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蓄積した教養と高度な専門知ゆえにプランへの参加を許されたはずなのに、新しい肉体を手に入れたあと、建築家としてのずば抜けたキャリアの継続にすぐさま取りかかるのかと思いきや、いつまで経っても遊びほうけているので主人公が何をしたい人なのかよくわからなくなるし、ただ会話しているだけのシーンを落ち着きなく(しかも意味不明に)カット割りしているのもどうかと思うが、アクションの撮り方はなかなか上手い。これ以外ないだろうというラストへちゃんとたどり着くのも偉い。
神々と人間がとても近かった時代(ギリシア神話みたいな世界を想像していただければ)の古代エジプトが舞台。時々アクションが鈍重に見えるのが気になるし、変身後の神々が、いっそ日本の特撮映画の怪獣並みに巨大化してくれたらさらによかったかもと思うけど、ホラの吹き方がたいへん豪快でよろしい。「マレフィセント」のぽんこつ王子がここではいい感じに軽い泥棒を演じ、神の王子とのバディ感が楽しい。トートやハトホルとチームになってからのくだりはもっと長く見たかったかも。
ジャニスが母親に送った手紙の多さと、文面の親密さと率直さに驚かされる(読み上げるキャット・パワーの声がまたいい)。彼女は異端児ではあったけれど、決して不真面目だったことはなく、いつでも「パパとママの娘」だったに違いないのだ。だからこの映画で最も胸がつぶれそうになる瞬間は、幾度かの別れと悲劇的な死以上に、過去を上書きしようとするかのごとく参加した同窓会の顚末であり、彼女の成功がほかならぬ両親を不幸にしていたとわかる瞬間だ。最後の恋人の存在も印象的。
今さらこの監督にこんな点をつけるのはわたしもつらい。開巻からずっとR・ダールの言葉に引きずられて足取りが重い感じがある。空間が開かれ、イメージが飛躍するスピルバーグ的爽快さがなかなか訪れない。そのうえ、丁寧に演出しているように見えてプロットが穴だらけでちぐはぐなので、観終わったとき非常に困惑する。しかし「クリスタル・スカルの王国」でも感じたことだが、カミンスキーの撮影にはジャンルをはみ出す変な過剰さがあるから、これを愛でるという楽しみもあるかと。
NYを作った男と言われる建築家(ベン・キングスレー)が余命半年と言われ、天才科学者(マシュー・グード)の研究所の力を借りて、遺伝子操作により、若く強い肉体(ライアン・レイノルズ)に優秀な頭脳を転送するというSF。物語の発端は十分に期待をもたせてくれたが、研究所は金儲けの組織に過ぎず、一見知的に見えるマシュー・グードにも「悪の哲学」すらないと分かると、ワンアイデアの話ではもたない。あとはカー・アクションとCM的テンポの演出で乗り切ろうとするのだが。
エジプト神話を素材にしてCGを駆使したスペクタクル。おなじみのピラミッドやスフィンクス、それに巨大オベリスクの建築家まで登場させ、建物の仕掛けもよくできている。冒頭、天空から一気にエジプトの市街に舞い降りていくショットには、わくわくした。砂漠から権力奪取のためにセト(ジェラルド・バトラー力演)が部下を引き連れて、やってくるあたりも圧巻。死者の魂を死後の世界へ導くハトホル(エロディ・ユン)も妖しい魅力を振りまくのだが、後半、話が見えてしまうと辛い
60年代ヒッピー文化の時代を生きたジャニス・ジョプリン27歳の生涯を家族、友人、手紙まで含め、綿密に追っている。『サマータイム』のレコーディング風景は彼女の音楽の真髄に触れる場面だ。ジャニスはひたすら成り上がりたいと必死。新しいものを求めてバンドも次々に解散する。ライブが大好きで、その時の活力に満ちた顔と、舞台を降りて一人になった時の表情の落差には驚く。あげくは酒とクスリ漬けの日々となり、最後にオノ・ヨーコと登場するレノンもそれについて語った。
BFG役のマーク・ライランスと少女役のルビー・バーンヒルの主役コンビがいい。夢にしてはセリフが理屈っぽく観念的なのはロアルド・ダールの映画化だから、当然。ティム・バートンの「チャーリーとチョコレート工場」同様、スピルバーグも映像と音響に凝っている。「巨人」と普通人間の対比、光と色彩の微妙さ、悪ふざけやブラックユーモアのセンスも楽しめる。巨人たちの動きがいささかパターン化したところで、一転、バッキンガム宮殿の現実世界に移行。ここからは快調そのもの。
衣裳デザイン以外でも影響を受けていただろう、石岡瑛子の喪失をどうクリアするのか? そんな心配は杞憂に過ぎず。〝彼史上最も〟というか〝彼史上初〟といっていいであろう、とことんシャープでスピーディな演出を堪能させてくれる快作でありました。それでいて、マンハッタンに建つトランプの絢爛豪華でいて俗臭芬芬な自宅ペントハウスをベン・キングズレーの住処にあてがうといった、彼一流の美的センスも健在。第二次ターセムともいうべき新章へ進めているようでホッとした。
古代エジプト神話の世界を舞台にしており、監督も一応はエジプト生まれ。それゆえ、アドベンチャーとはいえ神々しいこと極まりないのではなかろうかと構えていたが、とにかく毒々しいというかケバケバしいノリ。神様たちの背丈は人間の倍くらいの背丈という比率設定や銀河にホゲーッと鎮座する老けメイクのG・ラッシュなど、大小問わず画面に映り込むすべてがキッチュだ。一方、C・イートン、A・リー、E・ユンと、女優たちは神々しいまでに美しい方々を揃えているのも◎。
死後数十年、評伝本も無数の故人をめぐるドキュメントの場合、目新しい話が出てくるのは稀。それでも彼女の切ない人生は何度辿ってもウルッとなるし、それに裏打ちされた歌声と曲の詞にはグッとくる。この恒久性は、彼女の存在が神話と化したことの証だが、それでもベタで新味のない構成には少し落胆。本作にも登場したジャニスの元恋人たち=穴兄弟が一同に介して思い出話をする別のドキュメント『恋人たちの座談会』(未見)があるのだが、その視点は面白いと思うし、猛烈に観たい。
アンブリンでの製作、スピルバーグ組ともいうべき鉄板のメンツ。期待に胸を膨らませたが、みるみると萎んだ。互いに孤独という共通項はあるが少女とBFGはたいしたフックもなくツーカーの仲になるし、BFGが執心する子供への夢の吹き込みがどう作用してどう重要なのかピンとこず。ロンドンの闇に紛れながら移動するBFGの姿や、彼が人間界から拝借したアレコレで作った生活道具のユニークな意匠には魅せられるが、本当にそこだけ。〝ド・ウシタ巨匠SS〟という感じ。