ベン・ハー(1959)

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ベン・ハー(1959)

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レビューの数

109

平均評点

81.4(552人)

観たひと

847

観たいひと

55

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1959
公開年月日 1960/4/1
上映時間 212分
製作会社 MGM映画
配給 MGM
レイティング 一般映画
カラー カラー
アスペクト比 ウルトラ・パナビジョン70(1:2.76)
上映フォーマット 70mm
メディアタイプ フィルム
音声 6chステレオ

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

ルー・ウォレス将軍のベスト・セラー小説をカール・タンバークが脚色したスペクタクル・ドラマ。監督は「大いなる西部」のウィリアム・ワイラー、撮影はロバート・サーティース、音楽をミクロス・ローザが担当。出演は「メリーディア号の難破」のチャールトン・ヘストン、「大都会の女たち」のスティーブン・ボイド、ほかに、ジャック・ホーキンス、ハイヤ・ハラリート、サム・ジャッフェ、マーサ・スコットら。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

西暦1世紀の初め、ユダヤがローマ帝国の支配下にあった頃の話。ユダヤの都エルサレムにローマ駐屯軍の新将校が着任した。メッセラ(スティーブン・ボイド)である。彼はこの地の豪族の息子ベン・ハー(チャールトン・ヘストン)と幼な友達だった。しかし、メッセラは立身出世主義者となっており、ベン・ハーと今は相いれなかった。ある事件からベン・ハーの一家がローマへの反逆罪に問われた時、メッセラは無罪の口添えをこわれたが、拒否した。ために、ベン・ハーの母と妹は地下牢に入れられ、ベン・ハー自身は奴隷としてローマ軍船へ送られた。途中、砂漠で渇に倒れようとした時、飲み水を恵んでくれた人があった。ベン・ハーはこの人を忘れなかった。ローマ艦隊が海賊船団と戦った際、ベン・ハーは司令官アリアスの命を救った。彼はその養子に迎えられたが、ユダヤの地に帰った。そこでハー家の財宝を守っていたサイモニデスとその娘エスター(ハイヤ・ハラリート)にめぐり合った。エスターは、ライの谷へ送られていくベン・ハーの母と妹に出会っていたが、彼女らの願いで2人は地下牢で死んだと告げた。ベン・ハーは2人の仇を討つことを誓い、大戦車競争に出場し、メッセラを破った。重傷を負ったメッセラは母と妹はライの谷にいるとベン・ハーに言った。早速彼は母と妹を迎えた。途中、十字架を負って刑場に向かうキリストを見送った。砂漠で水を恵んでくれた人だ。今度はバン・ハーが1杯の水を捧げた。その行列を見守った母と妹は、病いが奇蹟的にいえた。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2010年9月下旬号

午前十時の映画祭:「ベン・ハー」「アラビアのロレンス」

1960年6月下旬号

外国映画批評:ベン・ハー

1960年4月上旬春の特別号

外国映画紹介:ベン・ハー

1960年3月上旬号

新作グラビア:ベン・ハー

2025/04/05

2025/04/05

-点

映画館/東京都/イオンシネマ多摩センター 
字幕


「これが始まりなのだ」

午前十時の映画祭15は「ベン・ハー」で開幕。
ローマ帝国支配下のイスラエルを舞台に、ユダヤ人貴族ジュダ・ベン・ハー(演:チャールトン・ヘストン)の数奇な運命とイエス・キリストの処刑と復活を描くスペクタクル超大作。同年のアカデミー賞では作品賞ほか11部門を総ナメにし、この記録は2025年現在でも「タイタニック」(1997)、「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」(2003)と並んで最多タイ記録のタイトルホルダーである。私事だが、これにてアカデミー賞最多受賞記録保持作品を全制覇した。
噂には聞いていたが、想像以上に「ファントム・メナス」だったし、かと思いきや知らず知らずのうちに「もののけ姫」に物語が変わっていった。
ここから先は少し失礼な表現が続くので事前に謝罪する。
本作の圧倒的なスケールは素晴らしいし、恐らくはアカデミー賞の受賞レースでも横綱相撲だったとは思う。引用されることの多い戦車競技のシーンも凄まじかった。
しかし洋の東西、そして宗教観いずれも部外者である身からすると話が進むにつれて寒気がしてくる作品ではあった。2025年という、観たタイミングもあったとは思う。
そう遠くない昔、我が国では宗教と国家が対立したことがあった。結果として少なからず死者も出た。それは奇跡を信じた行き過ぎた個人崇拝から生じたものであった。勿論イエスが同じだと言うつもりは全くない(そもそも違う)。しかしこの物語の舞台の時代からすると、特にローマ人にとっては似たような映り方をしたのではないかと思うのである。そして今日の世界観も長い年月をかけて形成したからこそ受容されたものであり、やはりその間に多くの血が流された。ある話では、有史以来最も生命を奪った存在は「神」なのだそうだ。しかもその数は悪魔に対して文字通り桁違いの差をつけているという。
そんなことが頭をよぎって、後半には個人崇拝に対して非常に抵抗をおぼえた。少なくとも自分には「八百万の神々」の方が合う(その割にはモノ使いが荒いなオイ)。
演出上の問題なのか、あるいは制約があったのか、イエスは後ろ姿ばかりで最後まで顔を映さない(個人的には後者の理由によるものと思う)。しかしイエスとジュダの、いち人間同士による水のやりとりには目頭が熱くなった。あれを観ただけでもチケット代を払う価値はあった。いくら心が荒もうとも、喉の渇いた人間に水を差し出すくらいの慈悲は持ち合わせたいものである。

2024/05/14

70点

選択しない 


「アンタレス リゲル アルタイル アルデバラン」

ネタバレ

おウマさん 皆芸達者で賢いな!

