水俣曼荼羅

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水俣曼荼羅

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レビューの数

28

平均評点

85.2(78人)

観たひと

103

観たいひと

36

(C)疾走プロダクション

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドキュメンタリー / 社会派
製作国 日本
製作年 2020
公開年月日 2021/11/27
上映時間 372分
製作会社 疾走プロダクション
配給 疾走プロダクション(配給協力:風狂映画舎)
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比 16:9
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督原一男 
構成秦岳志 
エグゼクティブプロデューサー浪越宏治 
プロデューサー小林佐智子 
原一男 
長岡野亜 
島野千尋 
整音小川武 
編集秦岳志 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「ゆきゆきて、神軍」の原一男監督が、日本四大公害病の一つとして知られる水俣病にフォーカスしたドキュメンタリー。今なお補償をめぐり国・県との裁判が続く患者たちに寄り添い、20年の歳月をかけて制作された3部構成、372分の一大叙事詩。裁判の経過とともに、人々の日常生活や水俣病をめぐる学術研究を追う。第22回東京フィルメックス特別招待作品。2021年第95回キネマ旬報ベスト・テン文化映画第1位、日本映画第5位。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

『第1部 病像論を糾す』川上裁判によって初めて、国が患者認定制度の基準としてきた「末梢神経説」が否定され、「脳の中枢神経説」が新たに採用された。しかし、それを実証した熊大医学部浴野教授は孤立無援の立場に追いやられ、国も県も判決を無視、依然として患者切り捨ての方針は変わらなかった。『第2部 時の堆積』小児性水俣病患者・生駒さん夫婦の差別を乗り越えて歩んできた道程、胎児性水俣病患者とその家族の長年にわたる葛藤、90歳になってもなお権力との新たな裁判闘争に賭ける川上さんの、最後の闘いの顛末。『第3部 悶え神』胎児性水俣病患者・坂本しのぶさんの人恋しさと叶わぬ切なさを伝えるセンチメンタル・ジャーニー、患者運動の最前線に立ちながらも生活者としての保身に揺れる生駒さん、長年の闘いの末に最高裁勝利を勝ち取った溝口さんの信じる庶民の力、そして水俣にとって許すとは?翻る旗に刻まれた怨の行方は?水俣の魂の再生を希求する石牟礼道子さんの“悶え神”とは?

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2023年6月上旬号

「水俣曼荼羅」初回限定版DVD-BOXボックス発売記念対談:原一男×大島新

2022年3月下旬映画業界決算特別号

読者の映画評:「水俣曼荼羅」平岩潤/「ミラベルと魔法だらけの家」阿比留嘉宣/「グレート・インディアン・キッチン」横田理江

2022年2月下旬 キネマ旬報ベスト・テン発表特別号

2021年 第95回 キネマ旬報ベスト・テン&個人賞:日本映画ベスト・テン

2021年 第95回 キネマ旬報ベスト・テン&個人賞:文化映画ベスト・テン

2021年12月上旬号

「水俣曼荼羅」:インタビュー 原一男[監督]

「水俣曼荼羅」:寄稿

2025年

2025/02/28

80点

VOD/U-NEXT/レンタル/PC 


本日締め切りクラファンすべり込み(お気持ち) 祝! 目標額クリア‼︎

被害者救済の拡大に向けて、認定基準の見直しと特措法の是正に取り組んでおられる皆さま方には、本当に頭が下がる思いです。
 一方、原告勝訴の司法判決に控訴を繰り返す国、県、チッソらの所業には、毎度ながら激しい憤りを禁じ得ません。

 ところで次回作につきまして、せん越ながらドシロウトから提案などがございます。
 ひとつは時系列について。テロップで年月日を表示していただくと、私のようなアホにはとても分かりやすく有り難いです。
 それから、第3部の終わりにちらりと触れられていました「タブー視」について、もっと掘り下げていただけないでしょうか。水俣地区や熊本県内における、当事者や関係者以外の人々の話しを聞いてみたいものです。
 そしてこれが最大の難所でありましょうが、願わくば国と行政側の取材を敢行していただきたく存じます。政治家やお役人の主張を聞き出す、知ることも大切なプロセスではないかと思うのです。

 原監督におかれましては、ヴァチカンに飛ぶなど精力的に続篇の制作に取り組んでおられ、ますます意気盛んなご様子、まことに感服いたします。
 どうぞ健康にご留意なさって、ぜひともこの大きな仕事を成し遂げてください。2年後の公開を楽しみにしております。

