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ハイチとガーナに取材し、NGOや国際機関の援助活動が、現地の産業を圧迫し、さらなる貧困を生み出している、という皮肉な現状を訴える。私たちの寄付がそんな結果を招いているとは、やるせなくなる。大量の支援米のせいで米価格が暴落し、ハイチの稲作農家を壊滅させた。地元の人のコメントが印象深い。「栄養バランスにも問題が生じている。自分たちで作っていた80年代、米を食べるのは週3回だったのに、今では毎日3回というありさまだ」とのこと(苦笑)。
妖怪ハンターが報奨金目当てで、生まれたばかりの妖怪の赤ちゃんをつれて旅をする。古くはジョン・フォード「三人の名付け親」、日本でも前田陽一「神様がくれた赤ん坊」のような名作が生まれた物語の踏襲なのだが、語りの力がもうひとつで、人物描写も平板。とにかく妖怪ベビーの可愛さが本作の生命線で、その点だけならディズニー作品にも劣らない。途中、人間の子どもと遊ぶシーンがあるが、この子どもが実に可愛くなく、妖怪ベビーの可愛さがより強調されるしくみである。
監督の初期作からずっとコンビを組んできた撮影監督ピーター・レヴィのカメラワークが素晴らしい(もちろん回しているのはオペレーターだが)。ベルリン五輪の本番、レニ・リーフェンシュタールが記録映画「オリンピア」を撮影するまさにそのオリンピアシュタディオンに主人公の黒人陸上選手が入っていき、敵地一〇万観衆に圧倒されつつ家族写真のロケットを眺めてからスタート位置につくまでの一連の動きを、グリグリとしたワンカットで押し切るところはゾクッとさせられた。
1984年の前作でチェコ出身のI・ライトマン監督は撮影にハンガリー出身のL・コヴァックスを起用。東欧コンビは夜のNYでファンタズムが肥大する様を、圧倒的な躍動感と共に写していた。ひるがえって今回のリメイクも負けていない。ウェス・アンダーソン組のロバート・ヨーマンはさすが「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」の撮影監督で、この街では何が起こっても不思議ではないというおもちゃ箱感を画面に叩きつけた。ラストのマンハッタンのイルミネーションも泣かせる。
海外援助を名目に、かの地の政権と手を結び、暴利を貪る日本企業のことは聞いたことがあるけど。寄付や援助が巨大産業となる反面、その国の人たちの自立を妨げている。この現状が、ひじょうに論理的、具体的に描かれ、眼が開かれる想い。U2のボノの善意の活動が、一方的な押しつけにすぎなかったのでは、という問いかけが、こちらの胸にも刺さる。可哀そうでも弱くもない地元の人たちの発言、活動の画面が重く。多少、プロパガンダの臭みはあるが、映画には記録・告発の側面もあって。
妖怪と人間が同居する世界が舞台。だけど、なんで善と悪の妖怪がいるのか、その基本設定が分からなくて。展開も行き当たりばったり。ただもうSFXを駆使した乱戦乱闘場面が次から次へと連発される。こう山場ばかりだと、逆に一本調子となって退屈を覚えるのだけど。妖怪狩人のお転婆娘はちょいと魅力的。相手役の男子が軟弱なのが今風。いやもうサービス精神旺盛なのは認めるけど、もう少し、映画の骨格をしっかり組み立ててほしくて。さて、米中妖怪退治合戦の結果は、どうも引き分け。
娯楽派と思っていたホプキンスがこういう映画を手がけるとは。黒人選手が内外の差別に遭いながら、オリンピックに挑む実話。米国がヒトラー主催の五輪をボイコットしようとした動きとか、ナチスとレニ・リーフェンシュタール監督との確執、ブランデージの暗躍など、内幕的な挿話が面白い。主人公の浮気の話はなくもがな。帰国した彼への米国民の対応は、今の状況とつながっている思いがして。「炎のランナー」に似た印象だが、こちらは通俗的というか、ちと型通りなのが物足りない。
メンバーが女性に替わっても、中身はオリジナルと変化がないようで。とにかくお賑やかに幽霊団が登場して、VFX満載の派手な見せ場が展開される――のは中国妖怪軍と同様。女性たちの方が逞しいのも、そう。黒一点の男子が、美形だけどオツムがカラッポっていうのは笑えたけど、ちと泥臭い。とにかく全篇、思いつきの羅列という感じで、どうも映画の中に入って行けなくて。理屈抜きの面白さって、ちゃんと理屈を考えて、その上でソレをハズすから面白いんじゃないのかなあ……。
贅沢や粗末へのいましめとして、〝アフリカには飢えた子どもがいるんだから〟という一言がある。その有無を言わせぬ最悪のイメージの下、繰り広げられる営利目的の途上国開発は、いまや巨大産業なのだという。その循環の中で起こっている見えづらい世界の仕組みを、本作は具体的な例を数多く挙げて解き明かし、疑問を投げかける。問われていることは難しい。究極すぎて混乱する。ただ、慈善活動への見落としがちなひとつの視点を明確に提示していることは有益だ。考えるきっかけになる。
何やらかわいい赤ちゃんキャラ! シュレックっぽいと思いきや、監督は「シュレック3」の共同監督ラマン・ホイ。でも、王子も真っ青なくらい、ヒロインがやたら強いところは、むしろ最近のディズニーを彷彿とさせる大胆さだ。王子的ポジションの青年が、ひょんなことから妖怪の子をお腹に宿してしまう奇天烈な展開。主演女優バイ・バイホーのクールで精悍な個性が功を奏してか、そんな男女逆転風のアイロニーも意外と自然。ハリウッド風味も新鮮な、最新中国エンタテインメント。
1936年のベルリンオリンピックで、陸上競技の4つの金メダルを獲得したアメリカの黒人選手ジェシー・オーエンス。地元大学でのコーチとの出会いから、ヒトラー政権下のオリンピックへの参加までを描く。オーエンスを演じる俳優がいい。彼のアスリートとしての才能はもちろん、知性と謙虚さを柔らかに醸していて好感が持てる。物語は特に後半の、オリンピックでの出来事において緊迫感が増していく。〝差別〟という問題の根深さ。いつの時代も目を背けてはいけないと痛感する。
84年の大ヒット映画が、理系女子たちの物語となって甦る。オリジナルのあの人たちも少しだけ登場。主演は、全米のお笑い系女性スターたち。監督ポール・フェイグの過去作、結婚にまつわる女の友情とバトルを猛烈ギャグ満載で描いた「ブライズメイズ~」は大好きだったが、今回、主演女優も同じコンビではあるけれど、何でも女の友情に絡めればよいわけではない。彼女たちの身体を張った後半の姿にはグッと熱くなるものがあったが、結局、ケヴィン君なるイケメンいじりが最大のツボ。