それでも夜は明ける

それでもよはあける|12 Years a Slave|12 Years a Slave

それでも夜は明ける

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レビューの数

181

平均評点

76.8(1224人)

観たひと

1821

観たいひと

211

(C) 2013 Bass Films, LLC and Monarchy Enterprises S.a.r.l. in the rest of the World. All Rights Reserved

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル 伝記 / ドラマ
製作国 アメリカ イギリス
製作年 2013
公開年月日 2014/3/7
上映時間 134分
製作会社 Regency Enterprises=River Road Entertainment=Plan B Entertainment=New Regency Pictures=Film4=Regency Enterprises
配給 ギャガ
レイティング PG-12
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット デジタル
メディアタイプ ビデオ 他
音声 ドルビーSRD

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

19世紀半ばに誘拐され奴隷として非道な扱いをされたソロモン・ノーサップの自伝を映画化。監督は「SHAME-シェイム-」のスティーヴ・マックィーン。脚本は「アンダーカバー・ブラザー」のジョン・リドリー。12年もの間苦難を受け続ける黒人音楽家を「2012」のキウェテル・イジョフォーが、狂信的な選民主義者を「SHAME-シェイム-」のマイケル・ファスベンダーが、奴隷制度に反対する労働者を「ワールド・ウォーZ」のブラッド・ピットが演じる。ブラッド・ピットは本作の製作にも加わっている。第86回アカデミー賞で作品賞を受賞。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

奴隷制度が広がっていた1841年、アメリカ。ニューヨークで家族とともに暮らす自由黒人で音楽家のソロモン(キウェテル・イジョフォー)は、突如誘拐され、奴隷としてアメリカ南部のニューオーリンズへ売り飛ばされた。農園での労働を強いられ、狂信的な選民主義者エップス(マイケル・ファスベンダー)ら白人たちからはむごい差別と虐待を受けながらも、ソロモンは決して人としての尊厳を失うまいと心に決める。いつかまた家族と再会できる日が来ることを信じ続けて耐え忍ぶソロモン。そして12年もの歳月が流れたある日、奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バス(ブラッド・ピット)と出会い、これを機に彼の運命は大きく変わっていく……。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2014年10月上旬号

MOVIE at HOME お家でDVD & Blu-Layを:DVDコレクション 「それでも夜は明ける」

2014年4月上旬号

読む、映画:「それでも夜は明ける」

REVIEW 日本映画&外国映画 公開作20作品、60本の批評:「それでも夜は明ける」

2014年3月下旬号

UPCOMING 新作紹介:「それでも夜は明ける」

マイノリティを生きて 黒人監督が語る、彼らのものがたり:監督インタビュー「それでも夜は明ける」スティーヴ・マックィーン

2014/03/12

2025/06/21

70点

映画館/大阪府/大阪ステーションシティシネマ 
字幕


拉致され奴隷として売られること、容赦ない鞭打ちと痛々しすぎる傷跡に思わず絶句。が、何よりも衝撃だったのは、すぐそこに首を縊られている人がいるのに、周りの人たちが全く動じず淡々と普段の生活を送っていること。ここでは、こんな非日常の風景が当たり前のことなんだ、と思い知らされる。そして、あの状況下で自己を保てていたソロモンは本当に凄いと思うけれど、あまりに心が落ちなさすぎて少し違和感が。どことなく、自分は自由黒人で他の奴隷たちとは違うという特別意識があったんじゃないか、と穿った見方をしてしまう。個人的には、精神的にどん底まで突き落とされながらも、それでも這い上がってくる姿が観たかった。また、12年に渡る奴隷生活を描きながら、時間の経過がほとんど感じられなかったのも残念。それにしても、ポール・ダノってばヘタレな冷酷人間が似合いすぎ(笑)。

2014/03/14

2025/06/10

70点

映画館 
字幕


せっかくのオスカー作品賞が有名スターの顔出しでがっかり

ネタバレ

 奴隷制といえば、アフリカ大陸から大きな船に乗せられて大西洋を越えてやって来た黒人たちという、実に安易なイメージしか浮かばなかった私にはとても衝撃的な話でした。
 
 このお話の主人公、と言っても本作は事実に基づいているのですが、その主人公ソロモンは、NYで普通の生活を営む妻も子もある一家の主ですが、ビジネスがらみの詐欺に会い、奴隷として売り飛ばされてしまうのです。若い娘じゃあるまいし、そんなことがあるのか?と思うのですが、甘い、甘い。これは実際に行われた立派な拉致なんですね。

