個人的に変なこだわりがあるので、世間でヒットしたものは観ない。もちろん以前から好きな監督やキャストなどの作品がたまたまヒットしている時は何を置いても観るのだけれど。
なので(?)この『タイタニック』は、公開当時にはジェームズ・キャメロンのこともレオナルド・ディカプリオのことも、その他のことでも特に心動かされるところではなかったので、こんなに世間でヒットしているものは誰が観てやるかと思っていた。
その後、ジェームズ・キャメロンについてはいろいろ思うところがあり、そうなると今度はこの『タイタニック』も観ておいても良かったなあと思うようになり、実はDVDを買ってもあるのだが、何分上映時間が半端ないのでこれまで観るタイミングを逃していた。
それがテレビで放映されるじゃないですか。前後編と分けられてしまって2週にわたって放映されるというのが少し気になったけれど、こんな機会でもなければもうあとは老後の楽しみになってしまうと思って、改めて観ることにした。
前後編にわけられてしまい、途中でコマーシャルが入るのである種の高揚感というか興奮が途中で収まってしまうのは仕方ないことだったけれど、それを抜きにしても、これが恋愛ドラマとして捉えられてヒットしたというのが意外に思えたというのが正直なところ。まったくの思い込みだったのだけれど、ただタイタニックが処女航海で遭難してしまった、その時タイタニックに乗り合わせていた男女の悲恋の話だとばかり思っていたのだけれど、そうではないですね。
それは最初と最後やストーリーの途中で挟み込まれる現代のタイタニック探査チームや100歳を超える生存者の語りがあり、実はこちらがメインのストーリーではないかと思えたのだ。もちろん生存者がなぜ生存し、その後何十年も生きてきたのかということの背景にタイタニックの遭難とその時にあった悲恋があるのだから、例のディカプリオが出てくるエピソードが重要と言えば重要なのだけれど。
と言うようなことを考えると、この『タイタニック』はある意味極めてジェームズ・キャメロンらしい作品だったということのように思えてくる。ジェームズ・キャメロンが単なる恋愛映画を作るわけないじゃない、とかえって納得してしまった。