大阪府大阪市の生まれ。本名・駿河学。京都産業大学経営学部に在学中は落語研究会に所属。大学中退後の1972年、落語家の六代目笑福亭松鶴に弟子入りし、“鶴瓶”の名を与えられる。落語家として修行する傍ら、大阪・毎日放送のラジオ番組『ヤングタウン』のDJや、同局のテレビバラエティ『突然ガバチョ!』出演などが評判となり、テレビタレントとして関西で絶大な人気を獲得する。80年、上方お笑い大賞銀賞を受賞。バラエティ番組等で東京に進出する一方で、NHK銀河テレビ小説『女の日時計』81、同・連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』88、テレビ朝日『必殺仕事人V・激闘篇』85などのテレビドラマにも出演し、その親しみやすいキャラクターにより人気を全国区のものとした。映画は、70年代中盤からコメディリリーフ的な役回りで出演を重ねていたが、90年の相米慎二監督「東京上空いらっしゃいませ」で、牧瀬里穂演じるヒロインに出し抜かれる情けない死神・コオロギと、キャンペーンガールに言い寄る好色なCMスポンサーの白雪の二役を演じ、本格的に存在をアピール。以降、相米組の常連俳優として、遺作となった「風花」01まで全作に参加する。その後は、長澤雅彦監督「13階段」03、山田洋次監督「母べえ」08などで庶民的な演技派としての評価が定着し、2009年の西川美和監督「ディア・ドクター」では初主演も果たす。山間の村で人々から慕われながらも謎の失踪を遂げる医師・伊野治を奥行き深く造形し、キネマ旬報賞、ブルーリボン賞などの主演男優賞を多数受賞する。テレビドラマはほかに、TBS『硝子のかけらたち』96、『ブラックジャックによろしく』03、『タイガー&ドラゴン』05、『華麗なる一族』07、NHK『元禄繚乱』99など多数。近年は、日本テレビ『ザ!世界仰天ニュース』、NHK『鶴瓶の家族に乾杯』、テレビ東京『きらきらアフロ』などのバラエティ番組で活躍するほか、本業の落語にも積極的で、08年から上方落語協会の副会長もつとめている。