ベルリン・天使の詩

べるりんてんしのうた|Der Himmel Uber Berlin|THE WINGS OF DESIR

ベルリン・天使の詩

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レビューの数

85

平均評点

74.3(559人)

観たひと

928

観たいひと

76

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 西ドイツ フランス
製作年 1987
公開年月日 1988/4/23
上映時間 128分
製作会社 ロード・ムーヴィー=アルゴス・フィルム
配給 フランス映画社
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビー

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ベルリンを舞台に人間の女性に恋した天使が人間になる姿を描く。製作・監督・脚本は「アメリカの友人」のヴィム・ヴェンダース、共同製作はアナトール・ドーマン、エグゼキュティヴ・プロデューサーはイングリート・ヴィンディッシュ。原作・共同脚本はペーター・ハントケ、撮影はアンリ・アルカン、音楽はユルゲン・クニーパーが担当。出演はブルーノ・ガンツ、ソルヴェイグ・ドマルタンほか。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

ベルリンの街。廃墟の上から人々を見守っている天使ダミエル(ブルーノ・ガンツ)がいる。天使の耳には、地上の人々の内心の声が聞こえる。天使の姿は子供たちには見える。コロンボ刑事役で親しまれているアメリカの映画スター、ピーター・フォーク(本人)がこれからベルリンで撮影に入る映画の脚本を読んでいる。街の中のさまざまな人々の肉声。ダミエルは、親友の天使カシエル(オットー・ザンダー)と、今日見た自然や人々の様子について情報交換し、永遠の霊であり続けながら人間ではない自分にいや気がさしている。図書館は天使たちの憩いの場だ。老詩人ホメロス(クルト・ボウワ)が失われた物語を探している。サーカスに迷いこんだダミアンは、空中ブランコを練習中の美女マリオン(ソルヴェイグ・ドマルタン)を見て一目惚れをする。橋のたもとで起こった交通事故で死にかけている男に息をふきかえさせるダミエル。カシエルは、ホメロスにつき添ってポツダム広場を歩いている。ピーター・フォークの出演しているスタジオには様々な人がいる。ダミエルはカシエルを呼んでサーカスの公演を見にゆく。マリオンを見つめるダミエル。最後の公演を前に死の怖れを語るマリオンの肉声。ロック・コンサートで踊るマリオンの手にふれるダミエル。夜明け、ピーター・フォークはダミエルに人間になることをすすめる。壁をこえてノーマンズランドを散策するダミエルは、マリオンへの愛をカシエルに告白する。人間に恋すると天使は死ぬ。彼はカシエルの腕の中で死んだ。西ベルリン側の壁のそばで目をさましたダミエルの目の前は、モノクロから色彩の世界に変わっているのだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2024年6月号

COMING Old Pictures 旧作紹介:「ベルリン・天使の詩」

1988年7月上旬号

「ベルリン・天使の詩」論:

外国映画紹介:ベルリン・天使の詩

1988年6月下旬号

外国映画批評:ベルリン・天使の詩

1988年4月下旬号

グラビア:ベルリン・天使の詩

特集 ベルリン・天使の詩:評論

特集 ベルリン・天使の詩:撮影ルポ

2026/02/16

2026/02/16

85点

VOD 
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2回目の鑑賞の決意

天使は人間の大人には見えない
でも子供には見える
天使はモノクロの世界に
住んでいる だから
夕焼けのオレンジ色も
奇抜な壁画の黄色や青色や緑色を
認識する事ができない
天使には人間の心内語(しんないご)が聞こえる
死に行く人の最後の言葉を
聞いてあげることができる
下を向いて悲しみに暮れる人の肩に手を乗せ視線を上げる事ができる
天使が目を合わせた人が
思わず微笑むような優しさを届けることができる 天使は皆無彩色のオーバーを着ている  そんな天使の特徴を
映像を通して見ている
前半はとても心地良かった
その中でも一番印象的なのは
図書館で沢山の人が
机に向かって本を読んだり
何かを書き留めたりしている姿は
そこはかとない悲しみを滲ませる
それは勉強する姿が俯く姿勢だから
天使たちは色々な本の黙読を
聴きながら 思い思いに
誰かに寄り添っている
見えない何かに守られているような不思議な感覚が体験もしていない私にノスタルジーを感じさせる
そんな慈愛に満ちた世界を
サラリと描いてみせる ヴィム・ヴェンダースの作風に好感が持てた
ピーター・フォークとの
掛け合いも楽しかった
ブルーノ・ガンツが初めてコーヒーを飲む
シーンは芝居を堪能するという原点に戻って楽しむことができた

天使は永遠の命を捨てて
空中ブランコ乗りのヒロインとの
恋に生きる事を決断する
異種間の恋愛を描くギレルモ・デル・トロの『シェイプ・オブ・ウォーター』 
を想起させた
造形や生まれた世界が違っても
心で繋がってどうしようもなく
相手を必要としてしまう
以下の文言はとても個人的に響いた事だが
人間同士の禁じられた恋
決して愛しては貰えない
人を好きになってしまった
苦しみにも繋がって
正に人を愛する事に想いを
馳せる側面があった。

