チャップリンの独裁者

ちゃっぷりんのどくさいしゃ|The Great Dictator|The Great Dictator

チャップリンの独裁者

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レビューの数

110

平均評点

81.9(552人)

観たひと

884

観たいひと

79

基本情報▼ もっと見る▲ 閉じる

ジャンル コメディ / ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1940
公開年月日 1960/10/22
上映時間 126分
製作会社 ユナイテッド・アーチスツ映画
配給 東和
レイティング 一般映画
カラー モノクロ/スタンダード
アスペクト比 スタンダード(1:1.37)
上映フォーマット 35mm
メディアタイプ フィルム
音声 モノラル

スタッフ ▼ もっと見る▲ 閉じる

キャスト ▼ もっと見る▲ 閉じる

解説 ▼ もっと見る▲ 閉じる

チャールズ・チャップリンの3大名作の1つといわれる「偉大なる独裁者」(原題)がついに日本で公開される。1940年、ヒットラーのナチスがドイツで、ムッソリーニのファシストがイタリアで、それぞれ独裁をなしとげ、その黒い手を世界にのばし始めた頃、そのファシスト独裁者を痛烈に批判し、全世界の人々に自由のために闘うことを呼びかけようと作られたのが、この作品であった。またチャップリンが始めて完全なトーキーを使った作品であり、山高帽・ドタ靴・ステッキ・アヒル歩きのチャップリン・スタイルの最後の作品である。例によって、製作・脚本・台詞・監督・主演はチャップリン自身。撮影はカール・ストラッスとローランド・トセロー。音楽監督はメレディス・ウィルソン。出演はチャップリンがトメニアの独裁者ヒンケルとユダヤ人の床屋との2役に扮するが、バクテリアの独裁者ナパロニにジャック・オーキー、ユダヤ人の美少女ハンナにポーレット・ゴダードが扮しし、そのほか、レジナルド・ガーディナー、ヘンリー・ダニエル、ビリー・ギルバートらの出演。チャップリンの永年の共演者チェスター・コンクリも姿を見せる。

あらすじ ▼ もっと見る▲ 閉じる

1918年――第1次世界大戦の末期、トメニア軍陣地では1兵卒であるユダヤ人の床屋(チャーリー・チャップリン)が奮戦していた。しかし、敗色は濃く、前線では敗退がつづき、上層部ではひそかに平和交渉が始められていた。何も知らぬ将兵は勝利を信じて戦った。トメニア軍の空軍将校シュルツ(レジナルド・ガーディナー)は敵に包囲され、危ないところを床屋に救われた。傷ついたシュルツを助けて2人はトメニアに命からがら逃げかえったが、その時すでに戦争には負けていた。床屋は戦傷のためすべての記憶を失い病院に収容された。数年の年月が流れ、トメニアに政変が起こった。その結果ヒンケル(チャーリー・チャップリン)という独裁者が現われ、国民の熱狂的な歓迎を受けた。彼はアーリアン民族の世界制覇を夢み、他民族ことにユダヤ人の迫害を行った。ユダヤ人街のジャッケル(モーリス・モスコヴィッチ)の家族やハンナ(ポーレット・ゴダート)らは、不安な毎日を送っていた。床屋は政変のあったのも知らず、このユダヤ人街の自分の店に戻って来ていた。突撃隊の隊員はユダヤ人街に来ては乱暴した。ハンナはくやしがった。臆病者の床屋も彼女と協力して彼等に抵抗した。ある時、突撃隊に逮捕されかかった床屋を、通りかかった今は突撃隊指揮官になったシュルツが救った。おかげでユダヤ人街にも平和な日々が戻った。ヒンケルは自分の独裁政治をかくすため、国民の関心を外に向けようとオスタリッチ進駐を考え、軍資金をユダヤ人財閥に借款を申し入れたが拒絶された。ユダヤ人迫害が再開された。シュルツはヒンケルの政策の非を進言し、そのせいで失脚した。彼はジャッケルの家に隠れていたが、突撃隊に発見され床屋とともに逮捕された。床屋を慕うハンナは身の危険をさけるためジャッケル氏らとオスタリッチに逃げた。独裁者ナパロニ(ジャック・オーキー)指揮のバクテリア軍もオスタリッチに侵入した。ヒンケルはバクテリア軍を撤退させようと、ナパロニを招き、お互いにオスタリッチの主権を尊重する誓約書に署名させ、撤退に成功した。そのスキに自軍進駐の準備をした。床屋とシュルツは軍服を盗んで収容所を脱出した。国境で進駐準備の軍隊がヒンケルと間違え、進軍を開始した。その頃、ヒンケルは鴨狩中を床屋と間違えられ、警備兵に逮捕された。数万のヒンケル軍はオスタリッチに到着、床屋は演説をしなければならなくなった。壇上に立った床屋は狼狽したが、気持ちを落着けて話しはじめた。“独裁者の奴隷になるな!民主主義を守れ!”彼の声はしだいに熱をおび自由と平和を守ろうと叫んだ。それはオスタリッチのハンナたちにも語りかけているようだった。

キネマ旬報の記事 ▼ もっと見る▲ 閉じる

2020年7月下旬号

読者の映画評:「グレート・ウォー」吉田伴内/「チャップリンの独裁者」原田隆司/「よこがお」関根和俊

2011年1月上旬号

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1973年9月上旬号

グラビア:「チャップリンの独裁者」

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分析研究:チャップリンの独裁者

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1960年12月下旬号

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1960年11月下旬号

外国映画批評:チャップリンの独裁者

1960年10月上旬秋の特別号

外国映画紹介:チャップリンの独裁者

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1960年9月下旬号

新作グラビア:チャップリンの独裁者

2024/07/30

2024/07/31

-点

VOD/U-NEXT/レンタル/テレビ 
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新しく知った2、3のエピソード

