ヒッチコック作品の中でも3本の指に入る名作だと思ってます。
プロットは凄くシンプルですが、その謎解きを固唾を飲んで見守るみたいなそんな作風でした。夜中に観れば、明くる日は寝不足必至。良い映画を観たなと思わせてくれました。
レビューサイトをチェックすれば、案外否定派も多いので受け止め方は個人差あると思いますけど…。これは、昨今の練られ過ぎたサスペンス映画の影響もあり、複雑なプロットの作品に映画ファンが馴れてるからということもあるはずです。
でもヒッチコックの目指したところは、娯楽作品としての映画作りと私は考えてます。観賞後に疲れさせない作品群がやはり魅力的。
プロットはすり替え殺人と、サスペンスとなってます。しかしながら単純な謎解きのストーリーではない。冒頭の主人公スコティ(ジェームズ・スチュアート)が高所恐怖症でめまいを起こすシーンなんかは伏線回収されてるし、話のオチが良かったです。
ヒロインを演じたキム・ノヴァクも素晴らしかった。スコティと彼女がコンタクトする度に起こる波乱にぐいぐいと引き込まれました。
幻のような女性像で、これを描出するカメラワークも良かったです。
本作が公開された後の時代に様々な映画監督がこの名作にオマージュを捧げてます。ブライアン・デ・パルマ監督なんてその最たるものでしょう。それなりに本数を観ている映画ファンなら気付きが多いはずです。
シンプルにまとめられて、芯のある脚本も良い。
久々に観れて、良かったです。