4人が歌う．簡単な運動をこなしながらステージでパフォーマンスをする．演奏もする．客に見てもらう，客に金を払って見てもらうステージであるから，4人は息を揃えてことに当たらなければいけない状況にある．
彼らは壇上での対面はかろうじて保っているが，仲間としての絆，共演者としての結束，グループとしての一体性は徐々に破綻していく．こうしてグループの浮沈が描かれる．
彼らが成したかったことはなんだったのだろうか．彼らは一人ずつ，パートを分けながら場面場面でキャメラに向かって当時，置かれていた状況を語る．ナレーションでもあり，傍白でもあるこの演出は，伝記的な映画にあってフィクショナルな奇妙さを持っているが，彼らの人生はそれぞれに，普通に，数奇であったことがわかる．語るべき人生であったと言える．その語るべき資格が彼らに奇妙な自分語りをさせていたのかもしれない．
天使の歌声とも言われ，「かわいいとも言われるフランキー（ジョン・ロイド・ヤング ）のファルセットがグループの売りではある．大物ジップ（クリストファー・ウォーケン）がグループの結成と揉め事に介入する．
トムーチと仲間に呼ばせているトミー（ビンセント・ピアッツァ）はグループのリーダー的存在でもある．彼はフランキーの才能を見抜き，いけてない彼を仲間に引き入れ，ジャズボーカルを特徴とするスリーラバーズというトリオのバンドに加えている．ニック（マイケル・ロメンダ）はツアー公演でトミーと同じ部屋で過ごしていたが，我慢の限界がきている，4人のうちで一番目立たない存在であることに自覚的でもあり，10年の我慢ののちに故郷での生活に戻る．聖人ボブと呼ばれるゴーディオ（エリック・バーゲン ）を加え，フォーラバーズに，そしてフォーシーズンズとして「シェリー」というヒット曲をものにしていく．フランキーとボブによる「君の瞳に恋してる」誕生のエピソードは少し泣かせる．
と　
盗み，殺しのふりをした盗み，ボーリングのイカサマ，盗品の上着でのステージなど彼らの若かりし頃のふるまいには，悪ふざけを超えた切実さがあるように感じる．彼らの音楽の輝きは，シナトラでもなく，黒人でもなく，亜流でもないコーラスは，その切実からきているようにも聞こえている．

前に映画館でも観たがテレビでやってたので録画して観ました、フォーシーズンズという、グループの話、舞台にもなってるみたい、映画館で観たあとCDも買いました。

曲は聞いたことがあったが、フォー・シーズンズのことは知らなかったが、問題児のトミーは日本なら出禁だろう。最後までフランキーとトミーのお顔の区別がつかず。ボブ・ゴーディオ役のエリック・バーゲンは好きなお顔だった。マフィア役はクリストファー・ウォーケン。下積み時代を描く序盤で、タモリ倶楽部のオープニング曲が流れてテンションが上がった。

調度品すてき　美しい映像　自動車
美しい三姉妹　美しい妻は薬物依存
皆で歌って踊るエンディング良き！

洋楽には詳しくないので、知っている曲が沢山出てくる。詳しくない自分でも知っているのだから、大ヒットしたというのは分かるけど、タモリ倶楽部のオープニングにかかっている曲まで流れてくるのにびっくり。この曲と「君の瞳に恋してる」が同じ作曲者とはねえ。「君の瞳に恋してる」は恋人への熱い想いが込められていてメロディも歌詞も良い。

出演者がカメラに向かって観客に語る演出が変わっているだけで、本作でのエピソードではこの種の映画ではありがちなものだった。特に惹き付けられるものはない。伝記映画だから、全く無い話をでっちあげるのはなんだかなあ、とは思うけど、さりとて驚きもないので感動がいまひとつ盛り上がらないのは残念。とは言え、最期にはみんなで踊ってお終いというのは良かった。やっぱりミュージカル的な映画のしめくくりはそうこなくちゃ。みんなで歌って踊って幸福感、高揚感を高めていくラストだと、どんなミュージカルでも欲しいものだ。

2022年3月5日
映画 #ジャージー・ボーイズ (2014年)鑑賞

#フランキー・ヴァリ と #フォー・シーズンズ の伝記的映画

#クリント・イーストウッド 監督は本当に何でも上手に仕上げるな、凄い

#タモリ倶楽部 のオープニング曲と #シェリー と #君の瞳に恋してる は同じ人が作曲してるとはこれまた凄い