2026/02/09

2026/02/09

70点

購入/ブルーレイ 


脱天使の恋

ネタバレ

サーカス、映画現場、図書館に集まる天使たち。静かな映画。
モノクロからカラーへ。カラーからモノクロへ。天使から人間へ。現実から映画へ。映画から現実へ。往還する映画。
封切り時に観た時をほど感動しない映画だった。
“(かつての天使たち)小津、フランソワ、アンドレイに捧ぐ”

2026/02/01

2026/02/02

-点

レンタル/東京都/ゲオ 
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ベンダースの人と街へのまなざし

『ベルリン・天使の詩』は1988年ロードショウ公開の時に見てからずっと見ていなくて久しぶりの再見。初見時、人の心の奥底に湧き起こる声を無作為に聞いているうちに激しい眠気に襲われたのを覚えている。だからこれが連続30週を記録する大ヒット作になったのには驚いた。自分としては「ミニシアターブーム」がファッション化してたからだと勝手に解釈していた。その昔、渋谷区の桜丘地区にあり、かつて日欧協会と呼ばれていたユーロスペースではニュージャーマンシネマの監督作を多数取り上げていて学生時代に足繁く通ったがこうしたファンだけではこれだけのヒットを導くことは出来なかったであろう。

昔話はさておきBlu-ray版で見たがモノクロもカラーももの凄く映像が鮮明でびっくりした。だから再見の第一印象は、西ベルリンの街を浮遊感あふれる見事なカメラワークで切り取った傑作とでも言おうか。

ブルーノ・ガンツ演じるダミエルとオットー・ザンダー演じる親友のカシエル。この二人の天使の視点で西ベルリンの街とそこに息づく人々の暮らしが語られる。天使の視点からするとジーゲスゾイレに登り、黄金の天使の横に腰掛ければ西ベルリンくらい俯瞰できるのかな?ガイドブックによると高さが69メートルあるらしい。天使には人々の心の声は聞こえても人が現世で五感で味わう喜びや痛みを直接感じることができない。だから世界はモノクローム。その代わりに永遠の命がある。聞こえるけど感じられないことに嫌気がさしていたダミエル。人間になる決心の背中を押したのはサーカス団の空中ブランコの曲芸師マリオンへの恋心。現世ではパッと画面がカラーになる。この使い分けが今見ると本当に効果的で見事。
あと面白いのはピーター・フォークが本人役で出演しているところ。ベルリンの老若男女、子どもからもコロンボ!、コロンボ!、刑事さんなどと呼ばれていてドイツ、ベルリンでもいかに人気があるかがわかる。彼の設定もいい。元天使で、見えない天使を感じて遠慮なく話しかける。ひと足先に人間になった先輩は天使に優しい。彼が交信するシーンはホッとして心あたたまる。ベンダースは、こうして思いがけない発想を作品を取り込むのが上手い人。

もう一つベンダースの功績を。本作で失われゆく街を映像に遺すという偉業も成し遂げた。撮影が行われたのは1987年、まだ壁が存在している時。その後、壁の崩壊と共に急速にベルリンの風景は変わってゆく。だって映像ではポツダム広場はほとんど原っぱだし。ここは人ばかりでなく、風景というものを意識し、こだわり抜いてきたベンダースらしさの賜物。彼に『PERFECT DAYS』で東京の街を撮ってもらえたことは日本人にとっても一つの財産といえよう。

2025/06/04

2025/06/04

33点

選択しない 


男のファンタジー

説教くさいというか説教そのものを文章として垂れ流すばかりの演出にウンザリしながら我慢して観たが、結局若く美しい女に爺さんが色気づいて、ハゲかかった冴えない風采も年齢差もものともせず簡単に女と結ばれるという、確かにファンタジックな映画だった(笑)
最後の女の独白もとってつけた綺麗事にしか聞こえず、あまりに生硬で恥ずかしい。いくら人がいいとしてもこんな年上の爺さんとは良き友人止まりでいいでしょう。これで女も幸せで人生が始まるって、まさに男のファンタジーそのもの。
要するに全体の観念臭さも含め、実はマッチョな映画ですね。
ピーター・フォークの登場場面だけ楽しんだ。

2024/12/24

2024/12/24

75点

レンタル 
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ベルリン市民の声

天使は人の心の声を聴くことができる。ベルリンの大人たちは皆、悩み、苦しみ、迷いを抱え暗い表情。天使もめったに笑わず無表情だ。だが、その天使が人となったとき世界が明るく変わる。一口のコーヒーで幸せとなる。
派手ではないが好ましい作品。

2024/12/22

2024/12/22

78点

選択しない 


人間になる事を渇望する天使

ベルリンにいる様々な人々の心の声を聞き、慈愛を持って側に寄り添う天使達を描いた前半はスケッチ風で、とても淡々としている。あえて退屈に描いていると思われる。ロードショー時に仕事帰りに劇場の最終回を観ていて、疲れていたせいか数分寝落ちし、仕方なく後日見直したぐらいだ。退屈にするからこそブルーノ・ガンツの天使が人間になって実感を得たいという渇望を理解できるのだ。だからドラマが面白くなるのはガンツが人間になってからで、彼のワクワクした気持ちが伝わってくる。その際、ピーター・フォークも同じだった事が分かるのが面白い着想で儲け役。鎧の売値の話なんか特に可笑しい。
 空中ブランコの女性とすんなり関係を結べるのが不思議だが、そこはメルヘンということで。