橋爪功
|Isao Hashizume| (出演)
基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる
本名 |
- |
出身地 |
大阪府大阪市 |
生年月日 |
1941/09/17 |
没年月日 |
- |
略歴▼ もっと見る▲ 閉じる
大阪府大阪市の生まれ。高校の途中で東京に転居し、都立青山高校を卒業後の1961年4月に文学座付属演劇研究所へ第1期生として入所。同期には岸田森、寺田農、樹木希林、小川眞由美、北村総一朗らがいた。63年、文学座の一部メンバーにより創立された現代演劇協会付属劇団雲に参加し、舞台俳優として活動を続ける。74年の芥川比呂志演出『スカパンの悪だくみ』でタイトルロールのスカパンを演じて注目を集めたのち、75年に雲を脱退。文学座時代から行動をともにしてきた芥川、仲谷昇、岸田今日子らと、演劇集団円の創立に参加する。以降、円の公演はもちろんのこと、他劇団への客演も含め、シェイクスピアから日本の作家まで数々の舞台を踏み、円の看板役者としてめざましい活躍を重ねる。舞台で培われた演技力は映像作品でも活かされ、NHK大河ドラマ『源義経』66、『春の坂道』71、『花神』77などの端役、日本テレビ『太陽にほえろ!』、TBS『ザ・ガードマン』などのゲスト出演を経て、徐々にテレビドラマでも重要な役どころでキャスティングされるようになっていく。映画も、70年代から数本に出演したのち、85年の伊丹十三監督「タンポポ」でレストランのボーイに扮し、サブエピソードのワンシーンのみの出演ながら強烈な存在感を発揮して、一躍名を馳せる。これ以降、映画・ドラマで広く一般への認知度が高まり、その味わい深いキャラクターでさまざまな作品に貢献。伊丹監督に「マルサの女」87、「あげまん」90と続けて起用されたほか、鴻上尚史監督「ジュリエット・ゲーム」89でヒロイン・国生さゆりを追いかける謎の中年男を怪演。森田芳光監督「キッチン」89では、主人公の青年の“母親”を名乗る女装癖のある父親役で高い評価を得た。森田にもその後、重用され、「おいしい結婚」91、「未来の想い出・ラストクリスマス」92とコンビが続いた。さらに、黒沢直輔監督「女がいちばん似合う職業」90、渡邊孝好監督「居酒屋ゆうれい」94、本田昌広監督「四姉妹物語」95、朝原雄三監督「時の輝き」95などで名バイプレイヤーとしての地位を確かなものにしつつ、96年の和泉聖治監督「お日柄もよくご愁傷さま」では、役者生活30数年目にして初の映画主演をつとめる。媒酌人を頼まれた結婚式の当日に実父を亡くし、次々襲ってくる予期せぬ事態に右往左往する一家の主・田中和夫役で、窮地に陥った人間の微妙な心の動きを繊細に表現して好評を博す。こうしたユーモアとペーソスをにじませる人情喜劇は以後も得意とするところで、同じ和泉監督とのコンビによる「大安に仏滅!?」にも主演している。その間、テレビドラマでも活躍が続き、NHK『ロマンス』84、『武田信玄』88、『青春家族』89、『銀行』94、『冬の螢』97、『結婚前夜』98、『すずらん』99、フジテレビ『日本一のカッ飛び男』90、『ジュニア・愛の関係』92、『Days』98、TBS『結婚したい男たち』91、『ずっとあなたが好きだった』92、『カミさんの悪口』93・95、『スウィート・ホーム』94、『愛していると言ってくれ』95、『あきまへんで!』98、日本テレビ『嵐の中の愛のように』『はだかの刑事』93、『たたかうお嫁さま』95、『グッドラック』96など多数に出演。長く脇役が主だったが、京都で起きるさまざまな事件の謎を追う新聞記者・杉浦恭介を演じて好評によりシリーズ化もされたテレビ朝日『京都迷宮案内』99~08以降は主演作も多くなり、テレビ朝日『新・赤かぶ検事奮戦記』94~05、『天才刑事・野呂盆六』07~10、テレビ東京『旅行作家・茶屋次郎』01~08、NHK『結婚泥棒』02などで主演をつとめる。映画でも、個性派の名脇役としてシリアスからコメディ、善人から悪役まで幅広く演じ分け、市川準監督「竜馬の妻とその夫と愛人」02の勝海舟役、樋口真嗣監督「ローレライ」05の元駐米大使・西宮貞元、是枝裕和監督「奇跡」11の主人公兄弟の祖父役などが印象に残る。テレビドラマはほかに、フジテレビ『ショカツ』00、『婚カツ!』09、TBS『嫁はミツボシ』01、『こちら本池上署』02~05、『横山秀夫サスペンス』02~05、『あなたの人生お運びします』03、『新しい風』04、『女系家族』05、『夫婦道』07・09、NHK『菊亭八百善の人びと』04、日本テレビ『87%・私の5年生存率』05、テレビ朝日『ナサケの女・国税局査察官』10、『告発・国選弁護人』『陽はまた昇る』11など多数。『レインマン』06、『死の舞踏』08、『パイパー』09、『ゴドーを待ちながら』11など舞台出演も変わらず旺盛で、前代表だった仲谷昇の死後、2006年より劇団円の代表をつとめている。
キネマ旬報の記事▼ もっと見る▲ 閉じる
- 関連作を買う
-
フィルモグラフィー