2024/05/03

2025/01/16

90点

レンタル 


出色の社会派ドキュメンタリー

ネタバレ

第一部 病像論を糾す
自らの科学的好奇心を追求することで、水俣病の原因が脳の損傷であることを突き止め、患者の認定基準見直しを大きく後押した熊大の医師二人の奮闘ぶりに拍手。そして、いつもながらに自らのメンツを保つことに汲々とし、犯した瑕疵に真摯に向き合うことなく、問題を矮小化することに腐心する役人たちの木で鼻を括ったような対応ぶりに怒りを覚える。そこには患者たちの気持ちを本当に理解しようとする姿勢が微塵も感じられない。

第二部 時の堆積
画面に登場する水俣病患者それぞれの日常があり、事情があり、歴史があり、苦しみがある。38年にも及ぶあまりにも長すぎる戦いの末に紙切れ一枚で認定通告。国や県という強大な権力に対して、微力な個人が立ち向かうことの難しさを痛感する。かつては豊かな漁場であった水俣湾。今現在も水銀汚染が完全に払拭されておらず、後世に負の遺産として引き継がれることになる。「人は死んでも水銀はなくならない」という劇中の言葉に胸を衝かれる。それにしても、初夜の下りをしつこく聞くシーンに思わず笑ってしまった。  

第三部 悶え神
患者だって一人の人間だ。恋もすれば失恋もする。そんな恋多き女の華麗な恋愛遍歴に興味津々。昔好きだった人とデュエットした「22才の別れ」が画面に切なく響く。行政組織の体面を守るためには裁判に負けても新たな謝罪はしないという理不尽。水俣で水俣病の話はタブーなんだという不可解な現実に今尚蔓延る偏見の根深さを知る。加害者意識が欠落した国や県や企業の無責任が続く限り、「水俣病」に終わりはない。人を赦すことで苦しみから解放される、という石牟礼道子の考えに異論はないが、そうではない人々もたくさんいることを忘れてはならないと思う。  

自らに降りかかった困難に屈することなく、眼前に立ちはだかる大きな障壁に挑む患者たちをはじめ、それをサポートする人々の勇気とバイタリティに惹かれ、372分の長尺もまったく飽きることはなかった。優れた映画監督であると同時に優れたアジテーターでもある原一男のジャーナリスティックな視座と大らかな人間愛が光る異色にして出色の社会派ドキュメンタリーだった。

2024/11/16

2024/11/19

-点

その他/飯島町自主上映 


怒涛の372分+ほぼ5時間半

『水俣曼荼羅』2020,原一男

県南飯島在住の女性が昨年に続いて映画上映会を開催。本当に尊敬すべきことだと思います。参加させていただいた一人として心から感謝です。

私は本作品鑑賞、これで通算7回目。うち1回はDVD鑑賞。今回の参加者は15人ぐらいのとても小さな上映会。特筆すべきは原一男監督とのアフタートークが激烈超濃密。公民館的会場の二間、多分15〜6畳に机並べて車座、膝突き合わせて呑み食いしながらのおおよそ5時間半!なんせ15人足らずですから、もう聞きたい放題質問させていただきました。

19時50分夕食から始まって明けて零時半に私は帰路に着かせていただきました。トークはその後も延々と続き、なんと2時半までの約5時間半余り、怒涛のノンストップだったとのこと。

冒頭イタリア映画祭での受賞のこと。撮影秘話。PARTⅡのこと。土本監督のこと等々のお話を監督の一人語りで。思い出すにつけ、胸がキュンキュン締め付けられる程の二度とは無い貴重な体験をさせていただきました。

それにしても原一男監督には、私なんぞが僭越極まりない言い方ですが、心から敬意を表明させていただきます。齢79のご高齢に加えて心身共にご体調も万全では無い中、私たち鑑賞者の稚拙で不躾で失礼な質問に対して実に誠実に熱を込めて親切にお応えいただきました。

感謝しかありません。

そして原一男作品を好きになった私の眼に間違いはなかったのだとあらためて確信してしまいました。

私からの主だった質問は以下の通りです。

(1)天皇制

本編の最後の方で緒方さんが石牟礼さんの電話で背中を押され平成当時の天皇皇后と接見したことを語るシーンから、日本の近代化と(近代)天皇制は密接不可分、作品に頻出する金太郎飴みたいな官僚たちを構造的に生み出しているシステムと天皇制は相互に補完し合っている。そのことに原監督には斬り込んでいただきたい、と不遜で失礼な希望を表明させていただきました。

これに対して原監督の質問は、石牟礼道子亡き後、天皇制に斬り込めるだけの人物がいますか?というものでした。

思わず絶句、狼狽、息呑んでしまいました。苦し紛れに四方田犬彦さんはどうですかと逆質問してしまいました。後から考えれば、三島由紀夫はもちろんのこと、赤尾敏とか、吉本隆明とかの名前が浮かびますが、残念ながら全員故人。監督の仰る通り、令和には枠をはみ出すぐらいの超人は最早存在しないのでしょうか。ガッツリとタッグが組めるだけのバケモノの不在に原一男監督の今置かれた悲劇のひとつがあるのかもしれません。因みに主催者からは安冨歩さんを推す声が挙がっていました。満州を専門にしている安冨さんと天皇制と原監督というトライアングルかあ。悪くないかもしれませんね。

