フランシス・フォード・コッポラ

|Francis Ford Coppola| (製作/監督/脚本/出演/製作総指揮)

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本名
出身地 アメリカ、デトロイト
生年月日 1939年4月7日
没年月日

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【「ゴッドファーザー」以後、ニュー・ハリウッドの寵児に】アメリカ、デトロイト出身。一時はフランシス・コッポラの表記を採った。音楽家の父カーマイン、女優の妹タリア・シャイア、監督となった息子ローマンと娘ソフィア、男優の甥ニコラス・ケイジなど、親族に芸能人が多く、しばしば身内を自作に起用している。ニューヨーク郊外で育ち、幼い頃から映画作りに興味を持った。ホフストラ大学演劇科時代はエイゼンシュテインに熱中、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の映画学科へと進んだ。UCLA在学中から小製作会社で「グラマー西部を荒らす」などの小品を撮り始め、のちロジャー・コーマンの門下生となる。1963年の「ディメンシャ13」で公式の監督生活へ。一方で脚本家としても活動し、「パットン大戦車軍団」(70)はアカデミー賞脚本賞を受賞した。この間の69年に、作家主導で自由に映画を作るための製作会社アメリカン・ゾエトロープを設立、ワーナー・ブラザーズとの契約でジョージ・ルーカス監督の「THX―1138」(71)を送り出すが、ワーナー側の評価は芳しくなく会社は危機状態に陥った。しかし雇われ監督として手がけた72年の「ゴッドファーザー」が世界的に大ヒットしアカデミー賞の作品賞・脚色賞ほかを獲得。続く自主企画の「カンバセーション…盗聴…」や「地獄の黙示録」はカンヌ映画祭でグランプリを、「ゴッドファーザーPARTⅡ」は続編が前作を凌ぐことはないというジンクスを覆しアカデミー賞作品賞・監督賞・脚色賞ほかを受賞するなど、70年代を代表する映画監督と目されるに至った。【作家=製作者の開拓推進者】「ゴッドファーザー」以後は主に、映像美に基づき壮大な物語をオペラ的に謳いあげる作風が特徴とされた。「アウトサイダー」等の小品の評価も高く、近年の10年ぶりの監督作「コッポラの胡蝶の夢」(07)では初期に近いパーソナルな映画づくりに立ち返っている。一方で、ハリウッドにおける監督兼製作者としての位置作りに功績が見られた。ゾエトロープ自体は「ワン・フロム・ザ・ハート」で再度苦境に立つなど浮き沈みを繰り返したものの、80年代はルーカスやスピルバーグとともに若手監督の推進をはかり、メジャー一極支配体制の改革を推進した。監督が時に製作も兼任し、大手スタジオと対等の立場で大作商業作品を手がけるという今日の状況はコッポラの時代に始まる。黒澤明監督作「影武者」への資金援助に示される、先達・先行作へのオマージュ志向もこの世代以降の特徴。

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2025年7月号

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2015年10月下旬号

映画監督を見ろ!:原始と太古へ遡る昂奮 フランシス・F・コッポラ「ハート・オブ・ダークネス」

2013年10月下旬号

家族で映画をつくること:フランシス・フォード・コッポラ、映画の聖家族

2012年8月下旬号

「Virginia/ヴァージニア」:夢見るまなざし フランシス・フォード・コッポラのことばから

2008年9月上旬号

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2002年1月下旬号

巻頭特集 「地獄の黙示録・特別完全版」:フランシス・フォード・コッポラ監督 インタビュー

1998年6月下旬号

巻頭特集 レインメーカー:フランシス・フォード・コッポラ監督 インタビュー

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特集 ジャック:フランシス・F・コッポラ論

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1991年4月上旬号

THE FACE '91:フランシス・フォード・コッポラ

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1988年11月下旬号

THE FACE '88:フランシス・フォード・コッポラ

1988年10月下旬号

タッカー:監督論

1985年3月上旬号

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1983年9月上旬号

特集 アウトサイダー フランシス・コッポラ監督作品:F・コッポラ インタビュー

1982年6月上旬号

特別レポート第2回 コッポラ監督の話題作:「ワン・フロム・ザ・ハート」を追って

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アンヌ・マリー・ベリ・インタビュー:夫クロード・ベリはフランスのコッポラよ

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映画の本 「名探偵銀幕登場」「ノーツ-コッポラと私の黙示録」:

1980年3月下旬号

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巻頭大特集 「地獄の黙示録」:完成台本

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「地獄の黙示録」特集:1 この映画はベトナムそのものだ

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〈ルポ特集〉日本とアメリカを直撃する4本の映画:2 「地獄の黙示録」のためのコッポラの戦い PART2・後篇

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「地獄の黙示録」におけるコッポラの戦い:第2回

1976年10月上旬秋の特集号

「地獄の黙示録」のためのコッポラの戦い:

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ビアンコ・エ・ネーロ欧米映画の旅:フランシス・フォード・コッポラ訪問

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グラビア:F・F・コッポラ監督 「カンバセーション・・・盗聴・・・」

THE CONVERSATION論:3 フランシス・フォード・コッポラ語る

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1974年カンヌ映画祭レポート:3 パゾリーニとコッポラの新作

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「ゴッドファーザー」/コッポラが描いた魅力ある“犯罪者たち”:

採録:ゴッドファーザー

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