ジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』公開10周年ということで、祝・記念上映に行ってきました。
というわけで、公開から10年を覚えている範囲で振り返っておこうかと思います。先ずは、本作は『マッドマックス』シリーズの続編に位置づけられていますが初公開の2015年は、前作『マッドマックス/サンダードーム』から30年も経ってるんですね。しかも初めからジョージ・ミラーが監督しているという驚き。恐竜のあのシリーズのようにたいがい続編が続くと監督は製作側に回っちゃうと思うんだけど、まさにこの作品群と世界観はジョージ・ミラー自身の財産であることを証明しましたよね。そして大ヒットとロングランはここで詳細を書く必要もないくらいの社会現象となりました。
あと覚えているのは、公開から2年後の2017年にブルーレイで『マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディション』が製作、発売されたこと。その記念に劇場でも公開されました。もちろん行きましたよ。これが単なる白黒映画じゃないんだ。多数のメカを扱っているから主役はクローム。メッキ色ですよね。この陰影の深さにも驚いた。果たしてジョージ・ミラー監督ってお祭り好きなのか?この時もちょっと盛り上がりましたよね。
そして2024年の『マッドマックス:フュリオサ』公開か。昨年のフェリオサ観賞前と観賞後では『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の物語への想いの入れ方、度合いが変わってきましたね。フュリオサが緑の地から始まっているので、デス・ロードでの変わり果てた故郷を見て慟哭するシャーリーズ・セロンの姿がひときわ胸に迫ってきます。この体験はこれまでの驚きとはちょっと次元の異なる衝撃。
衝撃でいえば、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の勝因はひとえに映画音響の貢献と言えるでしょう。これこそ衝撃。映画音響の発展の節目でいうと『地獄の黙示録』ウォルター・マーチのチームによる音響編集といった概念の確立が大きい。本作もその進化形と言えるんじゃないかな?映画館側も触発されてか「どう観客を作品世界のど真ん中に叩き込むか?」と音響機材の増設などで常に工夫するようになりましたから、映画の楽しみ方にも少なからず影響を与えていると思います。