(2)脳みそ

ネタバレになりますけど、第一部のクライマックスに登場するホルマリン漬けの脳みそを撮っていたのは予想通り原監督ご自身とのことでした。その監督のお答えに、そりゃあそうだよなあ、とちょっとホッとしながらも深く感動してしまいました。あの寄りのドアップ!凡庸なキャメラ・マンならミドルの引きの画で誤魔化すところを、素直で、感性豊かで、繊細で、確信に満ちていて、一発勝負に強く、粘っこくて、好奇心溢れる、監督特有のキャメラ・ワークは本当に天才の所業です。

(3)撮影や編集について

撮影クルーは1キャメ、2キャメは必ず。できれば録音も連れて行きたい。マイク内蔵キャメラで拾いきれない音がある。またキャメラ回しながらマイクを差し向けるという秘技もある。照明は固定のセッティング。

編集は『ニッポン国VS泉南石綿村 』に続いて秦岳志さんを起用した。始めから彼に依頼した。原監督は大抵編集マンに任せるスタイル。撮影中からどう編集していくのか頭の中で自然と組み立てられる。PARTⅡはテイストを変えるため別の編集マンに依頼すると思う。

ざっとこんなところでしょうか。帰りはへとへとになりましたが、帰宅しても興奮しすぎて中々眠れませんでした。残った方々は更に2時間語り合われたとのこと、脱帽です。

二度とは無い得難い一夜が終わって主催者と原一男監督とこの貴重な磁場を共に形成していただいた鑑賞者の皆さんに重ねて深謝申し上げます。

2023/08/26

2023/09/18

75点

その他/シアタードーナツ 1F 


長い、でも観てよかった

自分が子供のころ、テレビで公害病の報道をしていた。そこでひきつけを起こしている患者を見て心底恐怖を覚えた。小学生であったからこれで人類は滅亡するんだなという絶望感に捉われたのだった。その公害病でもひときわ目立ったのが水俣病だった。この病名を久しぶりに見たのはジョニー・ディップ主演の「MINAMATA」だった。なんで今頃、外国から水俣病のことを描くんだと思った。しかしこれは主人公のユージン・スミスが取材したのが水俣病であったから出てきたのである。したがってこの映画は水俣病の問題を描いているものではない。ユージン・スミスが水俣病じゃなくて別のものを取材していてもこの作品は成立する。
だが、水俣病を久しぶりに聞き、この病気が過去のものではないとふたたび注目されたのは悪いことではない。私も水俣病のことは忘れていたのだから。報道やレポート記事を目にしなくなってからは、もう過去のできごとのように思われたから。
それに水俣病のことならなにもハリウッド映画じゃなくても、日本が描かないといけないことである。と思っていたら本作が公開された。たまたまハリウッド映画公開と時期が重なっていたわけで、本作が便乗映画というわけではない。製作に20年かかった。途中でこのまま安倍政権が続くことに危惧を覚えて本作を中断して「れいわ一揆」を製作している。

6時間におよぶ大作にどうなのかなあと思っていたら、観終わるとこれでもまだ足りないんだろうなあと思った。だがこれ以上の時間を使うわけにはいかなかっただろう。これが限界だ。
第一部・水俣病は末梢神経発症ではなく脳からくるものだと主張する医大の教授の奮闘ぶりを描く。しかしこの教授、患者の脳を運ぶときに喜々とした態度はSF・ホラー映画に出てくるマッドサイエンティストだなあ。
第二部・被害者の長い時間に渡る日々に焦点を当てる。
第三部・悶え神という言葉を思い出す石牟田道子の天に召される予兆を描く。

それぞれ二時間に渡るので、これらを三部作として別々に公開しても良かったようにも思うが、それだと三部作全部観る人は少ないのかもしれない。
ということでPART2の製作もさきごろ発表された。
土本典昭監督の水俣病に関するドキュメンタリー、キネマ旬報のベストテンでは文化映画に分けられる諸作品は当時の地方ではほとんど観ることができなかったので、私は彼の作品を一本も観ていない。ぜひこれらの作品がみられるようになりたいものだ。