2024/03/23

2024/04/29

76点

テレビ/有料放送/シネフィルWOWOW 
字幕


画竜点睛(がりょうてんせい)を欠く

ネタバレ

初見である。ウィリアム・ワイラー監督作品はそこそこ観てきているのに、この映画はなんとなく敬遠してきたような気もする。理由は自分でもよく分からない。観た結果はなかなか壮大なスケールで、ドラマとしても面白かった。今度は70ミリで観てみたい。

ウィリアム・ワイラーはアメリカの良心を諸々の角度から描いてきた。戦後間もない1946年に監督した「我らが生涯の最良の年」では第二次大戦の勝利に酔いしれていた世情に対して原爆投下の是非を問題として投げかけている。「大いなる西部」(1958年公開)では、東部から来た知性派の青年の視点から西部の二局対立の価値観が憎悪をますます増幅させることに警鐘を鳴らした。そして、その2年後に「ベンハー」が制作された。

キリストの生誕から死に至るまでを主人公ベンハーとの接点として描く。キリストとの出会いによってベンハーは生き方を変えていく。ローマ帝国の、権力を維持しようとする闘争の世界から離れることで、自由な生活を得る。キリストがローマ帝国の世俗性を見据えていたことにベンハーは共鳴した。世俗的な権力で人を統制することの虚しさと愚かしさを彼は気付いた。世界を二局対立の視点で見ることは虚しい闘争心を生む。勝ち負けではなく、優劣でもない。二局対立の彼岸にあるものを何と名付けるべきものなのだろうか。「赦し」とも「愛」とも称えるものなのだろうか。

ベンハーがキリストの愛の力に目覚めたとき、母親と妹は死病から治癒した。この部分はさすがに宗教と自然科学とを混同した前近代的神秘主義がそのまま映像になっている。宗教が何事も全てを救済できるように描かれている。
たしかに病は気からということはある。神経系が免疫力の増減に影響を与えていることも分かる。だからといって、全ての病は信仰によって治癒されるとは言えない。
政治が全てを解決してくれるわけではないように、宗教が全てを解決してくれるわけでもあるまい。ハンセン氏病は死病ではなく、治療対象であり、完治するのは宗教の力によるものではないはずだ。

折角人間の「赦し」や「愛」をワイラーらしく的確に描き出しているのにどこで宗教万能の描写に一変したのだろう?
こういうのを「画竜点睛を欠く」というのだと思う。

2024/03/09

100点

選択しない 


不朽の名作

初めて見たのが1979年4月25日と5月2日。
当時は前編後編に分けてテレビで放送されていた。
その3か月前、高校入試を控えた中三の正月に人生の最高傑作「ウェストサイド物語」に出会い、無事合格した高校に入学して、最初のクラスの自己紹介で私は「この4月にテレビで『タワーリングインフェルノ』や『八甲田山』、そしてこの『ベンハー』が放送されるのがとても楽しみです」と話したのを今でもはっきり覚えている。
あれから45年、この間何度何度も見た「ベンハー」。
もはやセリフの一つ一つまで覚えているくらい見た。
今日見たのはWOWOWシネマで午前に放映されるのを新聞で知って予約録画したからだ。
午後、仕事から帰宅してすぐ見てしまった。
何度見てもまったく飽きない。
そして、何度も心が震える。
音楽も映像も何もかも素晴らしい。
この映画の価値を理解できずにベストテンに入れなかった当時のキネ旬の審査員たちは残念すぎる。
本家アカデミー賞の会員たちの方が感性豊かだったのだろう。
探せば我が家のどこかにキネ旬の増刊号の「ベストテン史」があるから、当時の審査員の顔ぶれもわかるのだが探すの面倒だからもういいや。
ちなみに本日最も素晴らしいと感じたのは3時間以上もあるのに無駄なシーンが全くない事だ。
今日も長さを全く苦に感じなかった。
ちなみに私は別にクリスチャンではないからね。
あと、「業病」という訳がちゃんと伝わっていることを願うのみ。
若い人たちには「ハンセン病」の方が通りがいいのだろうが、それでもわからない人は多いんだろうな。
初めて見た時は「らい病」と言ってたと思う。
この病気については、「ベンハー」と「砂の器」で学んだ。
国立療養所「大島青松園」で元患者さんたちから直接お話を伺ったこともある。
差別がなくなることを心から願うのみである。

そういえば感動して買ったカセットテープのサントラ盤、警固中学の同級生大川君に貸したままいまだ帰らず。
おーーーい返してくれーーーーい。

2023/11/29

2023/11/30

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


奇跡が起こった・・

いやぁ・・・、大作だよなぁ。212分と長丁場、全く飽きないのが凄い。それだけ、見せ方が上手いんだよね。戦車レースのシーンも良かったし、最後の奇跡もまさかの展開だった。やっぱ名作は凄いね。

2023/09/09

90点

選択しない 


壮大なスケールと重厚感

3時間半越えの長尺だが面白いので苦にならない。それだけでも凄い事。そのスケールの大きさと重厚感に圧倒される。見所も奴隷船の中からベンハーとメッサラの戦車競走まで多岐に渡る。CGのない時代。ガチでやってるのが凄い。そして奇跡の如きラストはキリスト教徒でなくても感動する。ウィリアム・ワイラー監督の傑作。