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恐竜も怖いが噴火も怖い。次から次へとよく思いつくなあというピンチが繰り出され、夏にぴったりの楽しいスペクタクル。島から邸宅へと舞台が移るとややスケールダウンするけれど楽しさは持続。しかしだんだんと、夏休み気分でハラハラキャッキャしているだけでは済まない展開になっていく。このままだとブルーがシーザーになって、リブート版「猿の惑星」みたいな一大サーガになるしかなさそうだがどうなのかしら。充分活用されてない登場人物が数人いるが、続篇で活躍の予定?
迫り来る個性豊かな暗殺者たちを、殺し屋シュワルツェネッガーがコメディ風味を交えつつ、超人的能力で返り討ちにしまくる姿を描く映画かと思ったら、彼はある種「空虚な中心」であって、周囲を殺し屋たちが右往左往し、その過程で暗殺呼びかけ人の抱えていたあれこれが明らかになる話だった。要素を一個ずつ取り出して見ればどれもすごく面白くできそうなのに、結局消化不良な印象が残る。モキュメンタリー仕立てで、ふたつの撮影クルーが鉢合わせする場面が画的にいちばんオモロイ。
「アンブロークン」の後追い企画っぽいが、登場人物は一面的、人物の行動や葛藤で話が展開するわけでもないから、映画というよりTV番組で見る再現映像みたいでまるで盛り上がらない。キャスティングも美術も作品世界の構築に失敗しているため、虚構化の度合いがよくわからず、収容所が想像より牧歌的に見えるのをどこまで信じていいのか。こういうのはほんとに困る。日本人将校がフェアな面を持っていたり、善良な日本兵が登場したりは、日本の観客にとってはほっとするところか。
普通に暮らしていたら目にすることのない超絶景、想像もできない命知らずの行為を、世界中からかき集められた選りすぐりの映像で見ることができる。しかしさらに重要なのがクラシック交じりの音楽であって、山岳映画であると同時に音楽映画でもある。これほど音楽が力を持つのは、サイレント映画が生オケつきで上映されていた時代以来ではないかとさえ思うから、サイレント映画にならってナレーションも字幕にすればよかったのにと思うけど、ウィレム・デフォーの声もやはりいい。
恐竜のテーマパークがある島に、火山活動が始まり、恐竜たちを自然に委ねるか、救出すべきか、という議論から物語が始まり、絶滅しかけて貴重な生物となった恐竜たちを島から密かに運び出して競売にかける悪徳商人まで登場。石森章太郎監督の児童向けアニメ『大恐竜時代』の脚本を書いた者としては、びっくりするほど大人向けの展開だ。スピルバーグ総指揮のもと、恐竜は多彩で、恐竜と心を通わせるクリス・プラットと恐竜保護団体の女傑ブライス・ダラス・ハワードも大活躍する。
元カリフォルニア州知事のシュワルツェネッガーが世界最強の殺し屋ということで、そんな彼を暗殺して、そのドキュキメンタリー映画を制作しようという発想は、いかにもB級映画らしくて、黄金期のジャンル映画を期待してしまう。遊びの感覚もあるのだが、カメラをイージーに振り回しているうちに物語もデタラメになって、ようやく出てきたシュワルツェネッガーのセリフがふざけ過ぎ。楽屋オチの冗談まで使ったギャグで、なんとか笑わせようとするタラン・キラムがノーテンキに見える。
1924年のパリオリンピックを素材にした「炎のランナー」では、安息日には走らないと言い、種目を変えて金メダリストとなったエリック・リデル選手の話があり、熱心なプロテスタントがみんなそんなことを言い出したらスポーツ界は大変だと思ったが、これはその後の彼を追う作品だ。全体に古めかしい構成と肌触り。戦時下の中国で、彼が妻子とも別居して、宣教師活動を続ける様子が描かれていき、見ていて辛いのは、日本陸軍の少佐が出てきて、リデルに競走を申し出る物語展開。
ドローンなどの新技術を駆使して、危険で孤独なロッククライミングの撮影があったかと思えば、詩情溢れるアルプス連峰の遠景に切り変わる。一見、脈絡のないような編集だが、見終わると山岳について楽しく学べたような気分になる。山好きが待ちかねた映画である。作曲家トネッティからドキュメンタリー映画監督のピードンにコラボレーションを申し込んで仕上がった作品だけに音楽と映像が山々の美しさと残酷さ、最近の有名企業とネットユーザーの介入による危険性までよくとらえていた。
パークを再訪、そして舞台をガラリと変えてクライマックスを迎えるシリーズ第2弾「~ロスト・ワールド」を踏襲した構成に。などと冷静ぶって書いているが、前半の恐竜救出からパーク脱出のこれぞ冒険劇という畳み掛ける演出、まさかのゴシック的舞台への移動という驚き、そこで始まる「ルパン三世 カリオストロの城」を想わせる大乱戦に我を忘れた。J・A・バヨナの起用は大正解で、見せ場からシチュにいたるまで彼のフィルモグラフィー各作の妙味にしっかりと通じている点にも感心。
殺し屋をめぐるモキュメントとなっており、つい「ありふれた事件」を思い出した。同作を意識しているわけがないが、こちらは完全にコメディとなっている。しかし、殺し屋たちの珍妙なやりとりやガンサーに翻弄される姿を笑いに繋げたいのだろうが空回り気味。売れない芸人が集まって滑りまくっているさまを見せつけられているようで辛くなる瞬間が多々ある。といいつつもハッとするような長回しのドンパチや爆破もあり、楽しそうに出演しているシュワルツェネッガーが拝めるのは◎。
完全実録というわけではないものの、あの「炎のランナー」の後日譚がこれほど過酷だとは想わなかったので素直に驚いた。ただし、監督のスティーヴン・シンが根っからの香港活劇の人ゆえにベタなタッチで、実話ベースの重さみたいなものをこれといって感じられないうえにメッセージの刺さりも浅い。観終わって「リデルさん、大変でしたね」としか言いようがない。悪役にあたる日本兵が異様に眉を整えており、そのイキリぶりも相まってマイルドヤンキーにしか見えなかったのも難点。
フリー・ハンドで断崖絶壁をよじのぼったり、思いっきり滑落してロープ一本で吊り下げられたりと、体のいろいろな部分が縮み上がりそうな映像が続くのだが、結局はフッテージの寄せ集めですべてが作品のために撮られたものではない。別にそれでも構わぬが、そのわりに偉そうな感じで「なぜ、人は山に惹きつけられるのか?」みたいな講釈を垂れてくるあたりに釈然としなかったりはする。そこを探求するためにも登って撮ってきなよと思うのだが。とりあえず音と画の融合は素晴らしい。