前に最初の劇場版を観たときよりも、ずっと心のなかにすっと入ってくる感じがした。時間の制限を取り払って、より細やかに登場人物たちの心を描いているからなのだと思うけど、何にしても、こういうお話はあまり好きじゃない自分でも、この物語はすごくいいと思った。のんちゃんをキャスティングした制作者は慧眼としか言えない。あまり器用な人ではないから、幅広い役柄を演じられる人ではないけれども、この映画のすずさんは彼女にぴったり、ひょっとしたら朝ドラで演じたあの役よりも向いていたかも。
この物語を終わらせるのに、広島の原爆孤児を家に連れ帰るというのは、原作者のお手柄なんだろうけど、素晴らしい結末だと改めて思った。エンドロールの中で、その後の姿をちらっと見せるのも素敵。その一方で(この映画とは関係ないけど)TBSのドラマ版で現代パート(ラストシーンはカープの試合だったよね)をちょこっとだけ追加した岡田惠和さんのセンスの良さも改めて思い起こされる。