愛のかけらを微塵も見せぬほど二人の出会いは最悪。そこに愛はもちろん無く、ただ時は過ぎゆくばかり。長年かかってまだ友達関係ゆえに何でも語り合うところまで来るが、いまだに一夜を共に過ごすとは夢にも思わない。ただあくまでも友達として二人が連れ立つ成り行きが多いだけ。厄介な二人だと互いに結婚した親友二人は考えながらも自分たちはいっぽうで幸せだ。
老年夫婦が数多く登場し、二人のなれそめが語られる。それから一筋に結婚生活を送っている。登場人物二人の今後の行く末が彼らと同様に50年も保証されているのかと疑問になるところだが、この若かりし頃の恋人たちは予感が的中している。
主人公二人には予感は的中していなかった。それでも二人は結ばれたという訳だ。そんな彼らのどこに予感は潜んでいたのだろう、と思う。