以前はテレビでよく放映されており、何度か観たことがある。細かいことは忘れてもポール・ニューマンが卵を50個食べるシーンは覚えている。
ニューマンが演じるルークはささいな事件を起こして刑務所に入れられる。酔っぱらってパーキングメーターを壊し、懲役2年の刑だから大物とは言えない。刑務所には古株の囚人らが手ぐすね引いて新入りを待っている。古株の中でも牢名主的存在なのがドラッグ(ジョージ・ケネディ)で、一切合切を仕切っている。そんな彼でも看守には頭が上がらない。刑務所長を筆頭に、常にサングラスをかけている射撃の達人。彼の表情は見えず、ミラーサングラスに映る光景しか見えないのが不気味だ。そして宿舎の監督。いずれも高圧的で規則で縛り、従わない者は懲罰房送りにする。
囚人らは日中は屋外できつい作業をし、夕方に宿舎に戻り、入浴、夕食後の就寝までのわずかな時間で余暇を過ごす。タバコは吸えるし、賭けポーカーでは現金が飛び交う。意外と自由なことに驚いた。
ドラッグとルークがぶつかった時もケンカはできないので、スポーツの一環としてのボクシングで闘う。所長や看守、囚人らが見守る中、対戦するが、体力に勝るドラッグが一方的に殴る。何度ダウンしてもルークは起き上がり、決してギブアップしない。これにはドラッグも根負けし、試合を打ち切ってしまう。この一戦以来、ルークはドラッグに気に入られ、みんなから一目置かれるようなる。冒頭書いた卵の一件でルークはますます株を上げる。
しかし出る杭は打たれる。脱獄も試みたことで、看守らの標的にされ、徹底的に痛めつけられる。看守らの理不尽な仕打ちにさすがのルークも音を上げ、従順になるものの、虎視眈々と脱獄のチャンスをうかがう。ルークは逃げ延びるために知恵を振り絞り、何度も脱獄を試みる。ここまで彼を駆り立てるものは何か。母親の弔いだけではないだろう。その点を知りたい。