人を正しく見る方法は法律には載っていない
ネタバレ
タイトルと相反して、ものすごく重たい社会派の実話に基づいたLBGTやダウン症などのマイノリティーに対する偏見についての話。
麻薬の常習犯である母親に育てられるダウン症の子を救うべく、
監護権を得てその子を育てようとするゲイの2人。
しかし、そこには想像以上の偏見が彼らに立ちはだかり、本来更生であるべき司法においてもそれに憚れる。
ここに出てくる人は法の在り方や原則、正当さ、社会の常識ばかりにしか目が向いていない。救うべき人のためにある法や秩序が、それを扱う”人”の偏見によってその本質を完全に見失ってしまっている。ダウン症で子供であるということで、判断能力まで否定されて、本人の意思が不在のまま物事が進められていくのが理不尽であり不幸である。こうも社会システムや偏見によって取りこぼされてしまった人を見せつけられてしまっては、何かを感じずにはいられない。
ラストはかなりいたたまれない気持ちでいっぱいになることだろう。