久しぶりの鑑賞。今回は4K版。
冒頭しばらくは画面の綺麗さに慣れず、やっぱりこの映画は4Kじゃ品が良すぎるのかな、アナーキー感が薄まった感じがするな、などと違和感を抱えていたが、ドイツ軍侵攻後のベオグラードの惨状を史実の映像として見せられたあたりから、やっぱり4K凄いな、って感心してた。
そしてファンクなジプシー音楽は相変わらず観る側に高揚感を与えてくれる。立ち見してたら、小躍りしたくなるサウンドだ。
今回観ながら、ヨヴァンの結婚式でマルコが自ら自分の膝を銃で撃ち、クロが地下の潜伏場所を抜け出してから、ジプシー音楽のラッパ系楽器の演奏が無くなったんだなぁ、と気づいた。
時代にしてチトー政権が終焉を迎えた頃。おそらくユーゴスラビアの国勢に陰りが見はじめた頃なんじゃかいだろうな。
あの頃に後戻りできない現実社会と映画内のストーリーに音楽を上手く活用している。
音楽と言えばもう一つ。
マルコ、クロ、ナタリアが頭を付け合わせ歌う場面があるが、私はあのシーンがとても大好き。哀しくもあり、結束力をも感じるメロディからパンキッシュな雰囲気に展開していくあの独特感はクストリッツァ監督ならではだろう。
とにかくストーリーも凄いが、音楽性も独特で素晴らしいのがこの作品の最大の魅力。また、映画館で観たいものだ。