「仔羊の悲鳴は止んだか?」
米国各地で発生した通称"バッファロー・ビル"による連続猟奇殺人事件。FBIアカデミーの実習生であるクラリス・スターリング(演:ジョディ・フォスター)は、主任捜査官クロフォードの心理分析を拒否する凶悪犯にして精神科医ハンニバル・レクター博士(演:アンソニー・ホプキンス)への接近を命じられる。クラリスに対してレクター博士は興味を抱き、時に突き放しながら"バッファロー・ビル"の捜査に助言を与えるようになる。
「或る夜の出来事」(1934)、「カッコーの巣の上で」(1975)に次ぐ史上3作目のアカデミー賞主要5部門(ビッグ・ファイブ、作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚本賞)を受賞し、2024年現在ではビッグ・ファイブ制覇を達成した最後の作品...なんだけど、如何せん猟奇殺人を扱っただけあって画面が凄惨で観ていて非常に辛かった。グロ耐性があまりない僕としては、"ミス・モフェット"の貸倉庫の段階でゲンナリしてしまったし、レクター博士が覚醒するシーンは(事前情報ありでも)目を背けたくなった。また、"バッファロー・ビル"の乳首ピアスがどうにも気持ち悪くて再鑑賞は当分(あるいは金輪際)御免蒙るといった感じである。
だがしかし、僕としては本作で注目をされたプロファイリングの手法や、(劇中ではあまり触れられていなかったが)レクター博士の記憶術といった心理面の話には非常に興味がある。わずかな物的証拠から犯人像を割り出していく手法は今後も学んでいきたいので、その点では非常に参考になる作品でもあった。
しかしジョディ・フォスター、スクリーンで観るたびにヤバい男たちに見初められている気がする…。