46年前に初めて観て以来の鑑賞だが、その時ほどの感動はなかった。20代のみずみずしい感性は今はなく、もちろんロシアン・ルーレットの凄惨さには衝撃を受けたが、それよりも184分という長さが冗長に思えた。それほど重要とも思えないシーン、たとえばマイケル(ロバート・デ・ニーロ)の友達スティーブン(ジョン・サベージ)の結婚式と披露宴のシーンが延々と続くのには辟易した。ほかにも長廻しが多い。これらがなければもっと感動できたと思う。
その一方で、大胆な省略が用いられる。スティーブンの結婚式のあと、マイケル、ニック(クリストファー・ウォーケン)とスティーブンがベトナムの戦場で再会するシーンに飛ぶ。こぜりあいの戦闘シーンがあったかと思うと、三人は捕虜になっている。ここで捕虜はロシアン・ルーレットをやらされる。運と度胸だけが頼りのゲームで、敗者は死に直結する。それをベトコンが賭けの対象にして楽しんでいる。
マイケルの機転で三人は何とか脱出できたが、スティーブンは大けがを負い、ニックは行方不明となり、ばらばらになってしまう。
マイケルは故郷に戻って来ることができ、ニックの恋人リンダ(メリル・ストリープ)が迎えてくれたが、ニックは音信不通のままで、一足先に帰っていたスティーブンは車椅子の身となっていた。
ニックを探しに、ふたたびベトナムに飛んだマイケルはロシアン・ルーレットの射手になっていたニックを見つける。ニックは記憶喪失になっていたが、マイケルに教えてもらった鹿狩りの鉄則を思い出したのか、一瞬、笑顔を見せ、引き金を引く。
故郷にふたたびみんなが集まる。ニックをたたえて歌う「ゴッド・ブレス・アメリカ」がむなしい。