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サンローランがいきなりシャネルのモデルに向かい、「自分のモデルになってほしい」としつこく口説くところからして、ギャスパー・ウリエルはいかにもファッション界に君臨することになる男らしくて適役。晩年はヘルムート・バーガーが演じるのだが、ヴィスコンティ映画へのオマージュまであって、ファッションの細部がしっかりしている。脚本構成もいわゆる伝記映画ではなく、虚実皮膜のバランスがいい。黄金の70年代に関心のある者には、登場する固有名詞も含めてたまらない。
ポルトガルのドウロ河流域の小さな町を舞台にした瑞々しく、端正な作品である。カメラを趣味とするユダヤの青年が下宿のおばさんから富豪の美しい娘の遺体写真を撮ることを頼まれるのが発端だが、以下、この土地のカトリック教とユダヤ文化の関係なども丁寧に演出されながら、物語は幻想シーンに進んでいく。死者との恋といえば、日本では『牡丹灯籠』や、泉鏡花の作品があるけれど、ここでは風景同様、暗い湿気はなく、軽やかな感じ。主人公の住む下宿の人間関係がリアルで興味深い。
グッゲンハイムの「不都合な真実」は分かりやすい啓蒙的な作品だったが、この作品もノスタルジックな手描きアニメまで使い、充分に時間と金をかけた、ストーリー性のあるドキュメンタリーに仕上がっている。彼女をこよなく愛する父親にパソコンを教え、ブラッド・ピットが好きだと言うマララを等身大に映しているところも好感がもてる。だが、隣人たちの「彼女は有名になりたいだけさ」という批判まで録画しているのに、タリバンがなぜ、女子教育を憎むのかは分からないまま終わる。
出会ったときから6年間にわたり、男(ジャスティン・ロング)は知的で魅力的な女(エミー・ロッサム)の心がつかめず、苛立った日々を過ごす。時間と空間をとばす手法は最近の流行だけれど、全篇がコマ切れで、男女の愛と性の表現がもの足りない。終盤に近く、ロッサムが鮮やかな赤い服に着かえ、はっと思わせたので、何かが始まると期待したのだが、それも不発。コメットをめぐるポップな感覚はいいとしても、男女の関係をもっと追いつめて、狂気をはらむ展開にしてほしかった。