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1作目の7年後に製作された2作目「スカイライン 奪還」の時点で、既に「奇跡の続篇」と謳われていた「スカイライン」シリーズ。しかし、世界興収2億ドル程度の前作から3年足らずでさらなる続篇が実現(完結篇とのことだが完結してないような……)。CGのコストダウンと制作期間の短縮は派手な絵面のSF映画の量産を促したが、作品の数に比例して良作が増えているわけではないというのも事実。本シリーズは作り手サイドが心底楽しんでいそうなのが救いだ。
フルデジタル3DCGの画面の中、『AKIRA』の「金田のバイク」を思わせるバイクが暴れ回り、中国語ラップがけたたましく鳴り響く。良くも悪くも「お、おう。これが未来の映画か」と思わせるのに十分な導入部。中国神話のレファレンスやクリーチャーの造形も新鮮。あとは「ビデオゲームのオープニングCGみたいだな」というこちらの感覚が麻痺するのと、テクノロジーがそれを追い越す(ピクサーなどの一部の作品はもうそれを達成しているが)のと、どちらが先か。
ポーリッシュ兄弟の片割れマイケル・ポーリッシュ。まだそこまでベテラン監督というわけではないのに、メジャーで撮れなくなってからのウォルター・ヒルの近作のような不思議な粘り気と諦観の漂った作風に意表を突かれた。メル・ギブソン出演作ということでS・クレイグ・ザラー「ブルータル・ジャスティス」とも並べたくもなるが、あそこまでのエクストリームさはない。しかし、苦境にあるギブソンがそれでもしっかりと出演作を選んでいることは伝わってくる。
金融危機前夜の住宅バブルと、古典的な地球侵略ものを結びつけるというアイデアはいい。それをシュールレアリスティックに表現したビジュアルのセンスもなかなか冴えている。ダブリンでグラフィックデザインを学んでいたという、監督のバックグラウンドにも納得。ただ、『世にも奇妙な物語』や『ブラック・ミラー』の一篇ならまだしも、そのワンアイデアだけで98分を押し切るには少々無策すぎたような。今後、長篇の構成力を身につけたら化けそうな監督ではある。
10年前のシリーズ第1作「征服」の、僅か3日間でエイリアンに征服される市井の人々(ややセレブ)の話から、いつしか地球防衛軍と宇宙人(本作ではハーベスターに)の戦いへ!? エイリアンの設定が、当初の未知の生物から大きく変わり、人間の理解範囲内の生物になったため、謎がなくなり、恐怖も半減。バトル描写も、人間同士が戦っているようにしか見えず、ワクワクしない。「奪還」からの伏線を担う、インドネシアの名アクション俳優ヤヤン・ルヒアンの扱いも雑で、もったいない。
病院周辺や墓地の景観まで、みっちり描き込まれた世界観は、アニメーションらしい見応えだ。東海龍王の眉毛から、龍の髭、猿の毛に至るまで、繊細な描写は秀逸。3千年前の回想シーンの、墨っぽいタッチも面白い。視覚的なドラマ構成が、主人公・李雲祥と少年神ナタが対峙する、クライマックスの余白を際立たせて、その後の転生の瞬間を大いに盛り上げる。東海龍王のアジト・龍宮の、龍の描写も迫力満点だが、仮面男(その正体にびっくり!)のアジトにいる小猿たちの描写が可愛い。
ピンクのシャツがやけに似合う、メル・ギブソン扮する元警察署長レイの曲者っぷりもなかなかだが、レイの娘トロイ(ケイト・ボスワース)が最強すぎる。父親に鍛え上げられた戦闘能力で、武装強盗団をどんどんやっつけては、怪我をした仲間の応急処置もやってのける(本職は医者)。この父娘に振り回されっぱなしのやさぐれ警察官コルディーロ(エミール・ハーシュ)の見どころというか、役としての落としどころがちゃんとあってホッとした。しかしハリケーンは必要だったかな?
観たことを後悔するくらい、怖かった。目を背けたくなるようなグロい描写があるわけではない。練られた脚本に怯えた。カッコーの托卵をモチーフに、エイリアンの子供を育てることで、彼らに侵略されていく若いカップルの変化が不気味なほど静かに描かれる。図らずも子供を助けたことを後悔するジェマを「君はいい人間だからだよ」と慰めるトムに、ファジーな人間味が現れる。子供と眺める雲に向かって吠えた時、ジェマは正気だったのか、既に侵略されていたのか。印象的なシーンだ。
前2作は未見だったので冒頭やはりついていけず、「マトリックス」を3作目から観るとこんな感じなのかもと思っていたら、「エイリアン2」「第9地区」等々を綯交ぜにしたB級展開に突入。新鮮味には欠けるが、VFXとアクション(ヤヤン・ルヒアンもっと出てほしかった)は悪くない。残念ながら特に前作を観たいとは思わず。SWは「ジェダイの復讐」を最初に観て夢中になったのだが、その違いは、原点ということを抜かしても、キャラクターが魅力的かどうかは大きいのかな、と。
中国神話『封神演義』を基にした3DCGアニメ作品だが、分割画面を多用した立体的なアクション描写と『少年ジャンプ』な展開で、その神話に馴染みがなくても入り込める。古典を独特の近未来的ヴィジュアルセンスで再構築して主人公の“逃れられない運命”を描く、ということで紀里谷和明監督の世界観にも近い。状況や心情を説明するような歌が入ったり、主人公がカメラ目線で喋ったりするが、それもあったりなかったりで特に統一感はない。謎の仮面男の正体はちょっとアガった。
かつて次のレオと目されていたE・ハーシュだが、超大作がコケて失速。その後地味にハリウッドを生き抜き、一昨年の「ワンス・アポン〜」で久々に役に恵まれ、彼を追ってきた者としてはグッときた。本作はそのハーシュとあのメルギブ主演なので期待していたが、どちらも今回は空回り気味。全篇、複数の人物をカットバックで描いているが、背景が浅いので限定空間での攻防のスリルも伝わってこない。人気低迷期のC・スレイター主演「フラッド」と設定が似ているのも気になった。
マグリットなヴィジュアル世界でカフカ的展開が延々続く。主人公カップルと謎の子供(ほぼこの3人しか出てこない)の関係性、その発狂寸前の均衡から徐々に滲み出る静かな絶望。“パッケージ化された幸せ”に潜むリアルな悪夢がじっとりと迫ってくる。その地球外生命体(?)による「ゼイリブ」とは似て非なる地球侵略の残酷さたるや。氾濫する情報に乗っているつもりが、いつの間にか踊らされている我々の滑稽さを痛感させられまくる、珍しくあまり笑えない不条理スリラー。