何度見ても、すごい映画だなぁと思います。点数的には100点でも200点でもいい気がします。今回は点数はなしです。新しく知った2、3のエピソードを記してレビューに変えます。私だけが新たに知っただけで、みなさんのレビューでは触れられていた方もいました。

 最後の6分間の演説。スタッフからも反対の声が強く、営業担当から、この演説で売り上げが100万ドル減るからやめてくれ、と言われたそうです。しかし、500万ドル減ってもやる、と言って撮影は断行されました。因みに撮影は、ヒトラーのパリ入城の翌日、1940年6月15日です。
 見方によっては、この演説は映画であることをやめ、民主主義、国際平和を訴えるプロパガンダになっている、と言えるかもしれません。が、この「独裁者」がチャップリンの作品の中で一番商業的に成功をしたことから言えるのは、誰よりも大衆がチャップリンを支持した、ということでしょう。チャップリンもそれを望んでいました。

 また、自伝では「ホロコーストの存在は当時は知っておらず、もしホロコーストの存在などのナチズムの本質的な恐怖を知っていたら、独裁者の映画は作成できなかったかもしれない。」と述べています。
 世界征服、小心者などのヒトラーの人間の本質は見抜いて笑い飛ばしたものの、ホロコーストの狂気の行動までは想定外でした。これほどまでの蛮行を予想できた人は、おそらくいなかったでしょう。

 最後に、ヒトラーの妻とされるエヴァ・ブラウンの伝記です。ヒトラーは、ポルトガル経由でこのフィルムを手に入れて、ベルリン首相官邸の執務室と映画の執務室が非常によく似ている、と言っていたそうです。そして、地球儀で遊ぶシーンでは、笑ったと言われています。
 あのシーンは、チャップリンのパットマイムの確かな技術の力が感じられるところです。

2023/05/07

2024/06/27

85点

映画館/群馬県/高崎電気館 
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最後の演説に尽きる

あの時代に、これだけの名演説ができる。
それがチャップリンさんの自由や平和を愛する心なんだろう。

自由であるからこそ
平和であるからこそ
面白おかしく映画を作ることが出来る。
その映画を観て笑い転げることが出来る。

全ては平和であることによる。
あんな不穏で、恐怖に支配されたような社会の中では
いろんなことを楽しむ事はできない。

あの演説は当時の独裁者たちの心には届かなかったかもしれない。
でも
あの演説は平和を愛する全ての人々の心に、時代を超えてでも響き渡る。
いつか、全ての障害を乗り越えて融和されていく世界であるようにと。
思いを受け継ぐ人は決して少なくないはずです。

2024/05/26

2024/05/26

82点

VOD/U-NEXT 


チャップリン作品と向き合う⑥これぞ最高傑作

・コメディ要素より風刺色と社会的メッセージがかなり強い作品 個人的にこのドタバタ感を抑えたバランスは良かった コメディ、シリアス、メッセージのバランスが最高で個人的に最高傑作と思う
・何より、1940年にヒトラーをおちょくる作品を撮って公開した気持ちに拍手 現在でいえば、プーチンやバイデン、習近平を馬鹿にすることと同じ 現代以上に身の危険がありそうなものの、そこに切り込む姿勢は何より評価した
・ユダヤ人の迫害を描き、作品の最後にはヒトラーと入れ替わった床屋の主人公が熱を帯びた演説を行う ヒトラーの外見で発する平等や自由、他社への思いやりのメッセージはすごい 当時の時代感はわからないが、チャップリンの危機感と正義感があふれている
・コメディ展開も巧みで、印象的な部分として、墜落する飛行機が逆さまで飛んでいる場面、ヒトラーが地球儀の風船をもてあそび世界を手中に入れる野望を示す場面、隣国オーストリッチ進行をめぐって隣国宰相のナパロニとのバタバタコメディシーン 相変わらずコント要素も楽しい
・冒頭の第一次世界大戦のシーンは当然コメディ的であるが、戦場の再現性は高いレベルにあった 
 

2023/07/19

2023/07/20

80点

レンタル/千葉県 


笑う反骨

40年ぶりの再見。
本作の公開年日が1940年というのは驚くべきことで、本作の中でもドイツらしき国が隣国のオーストリアらしき国への侵攻・併合(1938年)での主人公(ユダヤ人の床屋)が人間の機械化反対と自由と民主主義の価値の重要性を演説するエンディングは当時のファシズムやユダヤ人に対する迫害に鈍感だったアメリカに対して警笛を鳴らす表現者としての真摯な叫びだった。
チャップリンという天性のコメディアンが笑いのオブラートにくるんで苦いメッセージを見る者に訴える。すごいことだ。

2023/05/18

2023/05/18

84点

テレビ/無料放送/NHK BSプレミアム 
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平和と民主主義・・

多分2度目の鑑賞だが、最後の演説はやはり圧巻だった。平和と民主主義を大切にするチャップリンらしい演説だったと思う。今、まさに戦争をやらかしている人や、果てしない軍備の拡張を進めている人たちに、この映画を見せてやりたいと思う。

2023/05/11

85点

映画館/大阪府 
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チャップリン最高傑作

笑いと風刺とロマンスと。全て盛り込だハートウォーミングな一作。素晴らしかった。