけが無垢でいられたとすれば、彼を演じたのが「アイドル」だからだと思われてならず、「少女の救出」という英雄譚に回収することでしか幕を閉じられなかったのはこの作品の限界である。作者はこの事件に真正面から向き合うべきだ。漁船を密室に仕立てる濃霧のみごとな表現とキム・ユンソクの強固な存在感で結末まで見せきってはくれるが、物語を転換させる決定的な瞬間をそのように見せられておらず、まだまだ演出も拙い。
どのように家路についたかさえおぼえていない。ずばぬけた映画だ。大脳皮質の言語野が馬鹿にすらなってしまったようなのだが、とにかくべらぼうに面白い! 音楽がひとをつないでくれる云々のときに欺瞞めいたヒューマニズムとはまるきり無縁の音楽映画であり、さもしい人間のこころの機微をこの新人監督は決して見逃すことなく絶妙な編集で結末まで駆け抜けてゆく、その狂気の快速力が観客の脳髄に一撃をあたえずにいるものか! いますぐ劇場に駆けつけろ、これは本物の才能だ!
この手の映画では「デイヴィッド・リンチ」という固有名詞はもはや不安しか掻きたてないので、おそるおそる拝見。著名なバンドと映画監督によるコラボシリーズの一本のようだけど、「アンステージド」ではいささかもなく、最後まで「ステージド」。ライブ映像。ハイコントラストのモノクロ映像に、歌詞から連想されたと思しきイメージが次つぎに重ねられてはいるけれども、やっぱり「ライブ映像」。英国のこのロック・バンドを愛好する向きには至福の時間なのだろうが、(以下略)。