わたしは、ダニエル・ブレイク

わたしはだにえるぶれいく|I, DANIEL BLAKE|I, DANIEL BLAKE

わたしは、ダニエル・ブレイク

レビューの数

200

平均評点

80.7(1119人)

観たひと

1465

観たいひと

180

(C)Sixteen Tyne Limited, Why Not Productions, Wild Bunch, Les Films du Fleuve,British Broadcasting Corporation, France 2 Cinéma and The British Film Institute 2016

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 社会派 / ヒューマン / ドラマ
製作国 イギリス フランス ベルギー
製作年 2016
公開年月日 2017/3/18
上映時間 100分
製作会社 シックスティーン・フィルムズ=ワイ・ノット・プロダクションズ=ワイルドバンチ=BFI=BBCフィルムズ=レ・フィルム・ドゥ・フルーヴ=フランス2シネマ=カナル・プリュス=フランス・テレビジョン=ル・パクト=シネアート=シネ・プリュス=VOO=Be tv
配給 ロングライド(提供: バップ=ロングライド)
レイティング 一般映画
カラー カラー/ビスタ
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
上映フォーマット
メディアタイプ
音声 5.1ch

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

予告編 ▲ 閉じる▼ もっと見る

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ケン・ローチ監督が二度目のカンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた社会派ドラマ。ダニエルは心臓疾患により医師から仕事を止められるが、複雑な制度に翻弄され支援を受けられない。手助けしたシングルマザーの家族と交流を深め、貧しくとも支え合うが……。一貫して社会問題に目を向けてきたケン・ローチ監督は「ジミー、野を駆ける伝説」を最後に劇映画からの引退を表明していたものの、拡がる格差や貧困を鑑み、引退を撤回し本作を制作した。2017年第91回キネマ旬報ベスト・テン外国映画1位、外国映画監督賞(ケン・ローチ)。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

イングランド北東部にある町ニューカッスルに住む大工のダニエル・ブレイク。59歳の彼は心臓に病が見つかり、医師からは仕事を止められてしまう。しかも複雑な制度に翻弄され、国の援助を受けられない。そんな中、二人の子供を抱えるシングルマザーのケイティを助けるダニエル。それをきっかけに彼女たちと交流し、貧しくとも助け合い絆を深めていくが、厳しい現実を前に次第に追い詰められていく。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2018年2月下旬 キネマ旬報ベスト・テン発表特別号

2017年 第91回 キネマ旬報ベスト・テン&個人賞:外国映画ベスト・テン

2017年 第91回 キネマ旬報ベスト・テン&個人賞:読者選出外国映画ベスト・テン

2017年6月上旬号

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2017年4月下旬号

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2017年4月上旬号

REVIEW 日本映画&外国映画:「わたしは、ダニエル・ブレイク」

2017年3月下旬映画業界決算特別号

「わたしは、ダニエル・ブレイク」:ケン・ローチ[監督]インタビュー 世界はいま、緊急事態だ

「わたしは、ダニエル・ブレイク」:ケン・ローチが問う「個人の尊厳」と「組織及び国家」との永遠の平行線

UPCOMING 新作紹介:「わたしは、ダニエル・ブレイク」

2024/08/15

90点

選択しない 


ケン・ローチ監督クオリティ炸裂

ケン・ローチ監督が、自国の福利厚生のあり方を叱責するために製作した映画だと思います。
福利厚生というのは、基本的に弱者救済のためにある制度のはず。現状の制度は、それに矛盾している。そこがケン・ローチ監督の主張であろう。

日本での失業手当てのような本作の給付金制度は、労働者同士が困った時に支え合うのがスタンスの下に出来た制度だと思う。その為に納税者も税金を払っている。その集めた税金をどのように使うかは国家又は地方自治体次第になる。窓口には、公務員的な立場の人がいる。彼らは国家の内規に乗っ取って、失業者への給付金の有無を裁定するのが仕事である。
本作で腹立たしいのは、その窓口の職員が給付金の申請者の意向を無視していることにある。
主人公のダニエル・ブレイクは、心臓発作で倒れた事実がある。主治医からのドクターストップもあった。
普通に考えれば、日本では傷病手当ての支給が妥当であろう。ダニエルもそのように望んでいる。しかし職員は再就職活動を前提とした日本での失業手当てを勧めるのである。理由は、手当てが出やすいからということ。
職員からのダニエルの身体への労りは皆無である。彼は何もタダで傷病手当てをくれと言ってるわけでない。長年大工として働いてきて失業保険をかけていたのだ。
傷病手当てをもらう権利はあったのだ。
しかし当局の結論は就労可能ということ。傷病手当ては審査のハードルの高さを盾にして、頑として受け付けない。時間がかかるし、失業手当てなら、すぐにお金が出るということだった。生活困窮者は悠長に待ってられない。その弱味につけこんでいることが腹立たしいのだ。
どの手当てを選ぶかは、ダニエルに選べさせるのが筋なのだ。

若いシングルマザーのケーティは、ロンドンの収容所から追い出されて生活保護がもらえずに困窮していた。
将来ある人の支援は手厚くするべきだ。セーフティネットが機能してない国は、先進国ではない。食べることに逼迫している人々は、救えないのは如何なものかと思う。ケイティの場合は風俗にまで身を落とすのだから痛々しすぎる。

本作は英国の福利厚生のシステムを非難しているのは、間違いない。しかし、本当に見るべきところは違う。困っている者同士、それぞれの登場人物たちが良心に従って助け合っているところに心が打たれる。
それに対して給付金窓口の事務的な対応が余計に冷たく感じる。血が通う者と通わない者の対比が見事に描写されてると思います。
それにしても、ケン・ローチ監督の映画作りはぶれない。これも名匠と言われる所以なのでしょう。

2023/07/15

2023/07/15

85点

レンタル 
字幕


知ってても泣く

ケンローチ監督です。監督作では一番好きかもしれない。フードバンクのシーンは、知ってるのに泣いてしまう。本当に良いシーン。希望が見えたのに、このラスト。ケンローチ作品で一番好きかも。

2023/01/28

2023/02/12

92点

VOD 
字幕


正しき事が良き事とは限らない

ネタバレ

正しい人より優しい人になろうと思う

2022/11/21

2022/12/03

88点

映画館/愛知県/伏見ミリオン座 
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今度は私に助けさせて

BGMがほとんどないドキュメンタリーのような映画。それでいて、いやそれだからこそなのか胸に迫るものがある。女の子の「今度は私に助けさせて」は切なく暖かい。

2022/11/16

2022/11/16

90点

VOD/U-NEXT 
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これが"社会派"

公開当時劇場で観て以来の2度目の鑑賞。

派手な展開はないのに、胸に突き刺さる、自然なシナリオ・自然な演技。ドキュメンタリーを見ているのかなとさえ思うぐらい。

自然だけど、だんだん追い詰められていく役者の微妙な言動の変化とか、素晴らしい。

一度目の鑑賞記録に"彼は英雄だ"と書いた。
今回2回目を見て、もちろんそれは間違っていないんだけど、
こんな英雄2度と出てきてはいけないと。

でも、現実はそうじゃないんだろうな、と。

コロナもあり、世界中でこういう"現実"があるんだろうなと。
一回目観た時よりもつらい気持ちになった。

2022/09/29

2022/09/30

77点

VOD/Hulu/購入/テレビ 
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情けなくて、悲しい。

人のために働くことができる人たちが働けなくて、人のために働かなければならない人たちが仕事をしていない状況、そしてシステム。
これは イギリスの話でしたが、日本にも通じるものがありました。情けなくて、悲しくなります。