前作観た時のドタバタ感が好きじゃなかったんだよな。
今作は、ロンドンの生活にも慣れたクマのパディントンが、森に住むルーシー叔母さんの誕生日に立体絵本を送ろうとバイトをしてお金を稼いでいる。ところがその絵本が盗まれるところを偶然見てしまったパディントンは泥棒を追いかけるが、犯人と間違えられて捕まって刑務所へ。そしてその後の展開は...。
なんだけど、前作みたいなドタバタは少ない分、観やすいのだが、その分、パディントンってクマである必要ある?って思ってしまう。動きも4足歩行しているわけでもなく、人と同じ2足歩行だし、やることも人間と同じ、まあミスはするけど。そしてご近所付き合いも人間と同じだし。これ、クマの必要ある?むしろ登場人物の中に1人だけクマの格好っておかしくない?パディントンが人間らしい暮らしをすればするほど、人間と同じ行動を取れば取るほどクマである必要、どこにあるの?
あるとすれば、性格が良くて皆から好かれる、刑務所の中でも好かれる、ってところかな。でも、このキャラクターって、別に誰でもよくね?例えば、アジアやアフリカから来た外人だったり。パディントンを人間に置き換えてみると、よくある設定で、しかももう少し深みのあるキャラクター設定が出来るよね。ということはクマ映画にすることで、映画を浅薄な映画にしていないか。
刑務所内のプロットはなかなか面白いよね。刑務所の中で囚人達と仲良くなったり、厨房での料理シーンとか。脱獄シーンは、安易だけど、これはおとぎ話だからうるさいことは無し。
あと、悪役にヒュー・グラントを持ってくるのは良いねえ。私も彼が嫌いだけど、彼は自分があんまり好かれていないことを自覚しているのか、こういう自虐的な役をきちんとやってくれるね。さらに映画の中で、俳優を揶揄するような台詞も含まれていて、この映画に出ているの、皆役者じゃないか、って思っちゃった。
そして、ラスト、刑務所の中でのヒュー・グラントを中心にした歌とダンスのシーンは楽しいねえ。
この映画、このシーンが一番いいんじゃない?嫌いなヒュー・グラント、ブラボー!