パスワードを忘れた方はこちら
※各情報を公開しているユーザーの方のみ検索可能です。
メールアドレスをご入力ください。 入力されたメールアドレス宛にパスワードの再設定のお知らせメールが送信されます。
パスワードを再設定いただくためのお知らせメールをお送りしております。
メールをご覧いただきましてパスワードの再設定を行ってください。 本設定は72時間以内にお願い致します。
戻る
公開年:
現在の文字数:0文字
氏名(任意)
24時間つながりっぱなし、そのうえ自分を全部さらけ出しっぱなしの状態を、断罪するでも賞賛するでもなくひたすら両義的に描き、よりよい結果を求めてもがきつづける映画。大手製作だったらありえないプロットだが、これに出演した2大スターの意気やよし。圧倒的カリスマを発揮するハンクスに、若きカリスマのエマが堂々とわたり合う。「ソウルサーチ」のデモンストレーションのシーンが心底恐ろしい。あと、ミュージシャンのベックがなぜかちょこっと出演してライヴをやってます。
韓国映画というと重厚感や湿度があるというイメージかもしれないが、これはとても軽快なタッチの娯楽作。美貌と存在感に恵まれたスターが3人そろうと、それだけで(いや、もちろんそれだけの映画ではないのだけど)こんなにも画がもつのかという発見もあり。でも、スターに見とれているせいか、金融に疎いせいか、ぼやぼやしてると光の速さで話がわからなくなるのだった。頭脳戦の性格が強い戦いだが、数少ないアクションシーンもすごい充実ぶりで、観る者の気持ちを一気に解放する。
ドキュメンタリーというよりは、最初から決まっているメッセージを観客に伝えようとする映画だから――メッセージの内容自体への評価は別として――(なぜか日本でもコンスタントに上映される)米国製キリスト教宣伝映画とその意味では変わりない。でもこちらにはスペクタクル映画も真っ青の氷山「爆発」映像があり、パリ協定締結までの過程が見ごたえあるサスペンスになっており、主人公アル・ゴアが魅力的に描かれ、観客を惹きつける。終盤登場する共和党員市長のキャラもオモロイ。
台詞の書き方もしゃれてるなかなかいい感じの脚本なので、いい感じで観ていられるけれど、もっとすっとぼけた演出のできる監督が撮った方が面白くなったのではないか。イケてる音楽が流れているのに、画面の方がまったく弾んでないことにも「あれー?」となる。ディープ・サウスというほど深い南部ではない南部の空気感と、NASCARの様子が見られるのが楽しいが、これももっと上手く見せられる監督がほかにいそう。D・クレイグはこんな演技もできるのかというのは嬉しい発見。
SF的未来の物語というよりは、登場するシステムや技術がすでに現実のものとして存在するので、見たあと、インターネットで「シェア」をクリックするのに躊躇したほど。SNS企業を支配するトム・ハンクスも、その企業に憧れて就職したエマ・ワトソンも、いかにもいそうな人物像で無気味。超小型カメラや衛星を通じて送られてくる映像も実用化し、プライバシーも侵されている。新技術に操作されるマスコミ大衆の愚かさはともかく、疑いをもつ少数派にも救いはないのが、さらに怖い。
日本でも投資家詐欺をして、外国へ逃げた女性の報道があったばかりだが、チョ・ヒパル詐欺事件を素材にしていて、悪のマスターを演じるイ・ビョンホンは冒頭で大衆を前に弁舌をふるうところからフィリピン逃亡にいたるまで、役者として見せ場がいっぱい。彼を追う秀才刑事のカン・ドンウォンもひたむきさが出ていて、アクションも相当なもの。脇役もよく、現実の犯人が行方不明のせいか、物語展開も自由にできていて、マニラのロケ地では大聖堂からスラム街まで効果的に使っていた。
地球温暖化を防ぐためのパリ会議で、石炭を主として使うインドを、太陽光エネルギーの国にするために、アル・ゴアたちが必死に活動し、直前にテロ事件があって、それも心配のタネだったことなど、あらためて確認した。政治家を廃業したあとのゴアの人間味ゆたかな環境問題への取り組みが丁寧にドキュメントされている。多くの人に見せたいとの願いから東京国際映画祭のクロージングに選ばれたはずだが、それにしてもトランプの言動は反動的。この映画製作に希望を託し、星を多くする。
大金強奪の本筋に入る前に、強盗団の職業やきびしい日常生活をキメこまかく演出しているのは、さすがソダーバーグ。ローガン一家の兄チャニング・テイタムも現実感があり、イラク戦争で腕をなくした弟アダム・ドライヴァーのバーテンダーぶりもシブイ。爆破スペシャリストを演じるダニエル・クレイグはもうけ役。最後に登場するFBI捜査官ヒラリー・スワンクの使い方には驚いた。哀しい人生を送る強盗団ゆえ、何とかハッピーにと思うのだが、それをナチュラルに描くのは難しいものだ。
悪徳IT企業がグヘヘヘ。みたいな話だが、その連中を生み出し、力を増大させるのはユーザーの倫理観にかかっていると訴えることに注力している。だが、語り口はなんとも軽くてあっさりしており、そうしたテーマがズシンと刺さってくるわけではない。公私の印象通りにフランクだが、腹に一物も二物もあるCEOに扮したトム・ハンクスが新鮮。ネット社会の闇を作る元凶といえなくもないスマホのなんでもない標準機能が、SNSの進むべき光ある道を示すかのような場面はベタだが燃える。
「監視者たち」でも善と悪の切れ者たちのバトルをキビキビと追ったチョ・ウィソク。基本的に同テイストなのだが、いまいち各キャラの背景の作り込みが足りていない。それゆえ詐欺師一味が繰り広げる腹の探り合い、そこから生まれる〝恨〟の濃度が薄くなってしまっている。捜査官たちが詐欺師どもとタメを張る手口で彼らを騙して追い込む展開は面白いが、結局はドンパチでケリをつけるのも少し残念。長い手足を振り回して駆けずり回る、キム・ウビンのスクリーン映えは相当なもの。
前作では当時の〝今そこにある地球の危機〟をこれでもかと突きつけてきたわけだが、今回は少し視点をチェンジ。さらに酷くなった状況を紹介することはするのだが、ほどほどな感じに。その原因にもなっている地球温暖化は嘘と言い張る勢力とアル・ゴアの戦いをメインに追いかけた内容となっている。パリ協定のインド批准をめぐる駆け引きをスリリングに捉えたくだりは、ちょっとしたポリティカル・サスペンスといった感じ。長靴を脱ぐだけでも呼吸が荒くなる、ゴアの肥大化が心配。
「オーシャンズ11」シリーズ同様、大胆不敵な犯罪計画がウソみたいにサクサクと進んでいくのを〝そんなバカな!〟と思いながら楽しむのがマナーとなっているタイプの作品。したがって一瞬たりともハラハラする箇所はなく、ケイパー・ムービーとして観るとかなりの物足りなさなのだが、悪運の呪縛から逃れようとする一家の葛藤と奔走を見つめたコメディと捉えれば意外とイケる。名前は知っているものの、まったく馴染みのなかったNASCARレースについていろいろ学べるのは◎。