 奴隷制度については知識では分かっていても、奴隷として扱われた当時の人々の気持ちなど、所詮平和ボケした私の脳内では想像の限界を超えています。本作を見ているとき、私としてはせめて、こうした困難に会ったとき、人はどう振る舞えばいいのかという気持ちで見ることしかできませんでした。けれど、これは現実にあった話ですから、冒険小説のように主人公は戦って危機を脱することもできないし、彼を助けるヒーローも登場しません。彼の出来ることはただ一つ、生き延びること。すなわち再び家族の元に戻るまで辛抱することです。そのためには到底許すことの出来ないこの現実を受け入れる、というか目の前にある状況に適応してゆくしかありません。これは動物であれ人間であれ、命を持つ者の本能ではないかと思いました。

 本作を見てつくづく恐ろしいと思うのは、生き延びようとする本能が次第に隷属という形に姿を変えてゆくことです。家畜以下の扱いを受け続ける奴隷たちは、次第に人間らしい気持ちを失ってゆきます。目の前にある現実に何とか対処しようと考えたソロモンは、最初、与えられた仕事を一生懸命こなし効率化のために様々な提言をして主人に認めてもらおうとするのですが、それを快く思わない主人の使用人によって半殺しの目に遭います。周囲の者たちは奴隷たちを含めて誰も彼を助けようとはしませんでした。

 半生半死の状態で何時間も木に吊るされた彼の周りでは、奴隷の子供たちが遊びまわり、主人の妻も遠くから彼を眺めるだけです。それはまるで、弱ったインパラが目の前でライオンに襲われても、群れの仲間たちは何事もなく草を食んでいるアフリカ草原の光景に良く似ています。襲われた一匹のお陰で、今このひと時だけでも、自分たちの身の安全に安堵しているような感覚です。奴隷に対し、比較的優しい気持ちを持ち合わせていた彼の最初の主人に、ソロモンは自分は自由黒人であることを打ち明けるのですが、主人はそのことを二度と口に出してはいけないと忠告します。そのことが奴隷となった彼にとって、裏目に出るというのです。

 トラブルを抱えたソロモンをこれ以上庇い切れなくなった主人は、彼を手放すことを決断します。二度目の主人は奴隷に対し冷酷な仕打ちをすることで悪評高く、ソロモンの苦難はますます深く厳しいものとなります。様々な努力や挑戦は全て裏切られるなか、彼は自我というものを完全に隠し去り、次第に群れの中で息を殺して生き延びようとするインパラになってゆきます。終盤、彼が大切にしていたバイオリンを自らの手で壊してしまうシーンが痛ましいです。

 さて、奴隷となって12年目、ある日彼に思わぬ出来事が起きます。本作は解放されたソロモン自身が実際の体験を本にまとめたものを描いているわけですから、結末は自明ですし、解放のきっかけも事実なのでしょう。ただ、有名スターが突然登場し、重要な役回りをするところに大変な違和感を感じました。普段から人道的な活動に労を惜しまない彼の評判は良く耳にしますし、プロジューサーとしての才能も確かに素晴らしいですが、だからこそ、本作では顔を出して欲しくなかったです。日常の平穏な生活にどっぷり浸かる極楽とんぼの私ですら、奴隷制度はそんな単純な話ではないということは分かります。スターの登場によって、たった一人の人道的な行為が主人公を救った、そんな印象が強く残ったオチとなってしまったのが残念です。

(2014/03/14 記)

2024/07/07

2024/07/07

80点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
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12年は長いな

2024年7月7日
映画 #それでも夜は明ける (2013年)鑑賞

ニューヨークで自由黒人として自由な生活を送っていた主人公が、誘拐され南部の農園に売り飛ばされ、帰還するまでの12年の奴隷生活の物語

同じ人間なのに人間扱いしない感覚って何なんだろうな。差別の感覚はいつなくなるのかな?

2024/03/13

2024/03/13

55点

テレビ/有料放送 
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アカデミー賞受賞作特集2024

自由黒人、耳馴れない言葉、ブラッド•ピットが制作と労働者役で出演、この時点では夜明けは遠い❗

2022/03/27

2022/03/27

-点

VOD/GyaO!/レンタル/PC 
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差別の惨さ

人が人を差別する時、差別する側は正義を持って差別をするのだと思う。だからこそ人種差別は恐ろしい。差別をなくそうたってそれを悪いと思っていないからなくならない。そのパラドックスを解かない限り、永遠に差別感情は消えない。
それでも必死に自由を求めて訴えていかないといけないのだろう。

2021/12/26

2021/12/27

65点

VOD/Amazonプライム・ビデオ/レンタル/テレビ 
字幕


首を吊るされたまま放置されるシーンや鞭打ちシーン等をあえて長回しで観せて残虐性を際立たせてるけど、本当に残酷なのは罪の意識すら無く、黒人達をモノ同然に扱える人間の心なのではないかと。自分にもこの白人達と同じ血が流れている事に驚愕しつつ、そんな事を感じながら観てると最後は割とあっさりと終わった印象でちょっと拍子抜けした。まあ実話をありのままに描いただけなのかも知れないけど。ブライアン・ウィルソンを演じたポール・ダノがめちゃくちゃイヤな役で、出演シーンは短いながらも印象的だった。