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35年目のラブレター
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感動の実話という作品はほとんど感動しない。感動させようと大仰になったり、逆に抑えた演出で物足りなくなったり、匙加減が難しい。泣かせよう泣かせようとしても泣けないし、抑制を利かせるのも泣けない。 本作品は抑えすぎて物足りないのだな。笑福亭鶴瓶はもう少し大げさになる俳優であるが、ここはほどほどに抑えている。鶴瓶が抑えたのか、監督がそういう芝居を要求したかわからないが、私としてはもうちょっとどぎつくしても良かったかなと思う。でも大仰だとまたこんなオーバーアクトは日本映画の悪い癖と思ってしまうのだ。 だが、私には作品は凡作であっても面白かった。お目当ては原田知世だからだ。彼女を眺めていれば良い。 彼女の一番のはまり役「時をかける少女」ははまりすぎて他の作品ではとても物足りない。これが大林宣彦監督の他の作品でもまるで魅力を感じさせない。これはどうも「時をかける少女」が原田知世にも大林宣彦にも幸せなめぐりあわせになったようである。 だがこの角川映画は角川春樹が原田知世の引退記念映画だったのだ。彼女が主演したテレビドラマ「ねらわれた学園」「セーラー服と機関銃」の視聴率が悪かった。これは角川映画の看板スター、薬師丸ひろ子の主演映画だ。角川春樹は薬師丸のものでだめだったので、これ以上芸能界にいるのはかわいそうと思い引退させようと決めた。そこで引退記念映画として「時をかける少女」の企画を立てたのだった。 「時をかける少女」以降の作品はどうもパッとしなかった。あの作品のような魅力を原田知世に見いだせなかった。「天国にいちばん近い島」「あした」は大林宣彦監督作品なのが信じられない。 私は次第に彼女に興味を失ってしまう。原田知世は「時をかける少女」に限る。それが良くも悪くも彼女の輝きを捉えた作品になった。歌手としても活躍するようになったが、歌を聞く気もなかった。 そんなことから原田知世の出演している映画は「あした」以降観ていない。大林監督なのにあれが決定的になって、彼女の出演作品は観なくなった。 また彼女が出演していなくとも、彼女の出演作品には興味がそそらなかったし、地元では劇場未公開の映画もあった。 しかし今回、本作に出ていると知り、急に原田知世に会いたくなった。「あした」が1995年度作品だ。「35年目のラブレター」ならぬ30年目の再会だ。いや、ほんとに昔付き合っていた彼女の今の居場所を知り、面と向かって会わないもののどんな暮らししているのか、陰から見たいという気分だった。 最初はえっ、これが原田知世?と思ったが30年経っているんだ、顔だって変わるさと観ているとだんだん確かに原田知世だと思った。本人なんだから当たり前だけど。確かに彼女だ、と確信したのは顔つきが変わったのかと思ったら、彼女のほほえみが「時をかける少女」と同じだったからだ。そこが変わっていない。少女のピュアな部分を残していた。私はそれを観てホッした。不幸な目に合っていないようだ。映画のなかでは病気で天に召されるのだが。もう何にも関係ないし、彼女がどうあれこちらには影響ないけれど、一度は愛していた人が悲しい目に合っていないとなぜかこちらの気持ちも和むものだった。 私にとってこの作品は原田知世が健在なのを確認するのがすべての映画だった。それだけでいい。他はいらない。
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