ジャクソン市もそれほど田舎には見えない.その田舎から都会のワシントンへと一人の男が紛れ込んでいく.地方から中央都市への移動,その間の格差がないではないが,それよりもワシントンという政治的な焦点にもたらされる,男の純粋,無垢,無知,空白が問題になるのだろう.
彼の地元では上院議員の後任で揉めている,言いなりになるミラーがいるが,それはダムの利権が絡んでいるからである.黒幕のテイラー(エドワード・アーノルド)が上院議員を操ろうとしており,少年レンジャーをしているジェフ・スミス(ジェームス・スチュアート)に白羽の矢が立つ.彼は,この地方でも聞いたこともない名の男でしかないが,勝手に少年向け新聞を書いているせいか,子供たちに大人気である.上院議員スミスが誕生する.スミスの父も活動する男であったが,そのために殺されている.父の友人でもあったこの州の上院議員ペイン(クロード・レインズ)である.
スミスはワシントンへ鳩を持ち込んでいる.電話ボックスがきついぐらいに肥満の男もついて回る.アメリカ政治史の殿堂にもなっている議事堂のドームや戦没者墓地,リンカーン像を見て回ったスミスは,素直に感動をしている..
記者のディズ(トーマス・ミッチェル)や秘書サンダース(ジーン・アーサー)もスミスと対面している.彼は先住民の手話ができる.多芸であり身体パフォーマンスが得意で,噂にもなっている.彼の奇矯な姿は新聞の一面を飾っている.議場では,ボーイが上院の仕組みや作法を教えてくれる.88人ほどが出席して,議会が始まる.
「白銀の騎士」とも呼ばれているペイン議員の娘スーザン(アストリッド・オールウィン)にのぼせてしまうスミスがいる.彼が手にする帽子が落ち着かずに動き続けている.彼は早速に夢でもある国立少年キャンプ場設置の構想を法案にまとめる.法案を提案するスピーチをすると子供たちが湧く.しかしダムの問題とこのキャンプ場の問題は鋭く対立しており,スミスは除名されるべく上院が動き出す.
自由についての議論がある.憲法の精神が説かれる.スミスは演説し続けることを余儀なくされ,憔悴のうちに剥き出されたスミスには,真に迫る何かが現れようとしている.そして子供たちはいつもそうした真実に惹き寄せられているのである.