42 世界を変えた男

ふぉーてぃーとぅーせかいをかえたおとこ|42|42

42 世界を変えた男

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レビューの数

120

平均評点

77.1(751人)

観たひと

1042

観たいひと

66

(C)2013 LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル ドラマ / 伝記
製作国 アメリカ
製作年 2013
公開年月日 2013/11/1
上映時間 128分
製作会社 Warner Bros. Pictures=Legendary Pictures
配給 ワーナー・ブラザース映画
レイティング 一般映画
カラー カラー/シネスコ
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 ドルビーSRD/DTS/SDDS

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

史上初の有色人種メジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンの伝記映画。タイトルにある「42」は、現在ではアメリカ野球界全体で永久欠番となっている彼の背番号にちなんでいる。監督・脚本は、脚色を担当した「L.A.コンフィデンシャル」で第70回アカデミー賞脚色賞を受賞、監督としても「悪霊喰」「ペイバック」などを手がけたブライアン・ヘルゲランド。差別に負けず活躍した名選手を「エクスプレス 負けざる者たち」(未)のチャドウィック・ボーズマンが、悪しき慣例を破り彼と契約したブルックリン・ドジャースのゼネラル・マネージャーを「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」のハリソン・フォードが演じている。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1947年、アフリカ系アメリカ人のジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)はメジャーリーグの球団のひとつ、ブルックリン・ドジャースと契約する。当時アメリカでは、トイレやレストラン、交通機関などあらゆる公共のものの使用が白人と有色人種とで分けられ人種差別が横行していた。野球界も例外ではなく、有色人種の採用はジャッキーが初めてだった。ジャッキーと同球団のゼネラル・マネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、敵球団や一般大衆、マスコミはもとより、チームメイトからすら非難を浴びる。しかしどんなに理不尽な差別にあっても自制心を働かせ、己の力を発揮することに集中するジャッキー。そんな彼の姿にチームメイトやファンは心を動かされ、ジャッキーはやがて野球界を、そして世界を変えていく。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2013年12月上旬号

REVIEW 日本映画&外国映画 公開作20作品、60本の批評:「42~世界を変えた男~」

2013年11月上旬号

UPCOMING 新作紹介:「42~世界を変えた男~」

2013年9月下旬号

【巻頭特集】2013年秋冬目玉作、総ざらい お楽しみはこれからだ!!:ア・バラエティ・オブ・ハリウッド 「42~世界を変えた男~」「悪の法則」「キャプテン・フィリップス」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「ハンガー・ゲーム2」「47RONIN」

2024/11/21

2024/11/21

70点

VOD/U-NEXT 


・MLBの42番、なんとなく知っていたジャッキーのMLBデビューまでと、デビュー後1年の葛藤 当然ながら人種差別は醜く苛烈であり、リッキーオーナーの指示のもと心を抑え活躍 そもそもはチームメイトから、さらに敵チームの監督から遠征先のホテルまで、まさに時代錯誤な様子がきつい
・実直でグラウンドの上では紳士でふるまい、裏では感情爆発する主人公を演じたボーズマン この当時はまだ病もなく元気そう
・オーナーのあまりに素晴らしい行動がすべての始まり ハリソンフォードも良かった
・主人公を支える妻も芯が通っている

・黒人差別物の完全な迫害事件や暗殺事件を題材とした映画に比べると、緩い印象 シンプルにいい話ではあるが、思い描いた展開の範囲で進んだ感じ
 

2024/01/19

2024/02/16

75点

レンタル 
字幕


勇気ある戦い

ネタバレ

一人の意識が変われば、その周囲の人々の意識が変わり、やがては社会が変わり、世界が変わり、そして新しい歴史が生まれる。B・リッキーの賢明な決断とJ・ロビンソンの不屈の精神があればこそ、世界各国の選手がメジャーリーグの舞台に立つことが出来ていると思うとその感慨もまたひとしお。

「法律に逆らえば時に称賛されるが、慣習に背けば社会から排訴される」そんな言葉に逆らうかのように、世間に蔓延る差別と偏見に挑んだ主人公二人の勇気ある戦いをデモクラティックなメッセージともに紡ぎ出した実話ベースの人間ドラマ。それにしても、因果応報でもあろう差別主義者の末路は何だか哀れ。

実在した人物を見事に演じきったC・ボーズマン、H・フォードの役にはまった好演が光る。イマイチ臨場感の欠ける野球シーンに物足りない気がしなくもなくの5点減点。

2023/11/15

2023/11/15

75点

テレビ/有料放送/スターチャンネル 


不屈の背番号42

今も4月15日には大リーグではグラウンドにいる全員が背番号「42」をつける。それは黒人初のメジャーリーガー・ジャッキー・ロビンソンを記念してのことだ。大リーグではどの球団も42番は永久欠番となっている。
有色人種差別は敵だけで無く、味方の中にも、観客の中にも存在し、ロビンソンを罵倒する。しかし彼は怒りを胸に納めドジャースを優勝に導く。
これは彼だけの功績では無く、ゼネラル・マネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)の功績でもある。なぜならば彼が信念を持って黒人を採用したからだ。しかも差別を受けることを分かっていながら、ロビンソンを諄々と諭し、忍耐強く差別という敵と戦ったからである。
感動の映画である。

