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ループの開始前から、つまり面白いところが始まる前から、男子学生の部屋を飛び出したヒロインがキャンパスを歩く姿を観るだけで、きらきらと躍動する画面に、これは絶対楽しい映画になるぞという予感でわくわくする。実際、驚かせたりはらはらさせたり、笑わせたり泣かせたりのギアチェンジにほとんどよどみがなく、画面が的確にヒロインの心理を伝えているのも、最低のビッチだった彼女が生まれ変わっていく過程も最高に素敵だ。ジェシカ・ロースがさまざまな面を見せてとてもいい。
もちろんマ・ドンソクの重量感あふれるアクションが最大の見どころだが、あまり見たことのないタイプの悪役が造形されているのも注目すべき点。一方、往年の日本映画を奇妙に想起させる肌触りがあって、とても不思議な感慨を覚えた。大暴れのコメディリリーフ二人は、昭和日本の喜劇映画に見られるノリを思わせるし、登場人物の誰それがブチ切れたとかを飛び越えて、もはや映画自体がブチ切れているかのようなクライマックスは、70年代東映アクションのいくつかに通じる面白さがある。
西部劇なのにガンアクションを、というよりもアクション自体を撮ることをすべて回避している不思議な映画で、描かれるのは、つかの間の桃源郷を折り返し点として、追跡し、追跡される者たちの魂の軌跡。彼らの桃源郷は、暴力的な父権を(および、もしかしたら女たちをも)排除したところにある。ジョン・C・ライリー好演。近年の西部劇映画には珍しい豊かな色彩で描かれる西部の生活と自然(ただしロケ地はヨーロッパ)が目に楽しく、デスプラの個性的なスコアが抜群にかっこいい。
何だかつじつまが合ってないところがいくつかある気がするがそこは目をつぶって、前作から続けて観ると馬鹿みたいに楽しい。1度目は悲劇でも2度目は笑劇だというあの言葉じゃないけれど、笑いの要素が爆走する今作は、まるで前作のパロディとして撮られたかのようだ。試練を経て並外れた度胸の持ち主となったヒロインはもはや何でも来い状態、意外な才能が開花するくだりには爆笑。並行世界だから演者がそれぞれ前作と違う顔を見せるのも面白く、人生についての苦く鋭い考察もあり。
ヒロインの女子大生を演じるジェシカ・ロースが可愛さのなかに、バカっぽい表情をしのばせて熱演。彼女をとりまく校内の人間関係もリアルで、青春映画らしく笑わせる。ジェシカは酒に酔って男子学生イズラエル・ブルサードの部屋に泊まり、繰り返し悪夢を見るというタイムループものになっていくのだが、この実験的ともいえる手法が娯楽映画としてはよく考えられていて面白い。それには連続殺人鬼がかぶっているベビー・フェイスのマスクの無気味でおかしいデザインの力もある。
大きな体で頼りがいのあるマ・ドンソクが突然、正義のために爆発して、怒りの鉄拳をふるうのを期待して見るわけだが、今回は愛妻ソン・ジヒョと平穏な生活を送ろうとして魚市場で働いているところからはじまる。韓国の要請でWTOが日本の水産物規制を容認したばかりなので、つい画面に見入ってしまう。ひねくれた悪役を怪演するキム・ソンオが整形した美人を富裕層に売る組織の話といい、キム・ミンホ監督は時局的ネタにも気配り。笑いとカーアクションもあり、大サービス。
フランスのジャック・オーディアールが監督する新しい趣向の西部劇。遠くで拳銃の火花が散る冒頭の場面からスタイリッシュで、次々に予期せぬ事件があり、サスペンスもある。ジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックスの殺し屋兄弟がオレゴン一帯を取り仕切る提督に頼まれて、リズ・アーメッドを殺す旅に出る物語だが、せりふも文学的で、随所に笑わせるところもある。アーメッドは黄金を見分ける発明をした化学者でジェイク・ギレンホールがからみ、意外な展開を描く映像が秀逸だ。
前作はスコット・ロブデルの脚本構成に感心したが、好評につき続篇となった「2U」はクリストファー・ランドン監督が脚本も書いて、タイム・ループものに、パラレル・ワールドのSF世界を加味している。イズラエル・ブルサードのルームメイトとして道化役に徹していたファイ・ヴが理工学生として量子学研究室で物語の鍵を握る人物を演じるのだが、前作でいい味を出したせいだろう。キャラクターに微妙な変化があってジェシカ・ロースもマジメになり、映画はいささか理屈っぽくなった。
スラッシャー映画で真っ先に殺される存在である金髪ヤリマンをヒロインに据えた時点ですでに面白い。泣き喚くのは最初だけで、どうせ繰り返すのだからといろいろな殺され方や死に方、人前での放屁などを楽しむ彼女のキャラクターにも惹かれてしまう。また、ビッチ化する原因となったアレコレと向き合って成長する、“殺されるけど生まれ変わる”物語になっているのも上手い。ループしてれば死なないという弱点を回避すべくリミットを設けているが、いまいち機能していないのは残念。
まずは敵の設定が見事。どこまでも異常で卑怯で冷酷なコイツにとことん振り回されるからこそ、中盤からの追撃が否応なく盛り上がる。マ・ドンソクが繰り出す肉弾戦も、ステゴロによる雑魚どものなぎ倒し、武術の心得があるらしきキッカーとの対峙、同じような巨漢とのハイパワーな激突とバラエティに富んでいる。さらに、妻に叱られてしょげるドンソク、ウキウキで彼女にケーキを運ぶドンソクといった具合に猛って暴れ回る以外の姿も拝めてキュンとさせてくれるのも文句なし!
殺し屋兄弟と化学式を握る者たちの追いつ追われつが展開するのかと思いきや、西部開拓時代が舞台のスローライフ称賛ドラマともいうべき意外にもノンビリした物語で、二組を描く配分もなんだかチグハグ。銃撃戦もあることにはあるがまったくもって派手ではない。それでも引き込まれるのは良い役者が揃い、各々がそれなりに魅せてくれるから。「ガルヴェストン」もそうだったが、フランス人監督がアメリカンな作品を撮ることで生じる良い意味での“ズレ”みたいなものは堪能できた。
今度はタイムループだけでなく、パラレルワールドからも脱却するという二段構えのスリルを用意。コメディ色はかなり強くなり、発電所の大爆発を筆頭に見せ場も派手になっており、ヒロインをのぞく前作登場キャラクターの“パラレルぶり”も楽しくはある。しかし「1」同様にこちらの世界に残っても悪くはないという弱点がチラつくし、そこで葛藤させる展開にもさせているが、やはり盛り上がりには繋がらず。SFコメディにシフトして続きそうな気配だが、これで止めたほうがいい気が。