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状況や心理の説明を極力抑え、描写に徹してざくざく進む、タフでクールなタッチがとてもよい。ハンサムなエリートビジネスマンからの変貌を、肉体全部で表現した主演俳優もすごいし、主人公が息子を重ね合わせていると思われる若者を演じたE・コーエンの表情も印象に残る。過去と現在とを頻繁に行き来する構成にしたことによって画面に変化が生まれ、観る者にのしかかる重苦しさも緩和されるが、完全に時間順に語る構成にしていたら、また別の力強さを持つ映画になったかもしれない。
レゴの製品に、忍者をモチーフにしたシリーズがあって、そのフィギュアをキャラクターに用いた連続TVアニメの、スピンオフ映画版がこれ(説明のもたつきご容赦)。ジャッキー・チェン案件でもあるせいか、忍者というより中国武術みたいだが、日本のロボットアニメが触発する想像力という点も興味深く、でもそんなことよりもまず、モンティ・パイソンかマルクス兄弟かという斜め上を行くナンセンス展開が可笑しくてたまらん。レゴならではの動きの面白さと背景美術の美しさにも注目。
手を替え品を替え怖がらせにかかった「死霊館の人形」に対し、こちらは一軒家だけが舞台だから一見オーソドックス。でもそのぶん、少女たちのキャラクターがクロースアップされ、とりわけ、足の不自由な親友を気遣う幼いリンダの戦いは、胸が張り裂けんばかりの思いで応援したくなる。意地悪そうな年長の少女たちが思いがけず友情を示すのも印象的で、将来のスター候補をパッケージした作品かもしれない。一大サーガに展開しそうな雰囲気なので、続篇に彼女たちの再登場もありそう。
とても面白くてとても不思議な映画だ。最初のうち、サルが黒澤時代劇とイーストウッド西部劇をやっているという風情で、いったい自分は何を見せられているのかと正気に返りそうに(?)なるが、そこをぐっとこらえて観ていると、やがて、敵の要塞に少女がひとり侵入してからのシーンをはじめとして、古典サイレント映画の名作群をも彷彿とさせる演出の、美しく劇的な場面が次々と現われる。W・ハレルソン演じる悪役が素晴らしく魅力的で、合衆国国歌が大音量で流れるシーンには戦慄。
よき家庭人でエリート株式ブローカーのニコライ・コスター=ワルドーは飲酒運転で親友を事故死させたことから一転、刑務所の試練を受けるのだが、犯罪社会でもギャング・エリートとして、のし上がっていく。その振幅のすさまじさをリック・ローマン・ウォーの演出は叩きつけるテンポで見せていく。それにしても刑務所はタトゥだらけ。ジェフリー・ディーヴァーの『スキン・コレクター』を読むと、ワケはあるのだが、健さんの唐獅子牡丹に比べて格調がなく、いろいろ描きこんでおかしい。
いきなりジャッキー・チェンが出てきたので、ファンとしては驚いたが、彼のガイドで始まるニンジャゴーシティは遠近感もあり、キメこまかくできていて、もっと見ていたいくらい。だが、悪の帝王ブラックガーマドンがシュールなまでに破壊しまくる。しかも、その男が主人公ロイドの父親だというのだから、子ども番組というよりは大人が見ているのかもしれないが、オモチャのアニメ化としては相当に手がこんでいて、ウー先生の説教よりはブラックガーマドンの破壊力の方があきさせない。
最近のホラー映画はゾンビものが多かったので、アメリカン・ゴシックの建物を舞台にして、魔人形の霊力により、美しい尼僧と美少女たちが怖れおののくホラーは新鮮だった。ステンドグラスの窓から射し込む微光で、ほのかに見える人形アナベルは、静止したままでも怖い。前作を見たファンから人形の誕生秘話を知りたいという要望があって作られた映画だそうだけれど、こんな話なら、もっと早く怪奇現象へ、というフアンも多いはず。人形細工師の部屋のたたずまいや小道具が魅力的。
一作目を見たとき、猿のメーキャップがみごとだと思った。最新作はその個性をさらに明確にして、群れで駆け回っている場面にも手抜きがない。それに比べると、人類のほうはヒトラーばりのリーダーを演じるウディ・ハレルソンは別格にして、一同、表情がなくて面白味がない。作者たちにアメリカの現状を風刺する意図があり、人類を絶滅させる者は同じ人類であるという構成である。説明的なシーンが続いたあと、突然、大音響とともに、目のさめるようなクライマックスが来るのが楽しみ。
刑務所映画というと、脱獄か所内での生き残りを描くものが定番。だが、塀の中からでも幅を利かせる刑務所内ギャングのアーリアン・ブラザーフッドを題材にしたことで〝出ても出なくても地獄〟という状況を生み出し、舞台的には開放感があるのに凄まじい閉塞感と緊張感を伴うという少し新味のある刑務所映画に。だが、物語の鍵となる銃器売買の背景やそこへの奸計の絡み方が摑みづらく、ちょっとダルく感じてしまう部分も。とはいえ、寒々しさを極めたタッチも含め、なかなかの快作。
物語の導き役としてジャッキー・チェンが登場し、「ネバー・エンディング・ストーリー」のように始まるオープニングにはヤラれた。こちらが笑おうが笑うまいがお構いなしにのべつまくなし速射されるギャグ、とにかくキビキビした語り口に乗せられっぱなし。それでいて、父と子の絆、リーダーのかくあるべき姿をめぐるドラマもしっかりと機能させるあたりには感心することしきり。レゴの映画ではあるが、ジャッキー出演ということで彼の映画ではお馴染みのアレを用意しているのも◎。
アナベルを生み出した玩具職人とその妻が経験した悲劇をガツンと押し出すわりには、その哀切感を物語やムードに活かすわけでもないのが少し残念。だからといって順当なホラーで終わっているわけでもなく、中盤でヒロインをガラリと交代させるなど、展開にはヒネリがある。また、監督が「ライト/オフ」のD・F・サンドバーグだから仕方ないが、クライマックスにおける光の点滅を駆使した恐怖シーンの演出は同作まんまといったところ。このあたりは彼の個性として楽しみ、許したい。
猿の惑星と化した後の地球で聖書に準ずるものが生まれたら、必ずやそこに記されることであろう戦い。そんな壮大で荘厳な雰囲気に満ちており、邦題サブタイトルはそれをドンズバで体現。シーザー役A・サーキスの熱演もますます鬼気迫るものになっていてパフォーマンス・キャプチャーの存在を忘れさせるほど。それに呼応するかのようにW・ハレルソンも見事なヒールぶりを見せるものだからたまらない。地獄絵図としかいいようのないラストの大決戦も含め、新シリーズ最高の出来。