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著名な人々にぶつけている「なぜあなたは創造的?」という共通の質問は、さすがに抽象的過ぎて、それぞれの答えに接点もまとまりも見いだせていない。この結果は早い段階で予想できたはずだったのでは? それぞれの取材対象は、一人ひとり深く取材すれば絶対に重要な何かに出会えるはずの人物ばかりなので、もともとのコンセプトに問題があるとしか思えない。なので途中からはセレブと対話することそのものに目的が移行したような、ミーハーなドキュメンタリー作品になってしまった。
異国の地で違法労働を行うことを余儀なくされるアジア人女性たちの存在にスポットライトをあてたという意味では、いま最も意義があると感じられる一作で、彼女たちを襲う過酷な現実を通して弱者を踏み潰す傲慢な存在を浮き上がらせることにも成功している。題材の選び方にセンスを感じる一方、弱者同士の連帯を熱く描く演出や物語の展開は、かつてのアメリカンニューシネマなどの焼き直しにも思える。もういくつか新しいアイディアを用意すれば、時代を代表する傑作になり得た。
ナチスとの戦いを描いているにせよ、兵器でドンパチする様子を、自国の暴力にフォーカスせずに高性能兵器の活躍を娯楽として見せていくという内容の無邪気さに茫然とする他ないが、それでも戦車同士の戦闘における戦略性や“どんくささ”、車体に敵の弾がかすめ金属音が響くだけで乗員が失神するリアリティには抗しがたい魅力があることもたしかだ。とはいえ、CGを利用した“バレットタイム”風演出の多用は、近年の米国戦車映画「フューリー」などと比べると周回遅れの感は否めず。
時代劇ということを考慮に入れたとしても、そもそもの話として“風水”という古代からの思想に対する批評性が作品から感じられず、だからといって「陰陽師」のようなファンタジーに振り切っているわけでもない内容は、風水に対して民族学的な興味しか持っていない筆者のような観客からすると、かなりのストレスを覚えてしまう。保守的な世界観にくわえ、心因性の障害への偏見も見られる。革新的な韓国作品が公開されるなか、こういうのも依然としてあるのだなと確認できる一作。
時にアポなし、ぶら下がりで質問する手法はマイケル・ムーアにやや近いかも。それゆえ各人の答えもさることながら、答える人のリアクションが面白い。挿入されているアニメーションも可愛らしい。それにつけてもスティーヴン・ホーキングが言う「どこかに到着してしまうよりも、希望を抱きながら移動している方がずっといい」といった示唆に富んだ名言に膝を打つ! こんなにも大勢の才人たちに質問した結果、監督が抱いていたクリエイティヴの実態はどう見えたかに興味が募る。
台湾出身で英国在住の女性監督に、この映画を作らせたのは、セックスワーカーをしていた友人の自殺だったそうだ。それだけでも胸が痛いが、違法マッサージ店の女経営者、アジア系の従業員たち、受付係のヒロイン、客たちの誰一人として、登場人物に幸せな人はいない。移民の、それも学歴や資格のないアジア人の現実だと言われればそうかもしれない。ヒロインの眼を通した身も蓋もない露骨な描写は、監督の思いの切実さか。その場所から離れても、この問題は解決しないのがやるせない。
砲弾の発射口の大写し、目標地点に向かう弾丸のスローモーション、戦車の試乗場面のBGMは《白鳥の湖》!? 第二次世界大戦下で捕虜になったソ連兵4人対ドイツ軍の戦いを描くこの映画は、ハリウッド風盛り上げがたっぷり。砲弾を残したままソ連兵に戦車を渡すナチス・ドイツ軍の迂闊ぶりはツッコミたくなるが、「特攻大作戦」や「大脱走」に通じる面白さがあり、ラブロマンスまで用意されている。クライマックスでの一対一の戦車対決は、西部劇のヒーロー対敵役の、決戦のようだ。
この邦題でドラマの内容がほぼ解る。で、実際、内容は想像どおり。けれど衣裳、小道具に大道具、セットのしつらえ、カメラワークなどに、想像を超えた様式美の集積を見る。その反面、風水師による吉凶に翻弄される王族たちの心理や権力争いのドロドロも、衣擦れにかき消されたか? 伝わってこず、もどかしい。韓国の歴史に明るくないせいもあるが、人物個々の区別がつきにくく、よって感情移入ができず、贅を尽くしたせっかくのドラマも味わい尽くせないような、モヤモヤが残る。
「あなたはなぜクリエィティヴなのですか?」という問いには奥深いものを感じるし、それを世界中の天才たちにぶつけてまわったらさぞカオスなことになるだろうと思ったのだが、存外にまとまりのいいドキュメンタリーになっており、一つの答えに対して関連のある答えを緩く連鎖させる構成には技を感じるとはいえ、それにより大きな思考の流れが出来上がる道理もなく、結局は偉人名言集的な作りに陥っているようにも思え、考えさせられる部分はありつつも食い足りなく感じてしまった。
終始揺れてる手持ちカメラやぶっきらぼうなカッティング、退色気味なグレーディングなどはいかにも賞を獲りそうなアート映画のルックであるのに対し、物語運びや芝居の質、感情を分かりやすく底上げさせようとする音楽などはかなりの割合で娯楽映画のそれに寄っているというチグハグな印象を受ける演出で、それらが相まって妙なムードが出ていた側面もあるとはいえ、ミミズの挿話などは直接的にすぎると感じてしまうし、この話で生オッパイを出さないことにも踏み込みの甘さを感じた。
反戦的なテーマを感じさせる余白を与えない戦争娯楽アクション映画で、戦死者やその家族のことを思うと、どんな感情で観ていいのか戸惑ってしまうのだが、しかし、まあ面白い。圧倒的な弱者達が強大な敵に立ち向かうという、人間が原初的に面白いと感じる物語を真正面から語り、さらには砲弾が六発しかないという限定シチュエーション、友情、恋愛、好敵手との一騎打ち、超絶VFXによるド派手な戦車アクション……どこかうしろめたさを感じつつも気がつけば手に汗握り観入っていた。
序盤に地形や人の流れなどから栄える土地を見極める描写があり、なるほど風水って結構科学的な側面もあるんだなと思ったのも束の間、物語は父親の墓をどこにするかで王族の運命が決まるというオカルト学を拠り所に進んでゆき、それはもはや当たるも八卦当たらぬも八卦的な概念すら存在しない絶対的なものとして扱われ、実際に完璧な精度で的中してゆく。展開のうねりは面白く飽きさせないが、占いごときで死闘が繰り広げられているのはふと冷静になると何だか不思議な気持ちになる。