聖なる愚者のドラマで、確かに人生や運命を肯定的に捉えようというメッセージを描いた面は良いのだが、初見から引っかかるものがあった。ベトナム戦争反対集会など反戦運動を根幹とした当時のカウンター・カルチャーの批判が透けて見えており、それらに拘泥する幼なじみのジェニーをどうしようもない馬鹿者の様に描いているのである。それが本当にいけない事なのか?マイノリティを擁護する運動家も悪者風で、どうも物言う市民活動家を悪に仕立て上げ、なにも考えずに国や支配者に従順でいる人であれと言っている様でうすら怖いのだ。
古き良きアメリカ映画も好きだが、アメリカンニューシネマにも感動した世代の末席にいる人間としては素直に感動できない作品。