2023/07/01

2023/07/02

80点

VOD/U-NEXT/レンタル/PC 
字幕


全員が42をつければ、違いがわからない

ジャッキー・ロビンソンのことは、それなりに知っていました。が、毎年4月15日になると、メジャーリーグではどの球団の選手も全員背番号に42をつける歴史までは知りませんでした。

 黒人差別の激しさは、グランドの外だけでなく、グランドの中にまで入り込んでいて、彼はプレーに専念できる状況ではなかったのです。通路で、侮辱に耐えていると、彼を見出したGMのブランチ・リッチーが励まします。

 この映画は一面、リッチーの信念の話と言えるかもしれません。かつて優秀な黒人選手を助けることができなかった悔恨と敬虔なキリスト教徒であることが彼を支えます。

 彼の激励で活躍していくロビンソンには、次々とチームに味方ができていきます。チームプレイのスポーツであるのが野球ですので、どんどん勝利するようになっていきます。

 野球という文化で人種差別を乗り越えていくアメリカの底力を見せてくれる、いい作品です。

2023/06/22

2023/06/22

60点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
字幕


彼が動き出すと,周りも真似るようにして動き出す

1945年のベースボールをめぐる情況から物語は始まる.球場は暗い.ニグロリーグが地方興行に回っている.ブルックリン・ドジャースの球団マネージャーであるリッキー氏(ハリソン・フォード)のオフィスのブラインドが操作されると室内に光が入る.ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)の身体に光が射す.
ジャッキーがフィールドで出塁すると,必ずと言っていいほど走り出しスチールを狙い,塁も一つでも多く稼ごうとする.彼は政治的な理由ではなく,金を稼ぐためにフィールドでプレーをしている.彼が走り出すと,少年たちも走り出し,列車も走り出す.帯同する記者ウェンデル(アンドレ・ホランド)が打つタイプライターの音も駆け出すようでもある.彼は,超人的な身体能力に加え,神に忍耐力を授かったといい,人種差別に対し忍耐で応えようとしている.フロリダからニューヨークへ,1947年シーズンの開幕に向け,ジャッキーとリッキーは動き出そうとしている.ドジャースのチームメイトはジャッキーとチームメイトになることを嫌がり嘆願書を出そうとしている.リッキーの指示もあり嘆願運動を阻止する監督レオ(クリストファー・メローニ)は,女性問題をスクープされ逆に1年間の謹慎をくらう.監督不在で開幕を迎えたものの,老熟したバート(マックス・ゲイル)という男が監督に座る.ジャッキーがプレーをすることで,非難や支持も含め,周囲は波立ち,動き出そうとしている.ジャッキーは出塁すると,鍵盤でも弾き鳴らすように指を動かし,塁からリードをとる.その低い姿勢は,実況者によって猫にも喩えられる.ジャッキーはバッターボックスに立つ前に,フィールドの土で手を洗うかのようにしてゲンを担いでいるのだろうか.そうした姿勢や運動を子どもたちがまねて,プレースタイルをフィールド外にも広げていく.ジャッキーには,無口でもいるが,何よりも運動が身体が乗り移っているのであろう.

2023/06/17

2023/06/17

80点

選択しない 


尊敬に値する行いとは

 対戦相手チームの監督がベンチ前に出てきて、あらん限りの差別的なヤジを飛ばすシーンがある。差別が当たり前の空気感の中で暮らす白人たちでさえ、そこまで言っちゃいけないよという気分にさせてしまうくらいに徹底的にこきおろす。

 白人は黒人を差別してもいいのだが、そこには差別をしてもいいルール(ホテルなどの宿泊施設、トイレやシャワーなど完全に区分すること)があって、ルールを侵さない限りにおいては、あるいは白人の領域を侵さなければ、まあ無視しておくよ、という雰囲気があるのだと感じた。
 差別に対して、人間本来が持っている嫌悪感は、どんな人間にも共通するものだろうし、アメリカ人には宗教的なブレーキも働くだろう。
 だが、過去と現在に程度の差こそあれ、差別意識はどんな人間もゼロにすることができないのも事実だ。自らの差別意識を抑え、差別される怒りを静めるためにまたこの映画を見ようと思う。

 グラウンドの選手通用口で、バットを振り回して怒り狂うジャッキー・ロビンソンの肩を球団オーナー(ハリソン・フォード)が横抱きにして慰め、気持ちを理解しようとする姿に感動した。