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内戦下のスリランカから夫婦と娘という偽装家族を作って申請の許可をとり、フランスへ入国する一家の物語だが、居住したパリ郊外の集合団地がまた、麻薬密売人が巣食い、法治国家と思えないほどの荒廃ぶり。「シャルリ・エブド事件」のあったフランスだからつい移民難民問題を考えてしまう。俳優としてのキャリアのないアントニーターサン・ジェスターサンが主人公を演じてリアリティーを醸し出すが、全体の仕組みはフィクション。タミル語、仏語、英語の会話を日本語字幕で見るのだ。
昔からのファンにはさすがに年をとったという感じはするが、製作を兼ねたジャッキー・チェンがシルク・ロードを舞台に熱演している。前漢の時代にローマ帝国の大軍勢を迎え撃つというアイデアもアジアからの視線で新鮮。時代考証を含め、キメの細かさには欠けるが、少年時代によく見た、ローマを舞台にした西洋の歴史スペクタクルを東洋の側から作った娯楽映画だと思えば、充分に楽しめる。ジャッキーの相手を務める強いフン族の女ムーンを演じたリン・ポンが野性的な魅力を発揮。
下重暁子の『家族という病』がベストセラーになる日本と同様に、アメリカでも一年に一度、家族が顔を合わせるクリスマスの晩餐会は気が重いものらしい。ジョン・グッドマンとダイアン・キートン夫妻を中心に、芸達者が顔を揃えたコメディーなので、大いに期待したのだけれど、演出にテンポがなくて、ときに退屈。台本構成も繰り返しが多く、オリヴィア・ワイルドがニセの婚約者のジェイク・レイシーを家に連れてくるくだりなど、説明過多。ただ、クリスマスの雰囲気描写はみごとである。
ノルウェーで活躍するバレリーナ麻衣子は大阪出身の「ど根性」女子を絵にかいたようなキャラクター。笠置シヅ子に雰囲気の似た母親も愛嬌たっぷりで笑わせる。十五歳でロイヤルバレエスクールに留学して、いろいろ苦労はあったのだろうが、ハッピーエンドに向かって一直線のドキュメンタリーだ。オスロの風景もヒロインの住まいも清潔で美しく、周辺にも悪意のある人間は一人も登場せず、彼女が出産して舞台に復帰することを祝福。日本の「マタハラ」ということばが恥ずかしくなる。