エンタメ作品としての保証書のついた作品といえば、本作は間違いなくその中の一本として挙げられるだろう。いつ見ても同じ場面で同じ気持ちを呼び覚ますから、安心感がある。これがまさに保証書。
この間、『マッドマックス:フュリオサ』をIMAX版で見たが、見終えてすぐそのままデスロードが見たいという感情に駆られた。「フュリオサ、支配者イモータン・ジョーに鉄槌を下してわれわれを解放してくれ」とそんな気持ち。
そうしたら東京の話になってしまい恐縮だが立川シネマシティさんが案の定やってくれた。いつものようにしっかりと音響調整をかけた最適なチューンで。
何度見ても約束したように同じ気持ちになるのはその完成度に由来すると思う。初見時、キャラクターを含むその造形美術にキワモノ感を抱いたことは否定できない。ヴィルヌーブの『デューン 砂の惑星』の美的感覚が端正としかいいようがないのに比べ、こちらはキワモノ的。しかし、それもマッドでマックスの持つ世界観のひとつに過ぎず、自分はそのキワモノ世界に巻き込まれながら違和感は消え去り、カタルシスだけが残った。そんな作品は滅多にない。