オリジナル版が公開されてから3年後に改めて30分追加されて公開されたこのバージョン。
一般的な映画なら、尺が長くなると濃度が薄まるというか。
ただ長いだけの作品は好きじゃないけど、この作品は30分長くなった分、一層、普通の、市井の人々の暮らしの描写を“積み重ねる”事によって、より作品世界が深く厚くなる。
日本の戦争映画として、この作品以前と以後に分かれるというぐらいエポックメイキングな作品だと。
映像、アニメ描写、シナリオ、台詞、のんの声、すべて最高。
しかも圧倒的に。
特にシナリオや台詞は大切な場面ほど、シンプルに描かれている。それが観てる側の想像力を駆り立てる。
苦しくなるし、辛い気分にもなる。
それでも鑑賞後感は爽やかで。
やっぱり映画はこうでないと。