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前半のあまりの前途多難ぶりに、ほんとにこの上映時間で事態が解決するのかと心配になるが、主人公と協力者と映画の馬力が、やがてすべてを蹴散らしていく。因習に閉じこめられていた人々が生き生きと外へ飛び出していく経緯が鮮やかに描かれ、観ているうちに俄然元気が出る。北インドの色彩豊かな風俗も美しく、覚えて帰りたい台詞が満載。それぞれ魅力的なふたりのヒロインとの関係も素敵。オープニングとエンディングのクレジット部分も無駄にしない作りになっているのでご注目を。
一九三七年のウェルマン監督版を振り出しに、四度目の映画化となる物語。場の空気を画面に取りこむ撮影とジャンプカット気味の編集が、「いま」の気分を醸し出す。現代ならではのヒロイン像を期待したいところだが、どうやら力が入っていたのは男性主人公の描写のほうで、それゆえ女性主人公の造形は相対的に曖昧に。レディー・ガガの存在感に埋め合わせの任が託された。主演ふたりにひとりずつ配された近親者男性の役が面白く、特にクーパーとS・エリオットの関係は深い余韻を残す。
最高のカーチェイスと最高のミュージカルシーンがあるだけでなく、豊富なアイディアと視覚的工夫が次々連なって観る者を引っぱる。ディズニーキャラ勢揃いの場面は批評性があって可笑しく、クライマックスはまさかのあの古典映画のパロディ。女の子の自己実現や、プリンセスと「大きな男の人」の関係など、「ズートピア」に引き続き、今日的なテーマが満載。かっこいいシャンク姐さんの声をあてているのが、ガル・「ワンダーウーマン」・ガドットなのも、その流れでおおいに意義深い。
たわいないコメディに見えるかもだが、身につまされて泣かされる。人はひとりひとり違うのに、見てわかりやすい属性とか外見的特徴とかから勝手にステレオタイプに当てはめて、人格を決めつけることの愚劣さがよくわかる。そして「あなたの尊厳を誰にも奪わせないで!」という力強いメッセージ。声が変だと気にするエイヴリーも、職場のマッチョさになじめないイーサンも、群がる女たちの誰も本当の自分を見てくれてはいないのだと悩むグラントも、どのキャラクターもみんな愛おしい。
インドの女性が買えなかった生理用ナプキンを低価格で製造する器械を発明した男の実話をボリウッドのスター、アクシャイ・クマールが歌と踊りを交えて演じ、国連に招かれて通訳抜きで聴衆に語りかける演説がとりわけおかしい。庶民的な妻、ラーディカー・アープテーと都会のインテリ女性、ソーナム・カプールの対比的な配役もいい。生理期間の女性を隔離するというインドの後進的地域の存在にも驚いたが、地方の人間関係をていねいに描くことで、パッドマンが浮き彫りになった。
フレディ・マーキュリーを敬愛するレディー・ガガがヒロインを演じて、「ボヘミアン・ラプソディ」に続き、キメこまかい音楽映画が公開される。ブラッドリー・クーパーとガガが出会うシーンが楽しい。酒場で『ラ・ヴィ・アン・ローズ』を歌っているガガは彼女の別の個性を見るようだった。俳優出身の監督らしく、ガガの父親のアンドリュー・クレイからマネージャーのラフィ・ガヴロンにいたるまで、配役が的確。ガガがピアノをひきながら歌い、ダンスを練習する姿も見せて、サービス満点。
アーケード・ゲームの天才レーサー、ヴァネロペがインターネットの未知で不安な世界に魅力を感じ始め、保守的なゲーム世界の悪役キャラクター、ラルフを慌てさせる物語構成はよくできている。日本の国会ではサイバーセキュリティをめぐって、低次元の質疑応答が続いたけれど、ここでも知識のないラルフがオークションサイトで失敗し、ウィルスに感染するというパターン。インターネット世界の舞台がマンハッタンから東京までも模倣して華麗で、ディズニーキャラクターも続々登場する。
太りすぎの容姿で自分に自信が持てないエイミー・シューマーがスリムになろうとジムに通い、転倒して頭を打ったあげく、自分を美女だと思いこむ。実際、エイミーは美しく見えるので、入れ替わりのドタバタ喜劇を期待していると、物語はエイミーの独り舞台による、説教くさい流れになって、ビキニ・コンテストの場面なども意外にはじけない。彼女は中華街地下の小部屋に勤めつつ、ニューヨークの高級オフイスに憧れているのだが、その上昇志向が見ているうちに平凡すぎてハナにつく。
インドの過酷な生理事情に啞然とするが、日本の男も社会も無知で無関心で無理解なのは一緒。こうした作品がインドで放たれて当たることに感嘆&尊敬する。どこまでも優しくて純粋な主人公が魅力で、国連の演説場面ではつたない英語ゆえに彼の女性たちへの想いがシンプルかつ力強く伝わって本気でジンとくる。ただ、その精神が形成された背景が描かれないので、少し不気味なものも感じたりする。最後に登場する本人の御尊顔が、デリケートな製品とはかけ離れた感じなのにも啞然。
音楽業界が舞台ゆえ76年版と比べてしまった。なにかと展開が粗かった同版に対し、惹かれ合う過程、ロック・シンガーが酒に溺れているバックボーン、ヒロインがスターとして開花していくまでがじっくり丁寧に描かれている。いくらB・クーパー監督・脚本・製作・主演とはいえ役柄が格好良すぎるとイラついてくるが、晴れ舞台での失禁シーンを用意して一気にマイナスへとなだれ込むあたりも巧い。ニール・ヤングとの活動でも尖っていたルーカス・ネルソンに音楽を任せるセンスも◎。
オンラインの世界の描き方はユニークだし、可愛いらしいヴェネロペが殺伐を極めた『グランド・セフト・オート』的レース・ゲームに紛れて大活躍する場面にもニヤリとはする。だが、彼らの住処となるアーケード機の廃棄というリミットを設けながらハラハラが弱いのは、その必要が薄くなる展開が待つとはいえ作劇としてどうかなと。ディズニー・プリンセスの集結も賑やかだが、同社の豊かにも程があるコンテンツをひけらかしているだけにしか見えず。飽きずに観られるが、少し残念な出来。
美女に変身したと思い込むヒロイン。彼女の視点などを通して、そうなった画を見せてくれそうなものだが一切ナシ。従ってこちらが目にする彼女は終始プレーンのままだが、それでも劣等感全開よりもキラキラ感全開のほうが魅力的。視覚的にも〝中身が重要〟というテーマを伝えていく仕掛けが巧い。美醜に翻弄される女性の苦悩を練り込んだギャグと台詞、あえてモデルも配したキャスティングも◎だが、ワケあり然としながらいまいち弾けない化粧品会社オーナーの一家がもったいない。