水俣曼荼羅

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水俣曼荼羅

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レビューの数

21

平均評点

86.7(60人)

観たひと

76

観たいひと

32

(C)疾走プロダクション

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドキュメンタリー / 社会派
製作国 日本
製作年 2020
公開年月日 2021/11/27
上映時間 372分
製作会社 疾走プロダクション
配給 疾走プロダクション(配給協力:風狂映画舎)
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比 16:9
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

監督原一男 
構成秦岳志 
エグゼクティブプロデューサー浪越宏治 
プロデューサー小林佐智子 
原一男 
長岡野亜 
島野千尋 
整音小川武 
編集秦岳志 

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

「ゆきゆきて、神軍」の原一男監督が、日本四大公害病の一つとして知られる水俣病にフォーカスしたドキュメンタリー。今なお補償をめぐり国・県との裁判が続く患者たちに寄り添い、20年の歳月をかけて制作された3部構成、372分の一大叙事詩。裁判の経過とともに、人々の日常生活や水俣病をめぐる学術研究を追う。第22回東京フィルメックス特別招待作品。2021年第95回キネマ旬報ベスト・テン文化映画第1位、日本映画第5位。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

『第1部 病像論を糾す』川上裁判によって初めて、国が患者認定制度の基準としてきた「末梢神経説」が否定され、「脳の中枢神経説」が新たに採用された。しかし、それを実証した熊大医学部浴野教授は孤立無援の立場に追いやられ、国も県も判決を無視、依然として患者切り捨ての方針は変わらなかった。『第2部 時の堆積』小児性水俣病患者・生駒さん夫婦の差別を乗り越えて歩んできた道程、胎児性水俣病患者とその家族の長年にわたる葛藤、90歳になってもなお権力との新たな裁判闘争に賭ける川上さんの、最後の闘いの顛末。『第3部 悶え神』胎児性水俣病患者・坂本しのぶさんの人恋しさと叶わぬ切なさを伝えるセンチメンタル・ジャーニー、患者運動の最前線に立ちながらも生活者としての保身に揺れる生駒さん、長年の闘いの末に最高裁勝利を勝ち取った溝口さんの信じる庶民の力、そして水俣にとって許すとは?翻る旗に刻まれた怨の行方は?水俣の魂の再生を希求する石牟礼道子さんの“悶え神”とは?

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2022年3月下旬映画業界決算特別号

読者の映画評:「水俣曼荼羅」平岩潤/「ミラベルと魔法だらけの家」阿比留嘉宣/「グレート・インディアン・キッチン」横田理江

2022年2月下旬 キネマ旬報ベスト・テン発表特別号

2021年 第95回 キネマ旬報ベスト・テン&個人賞:日本映画ベスト・テン

2021年 第95回 キネマ旬報ベスト・テン&個人賞:文化映画ベスト・テン

2021年12月上旬号

「水俣曼荼羅」:インタビュー 原一男[監督]

「水俣曼荼羅」:寄稿

2022/06/30

2022/07/01

90点

映画館/兵庫県/元町映画館 


個性溢れる人々の生き様が眩しい

患者認定の基準となってきた末梢神経説を孤立しながらも中枢神経説で覆した浴野教授の明るく分かり易くそして嬉しそうに解説をする表情がこの作品のトーンを象徴していて、障害を抱えて苦しみや悔しさと共に生きてきた登場人物たちのそれでも下を向かずに暮らしていくという生きる喜びが滲み出てくるのが素晴らしい。感情を押し殺して俯いている国や県の役人たちの表情と対照的にまさに曼荼羅というべき個性溢れる人々の生き様が眩しいが、最高裁で勝訴しても変わらない国の頑迷さに日本特有の問題が見えてきて諦めに近い怒りがこみあげてくる。