ともあれ6時間に及ぶ長さは適切ではなかったのかも知れないが、水俣病という高度成長期における闇の部分を後世に残す映像資料としての価値は大いにある。日本史の勉強のためにもこういう記録は永久保存版にしておかねば。
今また岸田首相は汚染水を海水に垂れ流すことをした。まったく水俣病の教訓は生かされていない。もしかすると岸田は水俣病のことは知らない無知な人間なのだろう。で、歴史から何も学ぼうとしないで、こんな愚行をする。これに中国が日本からの輸入禁止を取ると、櫻井よしこなどという似非ジャーナリストが意見広告で一人千円食費を増やして海産物を食べて中国に打ち勝とうなどいう今にも戦争を起こしたいようなアピールをしている。中国がどうのこうのではない。これじゃ日本近海から取れた魚などの海産物は怖くて日本国民も喰えないじゃないか。まったく歴史から学ばない人は愚か者だ。中国を敵視し、戦争の火をつけて日本を混乱させるバカがいるから、こういう記録映画を残さなきゃならないじゃないのか。ここから学べよ、愚かな自民党員とネトウヨ的なジャーナリストは。

2023/01/13

2023/02/08

80点

テレビ/有料放送/日本映画専門チャンネル 


不条理さと不毛さが感じられる

上映時間6時間12分の原一男監督のドキュメンタリーで、2004年に出た水俣病の認定基準は誤りであった、という最高裁判決から、それでも患者として認定されない多くの人たちの国との闘いをメインにして、水俣病を四肢の末梢神経の麻痺、という従来の基準ではなく、血液に入った水銀が脳の一部を侵食して四肢や感覚を麻痺させる、という脳障害説を実証していく二人の医師の姿や、一見患者に見えないけれども確実に脳の感覚を司る部位が水銀でやられて、指先や舌が麻痺している人たちの日々の生活を追っていったりしていますけど、原監督は近作の「ニッポン国VS泉南石綿村」と同様に、国家と闘う市民に寄り添っていくスタンスで描いていて、そのような視点を貫けば貫くほど、被告側である国や行政の役人が原告と対峙する場面では、あまりにも裁判が長期化していることもあって、訴えた当初には全くタッチしていない知事や、裁判の内容をさらっと説明されただけみたいな若い役人が出てきて謝罪するものの、政府か誰かから言われたような文言以上のことは決して口にしないでいる様子を観ていると、不条理さと不毛さが感じられて、何とも言えない気持ちになりますね。

2023/02/02

60点

選択しない 


結論はまさに、水俣病にハッピーエンドはない

 最後の献辞にもあるように、水俣を撮り続けた土本典明のドキュメンタリーの続編であり、原一男のドキュメンタリー作家としての集大成でもある作品。半世紀以上に渡る水俣病問題を総括し、6時間12分という長尺でありながら緩みなく一気に見せる。
 映画は2004年の最高裁判決から始まり、水俣病被害者たちの現在までを3部に分けて追う。
 第1部・病像論は、2004年の最高裁判決を引き出した、熊本大学教授の水俣病の医学的研究を中心に追い、有機水銀の汚染土の現状などを客観的に見せる。
 第2部・時の堆積は、水俣病の歴史を振り返り、被害者たちの人生を現在・過去と時間軸を前後しながら描いていく謂わばヒューマンドラマで、重度の障害が残る小児性水俣病患者、逆境を生き抜いた漁師、家族の尊厳を守るために国を相手に闘ってきた人々が登場し、人間らしい顔を見せるが、やはり半世紀前の子供たちの姿が映ると痛々しい。
 第3部・悶え神は、今も終わらない被害者たちの苦悩を描くと同時に、行政の不作為による二次的加害を炙り出していく。
 イノセンスな者が人生を破壊され、その犠牲が国益の下に正当化されるならば、国益とは何かという疑問に至る。その国益を代弁する官僚や役人、政治家たちの公人を理由にして言い逃れる姿は、会社のためと称して犯罪を犯す経営者や幹部社員同様に醜く、原のカメラは冷徹に写し取っていく。
 個人と国家だけでなく、医学界、介護問題等のさまざまなテーマが盛り込まれ、まさに水俣病を中心とした曼荼羅となっていて、NHKの番組をめぐるドキュメンタリー論も出てくるが深入りはしていない。
 原一男らしいどこにも収斂しないドキュメンタリーとなっていて、悲しいかな水俣病患者たちの未来は見えず、国と県、官僚、役人、政治家たちは変わらず、虚しさだけが残る。
 被害者に寄り添ってきたはずの医師さえ、水俣病は研究のための人体実験だったのではないかと思わせるシーンがある。漁師は検査をしようとする医師、それをドキュメンタリーに収めようとする原を共に拒否する。本作を観る我々を含め、被害者の側に立っていると思う人は、はたして当事者と同じ地平に立っているのか? 共感しているだけの観察者に過ぎないのではないか? ドキュメンタリーの題材に過ぎないのではないのか?
 おそらく本作は最後に、作り手も見る側もそれを問われている。結論はまさに、水俣病にハッピーエンドはないということかもしれない。(キネ旬5位)