2021/12/01

2022/03/26

95点

映画館 


今も水俣の海の底は、水銀に侵されている

ネタバレ

「ゆきゆきて、神軍」「全身小説家」「ニッポン国VS泉南石綿村」などを世に送り出してきたドキュメンタリー映画の鬼才・原一男監督が20年の歳月をかけて製作し、3部構成・計6時間12分で描く水俣病についてのドキュメンタリー。日本4大公害病のひとつとして広く知られながらも、補償問題をめぐっていまだ根本的解決には遠い状況が続いている水俣病。その現実に20年間にわたりまなざしを注いだ原監督が、さながら密教の曼荼羅のように、水俣で生きる人々の人生と物語を紡いだ。川上裁判で国が患者認定制度の基準としてきた「末梢神経説」が否定され、「脳の中枢神経説」が新たに採用されたものの、それを実証した熊大医学部・浴野教授は孤立無援の立場に追いやられ、国も県も判決を無視して依然として患者切り捨ての方針を続ける様を映し出す「第1部 病像論を糾す」、小児性水俣病患者・生駒さん夫婦の差別を乗り越えて歩んできた道程や、胎児性水俣病患者とその家族の長年にわたる葛藤、90歳になってもなお権力との新たな裁判闘争に懸ける川上さんの闘いの顛末を記した「第2部 時の堆積」、胎児性水俣病患者・坂本しのぶさんの人恋しさとかなわぬ切なさを伝え、患者運動の最前線に立ちながらも生活者としての保身に揺れる生駒さん、長年の闘いの末に最高裁勝利を勝ち取った溝口さんの信じる庶民の力などを描き、水俣にとっての“許し”とはなにか、また、水俣病に関して多くの著作を残した作家・石牟礼道子の“悶え神”とはなにかを語る「第3部 悶え神」の全3部で構成される。

水俣病の患者たちの国との今尚続く長い闘いを描く。病がようやく認められ、保障されたかと思うと、それも少ない金で手懐けようとしているだけと、再び裁判をしたり、怒号が飛び交う政府との対話など、興味深い。

昔の話かと思いきや、今も水俣の海の底は水銀に侵されているなど、衝撃的な内容でもあった。原監督の熱量に、ただただ敬服するのみ。

2022/02/27

2022/02/27

90点

映画館/愛知県/シネマテーク 


ある意味、水俣地獄絵図!

人間の活動が人間を苦しめる。昨今は「環境汚染」という言葉が主流となってしまったが、このドキュメンタリーは水俣病という「公害」に苦しむ人々を捉えたもの。悲惨と思いつつも、観る者が当事者意識を持つことはあるまい。そういう意味では我々自身も環境省の官僚、行政の役人と同じ。石牟礼道子氏の「苦海浄土」を初めて手にした時の衝撃が甦る。その石牟礼氏が名付けた「悶え神」という言葉。この言葉に救われた気がする。

2022/02/19

2022/02/20

85点

映画館/大阪府/シアターセブン 


反省なき会社側。

ネタバレ

土本典昭のライフワークと言える水俣のドキュメンタリー作品は多く見ていて、昨年公開された「MINAMATA」で記憶を新しくもしたが、印象としてはその土地も落ち着いて和解も進み、患者さんの苦しみも和らいだと思っていた。本作を見るまでは。

有機水銀を意図的に垂れ流したチッソがその後も存続しているのは、被害者への補償をして会社の存在が世間から許されたからだとも思っていた。それも間違いだったと気付かされた。

政府と会社はさっさと終わったことにしたいと思っているようだ。当時の小池環境相など深々謝罪していると思わせておいて、患者側からの手厳しい声を受けると、その顔に隠していた無反省が一瞬顔を出す。

小さな和解金を提示して、受け取れば二度と裁判など起こすなという国のやり方は相変わらずの弱者潰し。

こんな実態を長い時間かけて撮りあげた原一男は、さすがの全身ドキュメンタリスト。土本典昭へのリスペクトも忘れていない。6時間越えの労作。

2022/02/12

2022/02/12

75点

映画館/千葉県/キネマ旬報シアター(旧TKPシアター柏) 


2021年キネ旬ベストテン文化映画1位日本映画5位

映画芸術2021日本映画ベスト18位ワースト14位
監督トークショー付き上映。
二回目の鑑賞で顔が分かる様になったので、あのシーンの後ろにいたとか、あそこで発言していたんだとか、気づく点があちこち。
さらに、三部構成のバランスのよさ、各々自立力等も感じた。やはり、面白い!この六時間を超える作品を魅せつける監督の力業!
トークショーでは客席からお客さんを呼び寄せてのパネルディスカッション風。こんなトークショーもあるんだな。監督を中心に「香川1区」「なぜ君は総理大臣になれないのか」が、何故面白くないのか?談義は凄かった。監督の「小川さんに魅力感じますか?」にはパネラーになったお客さん二人も、私も「魅力なし」に同意。監督の過去作品や、外国映画のドキュメンタリー作品へまで話が広がって興味深い時間だった。

2022/02/08

100点

選択しない 


2021年を代表する映画

原一男監督の人間への深い慈愛を感じる6時間半だ。どんな状況でも、どうしようもなく「生」や「性」を希求してしまう人間。その愛らしさに活力をもらった。脳を解剖したくてしたくてたまらない先生がおかしくて仕方がなかった。